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著作

  • 共著:「次世代センサハンドブック」培風館(2008)、「マイクロセンサ工学」技術評論社(2009.8)
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  • 単独著
    アナログ電子回路設計入門 (1994.12)、コロナ社: 実践アナログ回路設計・解析入門 (2005.1)、日刊工業: オペアンプ基礎回路再入門 (2005.7)、日刊工業: ダイオード・トランジスタ回路入門 (2005.12)、日刊工業: スイッチングコンバータ回路入門 (2006.9)、日刊工業: これならわかるアナログ電子回路基礎技術 (2007.6)

専門とする事項

  • 電源を含む精密アナログ電子回路の設計・開発、およびその教育、技術指導。センサ・アクチュエータシステムの構築。電子機器の不良解析指導および再発防止指導。解析主導型設計の推進と回路シミュレータの実践的活用指導。技術的側面からのプロジェクト管理指導。

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2006年4月

2006年4月30日 (日)

本日の練習会

明日は技術ネタを出します。今回はマイナースポーツ:アーチェリーの話。今日は日曜日の練習会。常設射場で仲間と射った。70mで直径122cm的(一番外側が1点、12cmが10点)で6射最高53点、最低28点、36射2回で241と217.もちょっとだな。250点までは。

アーチェリーには、グリーンバッジと呼ばれる30mで36射200点(80cm)的で記録会で200点出せもらえる仮免的なバッジ。その次には、男子なら90m、70m、50m、30m各36射で1000点のブロンズバッジ。競技者としての最低ランセンスみたいなものです。シングルラウンド1000点の内訳は90m200点、70m、50m250点、50m250点、30m300点が相場です。再開以来30mのベストは295点、後5点これが越えられない。70mでもベスト241点。もう少し、もう少し。

女性アーチャーも2人来ていました。両者とも私より腕が立つ。でも岡目八目でアドバイスできる場面もあったかな。私は、今日で3日合わせて360射。明日も天気がよく、風もなさそうなので射場にいこうかなー。

*しつこいようですが、明日は本来の科学ネタでやります。やります。乞うご期待でアクセスをお願いします。なにぶんアーチェリーネタで約3件のアクセスがあるとのうわさ。すいません。といいつつもタバコをすいながらブログしている家主です。

矢速

洋弓により射出される矢の速度は、競技用の弓を使うと男子リカーブボウ(RC)で60m/s前後、偏心カムを使った複合弓(CP)だと70m/s以上である。複合弓はあまり一般に知られていないのでプロフィールの写真に入れておいた。

私の弓はCPで37LBS、引き尺 26 1/2 インチ=67cmである。弾道から逆算すると矢速73m/s前後でていると推定している。(ポンド、インチ法ですみません。)

矢速の計算は、矢を番える位置と目の距離を不明としながら、実測できる目の位置と2つの距離での照準位置と競技距離から高校物理の放物線弾道計算を行い、連立方程式を解く方法で行っている。空気抵抗による減速は考慮していない。

私の場合、フォームが多少変化しても-15-16mm/20mくらい変化する。30-50mの照準位置変化が判っておれば、70mでその変化分だけ50mより照準期の位置を下げれば的には当たる程度の誤差で、かつ安全サイドの少し下に着弾する。

もう少し厳密な計算をすると、数mから90mの弾道計算ができる。矢は競技距離90mで的の上8m程度に向けて射出し、最高地上3-4mほどを飛翔する。さほど弓なりの弾道ではない。「弓なり」とは矢の弾道ではなくて弓自身の曲がり方を言うのだろうか。

自作加速度計

車の加速度計を自分で作ることができる。助手席のドアの内側にに分銅かペンライトを20cmくらいの紐でぶら下げて、前45度が1Gになる。途中は0.2G刻みで計算し、目盛を貼り付ける。水平なところで車を止めれて零目盛を合わせて目盛シートを貼っておく。これで出来上がり。簡単な力のベクトルの応用です。陸橋や坂道で車が等速運動しておれば、車の傾斜計にもなる。

分銅がドアに軽く接触するようにぶら下げておくと、うまい具合にダンピングもかかる。相当おとなしくブレーキをかけても0.3-0.5G。急ブレーキ時には1G近くまで行きますよ。案外普段からおとなしい運転をしているつもりでもブレーキング時の加速度は大きい。

ちょっとわき見運転になるので、平らで車通りの少ない道で試して見ると面白いと思います。加速時には分銅が後ろ方向に移動する。こちらはそんなに大きな加速度になる運転はふつうしないと思います。それでも、0.5Gくらいまででることがあります。

くれぐれも運転中はちょっと見るだけにしておいてください。

2006年4月29日 (土)

体形

私は標準的骨格ではない。上腕に比べて2の腕が長い。その結果、同じ身長ならほとんどの人より、手を広げた長さは著しく長い。アーチェリーにとって有利ではない体形です。

身体的特徴によって、同じ競技でも個人個人で最適なフォームが異なる。場合によっては、アドバイスされたフォームが自分にとって不可能なフォームであることもある。個人の資質を考えないコーチングほど迷惑なことはない。その点、M氏とK氏のアドバイスは的をいつも得ている。K氏は30前後の新婚さんだが、いろいろ、条件付のアドバイスをくれる。

今日は50m、30mで170射した。明日も天気がよければ70mを射とうと思っている。

アーチェリーの70mの的は直径122cm、50mは80cm的。ふつうは50mの点数と同じかそれより高い点数が出る。*オリンピックは70mで競われる。一流選手にとっても加点法でもなく減点法でもない微妙な距離だ。

一瞬の言葉

人は場所と一方向にしか流れない時間の中で、出会い別れて行く。4次元空間で同じ座標を2人が共有したとき出会いがある。その出会った相手がいまは忘れているとしても、そのときポツリと話した「一瞬の言葉」を生涯忘れないこともある。お互いにその言葉を覚えていることもある。

その一瞬の言葉が自分の生き様に響くとき、世代を超えてその言葉は折に触れ、自分の行動様式に影響する。恩師とはその言葉を発した人であると思っている。

一瞬の言葉は、行動心理学で使われる瞬間提示装置のように繰り返し発せられるものではふつうない。言葉とシチュエーションのなせる力なのだろうか。そして、その言葉を発した人達とは多く再び出会っている。

伝えることとは、相手にとって「一瞬の言葉」を発信することのようだ。

1冊の本は約20万字であるが、一瞬の言葉があれば読者はその本を折に触れ読むだろう。

最近ブログで短時間だけ公開されてすぐ消された記事に出会ったが、その方のモーティブフォースに触れたような気がする。それも「一瞬の言葉」だと思う。

2006年4月28日 (金)

サイバネティックス

サイバネティクス(Cybernetics)分野では、今から約60年前(1948)に出版されたノーバート・ウィーナーの同名の本が原典ではないでしょうか。船の’舵をとる人’に例えて、制御できる変量で風向きや海況の変化を吸収しながら、目標のコースに近い航路を進む。サイバー・・・の言葉が今は巷にあふれている。

ところで、20万トンタンカーは静止状態から巡航速度に到達するまで、20分前後かかるという。止まるときも同じ時間がかかる。時間遅れのある10数分先を見越した舵取りが必要なんだそうだ。船の設計者も一生に一度くらい、試験航海のとき舵を握らせてもらうことがあるらしい。目標のコースに曲がるときに、舵を切って曲がり始めてから目標の方角手前で当て舵を切るらしいが、慣れないと相当難しいらしい。

大型船のエンジンは10トン/1kWくらいと聞く。自動車は10kg/kW前後。船は効率のよい輸送手段である。

2006年4月27日 (木)

望遠鏡の選び方 その1

望遠鏡の理論分解能は可視光線では対物レンズが6cmのとき、回折限界から2秒角程度である。人間の目の分解能は1分角程度であるから、30倍程度が最も情報量が多い。反射光学系では色収差がない代わりコントラストが出にくくニュートン形ではコマ収差がふつうは多い。その点、屈折光学系ではメーカと価格帯によって見え方がかなり違う。

現在使っている望遠鏡はフィールドスコープというジャンルの物で、口径6cm、30倍である。よせばよいのに低分散ガラスを使った3波長色消し(アポクロマート)にした。2波長色消しのものに比べて倍くらいの価格。高かったがその値打ちがあると思っている。通常は野鳥観察などに使われるらしい。

私は望遠鏡に関してはズーム接眼レンズを使わない。見掛け視野が40度程度と狭くなるためである。広視野角のワイド接眼鏡を使うと70度を超える。30倍の倍率で実視野2度以上を見ることができる。情報量が多いのは視野が広く最低倍率付近でシャープな像を結ぶ望遠鏡で見た世界が一番美しいと思う。また30倍という倍率は楽に持ち運びできる3脚で安定に見ることができる限界に近い。手持ちだと8倍くらいがいいところかな。

昔はレンズ構成を示したカタログが多くあったが、最近はあまり見かけない。残念だと思う。

1分ネタを10分で

ふつうなら1分しか話せない技術ネタで、12分聞かせてくれた人がいる。このような場面では老若に関係なくその人の人生がにじみ出る。1分ネタで12分持たせる:それはすばらしい技術、芸術だと思う。

与えられた舞台と時間と自分の持ち物を考えて、98%の時間を使いきる。すごい能力だ。座長とすれば、時間超過は非常に困る。極端な時間不足は座長のトークで調整する。

制限時間よりちょっと短めに話すことがプレゼンテータとしての私の常識である。

そういえば、制限時間1分のショートトークで前置き1.5分、全体で3.5分の管理職もいました。本当に管理能力があるの?多人数での一言だったら、自分の持ち時間で多少は全体の時間調整をするくらいのことはやって見せるべきだ。

話す内容に比べて持ち時間が少ない場合については、又の機会に議論したい。

2006年4月26日 (水)

アナログテスター

アナログテスターには、たとえば20kΩ/Vの表示がある。

このテスターを10Vレンジで使用すると、入力抵抗が200kΩになる。負荷抵抗10kΩのトランジスタのコレクタ電圧を測定すると約-5%の測定誤差がでる。シンクロスコープでも1:1プローブを使えば測定器の入力抵抗が1MΩだから、50kΩの部分を測定すると、やはり-5%の測定誤差がでる。デジタル式は内部に2重積分形A-D変換器を持っていることが多いので、分圧抵抗を使用しない数Vレンジで最も入力抵抗が高い。しかし、アナログ計器のように縫う力抵抗の表示はない。普段、あまり意識しないで行う電圧測定だが、補正を行わないと意外に大きな誤差が出る。アナログの針式のテスターは測定値を補正しながら使うが、デジタル表示になると私もなぜか補正計算をやらないで使ってしまう。

 アナログ式なら零調整もできるし、少したたけば針の動きのすべらかさもチェックできる。世の中の機械はデジタル方式が全盛だが、デジタル機器は押しなべてブラックボックス化しているように思う。

2006年4月25日 (火)

失敗学は成り立つか?

創造へのチャレンジがなければ失敗することはない。

ゴム動力の模型飛行機だって今のこどもたちは、自分で組み立て試行錯誤の中で1分間飛ばす経験があるだろうか。このような経験は物つくりの感性を養う。

物つくりにおいて多くの失敗事例が存在し、学問としてさまざまな分野が開拓されてきた。しかし、現に物を作っている段階で失敗学は本当に役に立つのだろうか。小さな失敗や作り直しの理由を公開することは、自分の恥、非力さをさらすことになるので真の原因は闇に葬られているのではないか。

物つくりの過程においてはさまざまな課題に出会い、修正をかけながら仕上げていく。修正をかけるプロセスにおいてすべてのケースを想定し解明していくことは巨大科学でもない限り、行われないだろう。

個人の責に帰す失敗事例は無数にある。しかし、失敗の本音はほとんど聴いたことがない。失敗学はなり立つのだろうか。個人の力量で先人の後姿をみて、失敗と成功の分水嶺のどちらを選び、そして成功率が変わる。成功率の高いエンジニアは、少しだけ重複する実験をおこない、そのなかから自分の描くゴールへの道に繋がる道を選んでいるのではないだろうか。

気づくチャンスの有無は個人のセンスによることが多い。これを責めることはできないと思う。相反する要求を解消するバランス感覚と異分野の知識との融合が、より高い次元での矛盾解消に繋がると思う。公開されたエンジニアの足跡として特許があるが、多くの特許が成立しても日の目を見ない。ビジネスとして工学として美しい特許が成功への道を示しているのだろう。

真の失敗学のあり方を今後時間をかけてもっと考えてみたいと思う。

今日は感覚的に今の時点で思うがままに書いた。

コメント歓迎します。

2006年4月24日 (月)

次世代センサ

私は回路中心の仕事が多いが、その信号源はセンサであることが多い。そして、入り口であるセンサを知らなければ良い回路を作れない。

シリコンの3次元マイクロ加工は最初に日本で製作された50Paフルスケール感度の微差圧センサであった。このセンサは大気圧までのオーバーロードに耐える。MEMSのさきがけであった。現在ではバイオオメトリクス技術もセンサに包含される。最近ではRF MEMSなどの言葉も出てきている。

センサの分野で情報発信を続けている団体に「次世代センサ協議会」http://www.cnt-inc.co.jp がある。役員、委員にはこの分野のそうそうたるメンバーが名を連ねている。

2-3度セミナーに参加したことがあるが、比較的安い受講料でセンサ関連の最新技術に触れることができる。現在もそうなっているかどうか判らないが、次世代センサ協議会のセミナーはその日の講師が他の講師の講演を聴いていくケースが多い。

2006年4月23日 (日)

今日はアーチェリーの記録会

心配だった雨も降らず風も吹かず穏やかな天候だった。風はアーチェリーの大敵。横風が吹くと体がぶれて狙うのが難しい。風による矢の流れより厳しく影響する。

私は50m・30mの中・初心者クラスで各距離36射で50m237点、30m277点の計514点。まだまだ昔(24年前)のスコアまで到達していないが、今日は満足の一日。再開以来の一応自己ベストです。ちなみに本日のトップは90・70・50・30m各36射で1276点の人がいます。

本日のトップの人は30m353点平均9.8で、精度1mラジアンのシューティングをしていることになります。

標準数

抵抗やコンデンサなどの電子部品は一見変な数値で供給されているように見えます。

実はこれ10のn乗根の等比級数になっている。E12系列ですと10、12、15、18、22、27、33、39、47、56、68、82×10^Nの数値です。E12系列なら+、-10%で抵抗を選ぶことができる。E24系列ですと5%で選ぶことができます。あまり、一般的ではないが有効数字が3桁のE96系列もあります。このときにはカラーコードが余計に1本増える。一本増えるとコードを読めない人もいます。

カラーコードは(有効数字2または3桁)+乗数+精度 で構成され、抵抗の単位はΩ、コンデンサの単位はpFです。個別部品で組む電子回路屋さんはまずこの数値を覚えさせられます。

2006年4月22日 (土)

添削する相手

20代前半、なぜか私の書類だけが直属の上司にとくに厳しくチェックされた。書類が朱で埋まるほど直された。悲しくなるほどだった。でも、その添削に反論できずにいた。

20代後半、添削してもらえる、指導してもらえることはありがたいことだと思うようになった。その作業は結構、添削する側にとってエネルギーをつぎ込まなければならない人生のふれあいであったことに気がついたのは40歳近くだった。

10年前の著作では理系学術出版で定評のあるコロナ社の編集者との数ヶ月のやり取りがあった。論理構成の甘い文章は、「てにをは」に添削を入れるだけで文全体修正に及ぶ。誇大形容詞もやんわりとコメントが戻ってくる。

最近は「でアル」調ではなく「です、ます」で書くことが多くなっているが、「です、ます」調でも紛れのない簡潔な技術文書は書ける。

手間暇かかる添削する人は人を選んで添削するのだ。添削されてありがたいと思って、その内容を少しでも反映できれば次もきっちり添削してくれる。

添削者は添削対象を選ぶ。

2006年4月21日 (金)

片対数グラフの怪

データー(X,Y)をX=1、1.5、2、3、5.7、10などと等比級数的に幾桁分かのデータを学生に取得させる。電圧Yは電流Xの対数にほぼ比例するダイオード特性である。片対数グラフに描くと大体直線になる。ここで問題なのは電流X軸(対数目盛)に少なくない学生がX=1の点に原点0を記入することがある。その結果、X=2に対応する線に1を描く。・・・・当然プロットされたグラフは変な曲線になる。

私が高専3年相当の実験を担当したときのうそのようなほんとの話。ほんとかな。

ダイオードはI=IS*exp(VJ/mVT)の形に数桁に亘り近似できます。VTは熱電圧です。

2006年4月20日 (木)

矢の材料

洋弓の矢は25年前にはジュラルミン製が一般的であった。矢の記号がXX75とあったので、7075系の超超ジュラルミンではないかと考えている。ジュラルミンはアルミのほかに、銅を1-5%含むようだが超超ジュラルミンは亜鉛、マグネシウム、微量のクロムを含む。

ほかに777系、7150、C188系などが古くからある。現在の材料はわからないが、必要な材料物性から航空機用材料から派生していると推測している。耐食性はあまりよくない。

洋弓の矢は長さ約70cm(27inch)で矢のシャフトの質量は10g、鏃の重さは80grain≒5g、私の使っている矢の総質量は実測17g。

直径は約5mmで、ジュラルミンパイプの厚さは200umその外側に100um程度の高強度カーボンファイバー層がある。大きく膨張係数の異なる材料を厳しい質量公差と真直度で接着し2-3万Gに耐える。きわめて薄い長尺のパイプの加工はどのようにして行われているのだろう。矢の供給者は弓より少なく米国製が多い。

競技用の和弓の矢も篠竹ではなく、ジュラルミン製が使われている。

二人のエース論

同じ職場に同世代、同一タイプのエンジニアは育たないのではないか?

同世代の人が同じ仕事をやれば明白な差がつく。従って、力量ある2人が出合ったとき、ふつうはお互いに違った道を模索し、異なる持ち味をもつエンジニアとして成熟していくのではないだろうか。エンジニアとマネージャーとして異なる価値観の世界に分かれることもあるだろう。

手塩をかけて教えていただいた先輩諸兄と私は同じ道を歩んでいない。質的には同じかもしれない。

世代を超えて分野を超えてこそ貴重な人生の出会いがある。

昔の電磁気学

昔の電磁気学はCGS単位系で教えられたのです。その後移行期があり、MKSA単位系で勉強しました。高校の数学もベクトルをやらなかった最後の世代です。そのおかげでファラデーの法則の向きをよく間違えます。

両方習ってしまったので、すぐ頭の中が混乱、エルステッド/ガウスの換算はしょっちゅう間違えていました。

当時の高校物理の受験参考書で有名だったのは金原寿郎先生が高校生向けにお書きになった「物理の研究」が有名でした。大学ではいきなりマクスウェルの方程式から入る。これで電磁気学にしびれてしまいました。

2006年4月19日 (水)

電流の測定

電子回路で電圧は普段よく測定しますが、電子系の工業高校を卒業なさった方でも半分くらいの人が実回路の電流測定ができません。

mA程度の電流は既知の抵抗Rの両端電圧Vをテスターで測って、オームの法則をちょいと変形してI=V/Rの式で電流を間接的に求める。中学生でもこんなことは知識と知っているはずだけど・・・。いざ、実技となると案外できないのです。

適当な抵抗が接続されていなければ、回路をブチッと切って電流計をそこに直列に挿入するしかないです。DCだとクランプオン電流計の感度が悪いので、まったく当てになりません。クランプオン電流計を知っている人だとふつう問題ないように思います。ブチッと回路を切断して電流計を挿入する作業は、確信がないとでやれませんので、電流測定できない人が出てくるわけです。

そういう私も、アンヒューズドレンジの分流器を焼損したテスターをつい最近まで使っていました。

2006年4月18日 (火)

バレル

ヤード・ポンド法での体積の単位です。石油では1barrel≒200Lなので、現在の原油価格は1L=42¥位。史上最高値を更新しています。ガソリンは125¥まで上がりますかね。

町のガソリンスタンドのオーナーさんからのまた聞きですが、中国の発展により原油価格が下がる要因は少ないそうです。我々エンジニアはコスト低減の前に原油高による原材料値上げ圧力に直面しそうです。今月は早めに車を満タンにしておきましょう。

ちなみに穀物の取引単位はブッシェル、グレイン。グレインは小さな単位で16グレインが約1g。真珠の取引単位は日本の単位が使われていて「匁」が国際的に通用するそうです。

洋弓の種類

洋弓には大きく分けて、リカーブボウ(RC)とコンパウンドボウ(CP)があります。自分の力で弓を引き構えて発射するスタイルは同じです。和弓と違い弓の体側に矢を番える点は同じですが、CPは複数の弦(3-5本)を使い、狙う状態では最大引き重量の1/3程度まで引き重量が下がります。カムを使用することによりフックの法則には従わず、引き始めは硬く途中で最も強くなり、フルドローでは軽く保持できます。リカーブボウは引けば引くほど硬くなり一番きつい状態で的を狙うことになります。

CPは光学照準器と照門に相当するピープサイトを利用でき、通常リリーサーと呼ばれる弦を開放する保持具を使用できます。オリンピックで行われるのはRCタイプの弓のみです。

競技距離は最長90mでインドアですと18mです。

30、50mでは直径80cmの的を10等分してその的中度合いを36射で競います。10点満点は半径4cmに着弾する精度です。オリンピック選手は7mでは指輪の中にほとんど100%着弾させるでしょう。

なお、アメリカでは日本ではあまり普及していないコンパウンドボウが狩猟用に多く使われています。

新入社員

桜が散り始めて、そろそろ新入社員の個性が出てくる時期となりました。

エンジニアの卵に最初に何を教えるかが問題です。若い時期は社内政治に関わらず腕を磨く。それが初心と思います。企業としての短期的損得はマネージャーの腕に依存しますが、長期的に見ればチームとしての総合力は、プロジェクトマネージャーの手腕に依存しますので。物つくりがビジネスとして成立するためには、あるレベルを超える商品を世に出すことが大切だと考えています。工学は弱い部分が1箇所でもあれば、それでThe ENDです。従って、プロマネは常に自分の力量を見極め、自分で弱点をカバーするかプロの手を借りるかの選択をすることになるでしょう。

自分の現在のポジションを自分で評価でき、自分の目指すポジションを技術的にも社会的にも獲得する姿勢が新入社員に最も大切ではないでしょうか。私は何らかの形で自己評価できる、しようとする技術者に未来を感じます。

2007年問題

すでに2007年問題は始まっている。団塊の世代の直前の人たちの退職が始まっているからだ。技術の世界でも技能の世界でも2007年問題はかなり深刻な問題のようだ。後継者を育てる前に団塊世代が現役を去れば、技術の伝承が途切れる。

団塊の世代に属する私たちは、忙しかったという理由で後続の人たちを暖かく育ててこなかったのではないか。日本の工学世界はこの40年間で著しく複雑になり分野も絡み合ってきた。法律・規制も扱わなければ成り立たない時代となっている。

一度、2007年問題をきちんと整理し、いつか提言に結び付けたいと思う。

少なくとも、エンジニアとしてある程度の世界を見たならば、団塊の世代人の務めとして後続の方たちへわかりやすく伝承する努力をやって行きたいものだ。

2006年4月17日 (月)

センサのサイズ

センサの物理的寸法は一般に高感度のセンサほど大きい。ニュートリノを検出するカミオカンデは大量の水をシンチレータに用い、H社製の巨大な光電子増倍管でニュートリノを検出する。

センサは同じ物理現象を利用するなら、大きい幾何学的寸法比や濃度比を達成できればそれだけで高感度化する余地が生まれる。しかし、最小加工能力に限界があるので多くの高感度センサはそれなりに大きくなるのだと思う。

マイナースポーツ

山本博先生の銀メダルで少しは知られたアーチェリー。山本先生は7mの距離なら指輪サイズに100発100中。わたしなら、コップの大きさにに90%的中すれば満足。しかも弓の形式が的中率の高いコンパウンドボウでの話です。

早く30m300点が練習のときでいいから出ますように・・・・

アナログとデジタル

アナログは最初の工学的局面が非常に広い。しかし、工学としてある水準に達しなければ意味がない結果は0,1の世界。

一方デジタルの世界は0、1を基本的に扱っているが、結果はアナログ的な早い、遅い、大きい小さいの連続量の世界のような気がする。

エンジニアの価値

成功率90%を超えるエンジニアもいれば、成功率10%以下の物つくりしかできないエンジニアもいます。高い成功率のエンジニアは常に自分の読みを修正しながら目標に向かっていく。

費用と時間を考えると、ある程度以上に成功率を高めるとエンジニア個人の価値を高めると思う。時間の制約があるので、手をつけたときに思い切り広く探索し完全読みはしないで臨機応変に軌道修正する。成功率の高いエンジニアは、最も難しい課題から手をつけて順次よりやさしいテーマへと変換していく。その逆をやるのが成功率の低いエンジニアで、難しい課題を先送りし、気がついてみたら制約だらけの状態で最も難しい課題に取り組んでいるのではないだろうか。

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