添削する相手
20代前半、なぜか私の書類だけが直属の上司にとくに厳しくチェックされた。書類が朱で埋まるほど直された。悲しくなるほどだった。でも、その添削に反論できずにいた。
20代後半、添削してもらえる、指導してもらえることはありがたいことだと思うようになった。その作業は結構、添削する側にとってエネルギーをつぎ込まなければならない人生のふれあいであったことに気がついたのは40歳近くだった。
10年前の著作では理系学術出版で定評のあるコロナ社の編集者との数ヶ月のやり取りがあった。論理構成の甘い文章は、「てにをは」に添削を入れるだけで文全体修正に及ぶ。誇大形容詞もやんわりとコメントが戻ってくる。
最近は「でアル」調ではなく「です、ます」で書くことが多くなっているが、「です、ます」調でも紛れのない簡潔な技術文書は書ける。
手間暇かかる添削する人は人を選んで添削するのだ。添削されてありがたいと思って、その内容を少しでも反映できれば次もきっちり添削してくれる。
添削者は添削対象を選ぶ。
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