弦の素材
アーチェリーの弦には、現在では超高分子ポリエチレンの繊維が多く使われる。私がリカーブボウでの使っている弦はファストフライトの商品名で売られている超高分子ポリエチレン系の弦である。
超高分子ポリエチレンは比重が軽く、弾性率が高いので、矢とともに高速で運動する弦が軽いと、矢の初速を上げることができる。
一昔前はアラミド繊維が多く使われていた。商品名は「ケブラー」である。弓具の違いもあるが、とにかく伸びない、強い糸である。実射の感覚では、発射直後にガツッという反動が来る。アラミド繊維は強い糸なので、ほぐして錘をぶら下げると、手が切れそうになるほどの強度がある。ただし、高価であった。
当時の中級者の多くはポリエステル弦が主流であった。張弦時結構伸びるので、発射時の反動は柔らかである。しかし、弦が伸びるので矢の初速はアラミド繊維ほどには上がらない。繊維が伸びるので、簡単な雇で糸から弦を製作することもできた。ケブラーは伸びないので、束ねる糸(10数本)に均一に聴力が掛かるように作るのが難しかった。
ポリエチレン弦は他の繊維より熱に敏感とされている。
コンパウンドボウでは、機種にもよるが3本以上の弦を用いる。コンパウンドボウを使い始めて10ヶ月だが、まだ弦が切れたことがない。オリンピックや国体で使う通常のアーチェリー(リカーブボウ)の競技者は予備の調整済み弦を持っているが、コンパウンドボウの弦はそれなりの用具を使わないと着脱できない。
したがって、コンパウンドボウ(複合弓:写真はプロフィール参照)は弦を張ったままケースに入れて持ち運ぶ。
コンパウンドボウの弦は2-3年くらいは切れないらしい。私の弓の弦は糸が着色されているのでその材質ははっきりしない。
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