リトライ
デジタルでは情報収集に失敗すると既定の条件で同じことを何回か試みる。しかし、のたうち回ったあげく機器の試作品が目標性能に到達しない時には大変だ。
まとまらない開発をリトライする機会が過去にあった。まとまらなかった理由は必ずある。その時代の周辺技術不足ということもあるが、原理原則に素直な設計でないことが多い。そして、その設計を許したマネージメントにもたいていの場合問題を抱えている。
リトライ開発を引き受けるときには、技術だけではなく、人、物、金と時間をコントロールすることが必要だ。精神論では片付かない部分が多い。注意しなければならないのは、リトライに失敗すれば自分の責任、成功すれば前任者の手柄の形態にされることだ。リトライ開発はリスクが大きいが、周囲の人が難しかったことを認めている場合が多い。それだけにやりがいもある。
リトライ開発の際には、先の開発の技術要素を定量的に良く調べる。袋小路の設計となったポイントをすばやく把握することだ。いくつか経験したリトライ開発では、目標仕様は変えないが違った設計戦略をとることが多かった。
同じ発想・同じメンバー(であることが多い)では通常、解はない。外は同じでも方式を違えてユニットの内部構造を組み替える。そして、リスクの存在場所はほぼわかっているので、難しい部分から熟慮断行し、次第に易しい問題へと還元していく。
リトライ開発では、さまざまな人間模様を見る。物を作るのはエンジニアだが、アナログエンジニアは人間模様の中で必然を追い求める。
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