hパラメータ
バイポーラトランジスタを4端子網として扱うときには、トランジスタをhパラメータで表現する。
入力電圧をV1、出力電圧をV2、入力電圧をI1,出力電流I2として
V1=hi・I1+hr・V2
I2=hf・I1+ho・V2
の形式で入出力関係を表現する。hは各項の係数である。
トランジスタは3端子素子なので、入出力で共有する端子を各係数の後に添える。エミッタ共有ならhie、hfeなどと表現する。
このうち回路設計で重要なのはhie、とhfeである。直流的なコレクタ電流とベース電流の比はhFEで、hfeとは厳密には区別されるが、hfe≒hFEとして計算しても大きな差はふつう無い。データシートに記載されるのはhFEのほうである。
hieは、エミッタ接地増幅器において、電圧増幅率の計算に必要な係数であるが一般には記載されない。hieは基本的に自分で算出するパラメータであり、hie=VT/IBの値をもつ。VTは熱電圧と呼ばれ室温で26mVの値を持つ。
hieを自力で求められないと、エミッタ接地増幅器の電圧利得を計算できない。多くの本には4端子網を用いての電圧利得の計算式が記載されているが、hieの求め方についてはほとんど記述されてない。集積回路の本では触れられていることもあるが・・・。
若い頃、hieの求め方が判らず、データーシートにも記載が無いのでずいぶん悩んだ。
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コメント
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はいはーいっ。
学生実験でh定数を求めさせてますっ!
正直、それまで、h定数もちゃんとしらなかったのですが・・・ orz
>コレクタ電流0.1mA≒ベース電流1μAでバイポーラトランジスタのhieを測定するのは案外難しい。半導体メーカのデータだって計測器の負荷効果を無視して結果だけ出している例もあるよ。工夫すれば、可変電源とデジタルテスタで間接的だが、いい線をいくデータが取れますよ。
投稿: sachi | 2006年7月27日 (木) 17時26分