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2006年7月 5日 (水)

矢速の間接測定

アーチェリーの中級者以上の人は、長距離(男子で90mまで)のシューティングを行うのである程度高速の矢を射出したい。空気抵抗による減速を考えなければ高校物理の落体の運動方程式と照準の幾何学配置から矢速を計算できる。

(h-x)=lLg/(2V^2)

h:目と矢軸の距離

x:照準位置

l:目と照星の距離

L:競技距離

g:重力加速度

V:矢速

hとxは正確に計測できないが、競技距離の違いによる照準変化Δ(h-x)は1mm以下の精度で測定できるので、2つの競技距離での照準の変化から矢速を計算できる。

私の場合は30m-70mでの照準変化=27mm、l=82cmだから、V=77m/sと推定できる。時速にすると280km/h弱である。体力に余裕のある範囲で、高速の矢を発射することは誤差要因を減らすことになるので、多くの競技者は軽量(m=20g以下)の矢を使い、弓の弾性エネルギーを速度Vに多く振り向ける傾向がある。

矢の速度を直接測定しようとすると、野球投手の球の速度を計測するスピードガンに近い測定器が必要となる。これは一般のアーチャーには手の出ない計測手段である。

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