校了
今の時代は、単独で技術書を出版するには少々厳しいものがある。
今日、5冊目の本の校正を終わりとした。もう、自分の原稿、ゲラを読む気力がない。校了。
今回は校正者(中年の親切なおばさんです。)のサポートレベルが良かったのと、記述内容を自分にとって辿りやすい順序で省略しないで書いたので、自分にとって親切な本に仕上がったと思う。私は、著者にとって校正しやすい本は、読者にとっても親切な本であると思っている。
校正は著作の内容を修正する場ではない。草稿とゲラの内容を照合する場であると今は思っている。図と式は版を起こすので、あらゆる間違いが起こりうる。添え字などのフォント不一致は普通にある。例えばSの添え字。大文字S、小文字s、これに立体のSと斜体(イタ)のSが順列組み合わせで不一致が起こる。
オー英大も癖ものだ。Oと0の区別が難しい。大文字、小文字も少し大きさが違うだけ。添え字と全角も紛らわしい。立体と斜体の区別もルーペで見ないとよくわからない。アナエンは1冊目の本でこれに懲りて、小文字のオーはなるべく使わないようにしている。
締め切りまであと2日あるが、校了。校了。変な疲れ方をした。
提示している波形の比較図にも1箇所、bestプレゼンテーションになっていない部分があるが、今となってはもう遅い。データを再構築すると、図が変わる。行数が変わる。もちろん記述内容も変更せざるを得ない。
9月下旬には「スイッチングコンバータ回路入門」のキーワードでインターネット検索に掛かるはずだ。
今は、善良な会社員の立場にあるアナエンが書くことが許される範囲で、狭いジャンルで専業メーカーの技術者が書来にくい基礎的な概念を記述した。
技術書は学術書と若干異なると思う。技術書は重複記述があっても良いが、自分の視点を自分のリスクにおいて類書にない部分を表現できなければ存在価値がないと考えている。それには、著者の受け手である読者の姿を垣間見ることが必要だ。
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