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2006年7月 3日 (月)

ウィーンブリッジ発振器

ホビーとしてのアナログ回路製作のテーマのひとつが正弦波発振回路である。初心者向けの教材としても使われることが多い。部品の入手性を考えるとウィーンブリッジ形CR発振回路方式を用いて、オーディオ帯域で正弦波発振を通常目指すことになる。

ウィーンブリッジはCRの直列回路と並列回路の分圧回路を使用する。各CRの定数が同じなら、正相増幅部に必要な電圧利得は3となる。しかし、正弦波発振回路は熱雑音などを発振の種として所望の振幅まで成長させなければならないので、起動時には必要利得より過剰な電圧利得にしておかないと、発振を開始しない。

固定電圧増幅率であると、発振が容易な定数だとひずみの大きな波形しか得られない。ダイオードクランプ方式の振幅制御は発振の確実性と波形ひずみがふつう両立しない。

再現性の良い正弦波発振回路を製作するには、接合形FETを用いた自動利得制御回路を適切な定数で使用する必要がある。正相増幅器の分圧比を発振条件より少し過剰利得にしておき、接合形FETの電圧制御抵抗としての性質を用いて、出力振幅の絶対値を帰還して、電圧増幅段の利得を可変するのである。

接合形FETに分担させる利得制御範囲は、RCに期待する素子定数の偏差に依存する。そして起動時のダンピング係数は、一般にかなり低い値となる。この結果、SWオンの後、一瞬間をおいて、フワーとリンギングしながら起動する。

大きなQをもつLC発振回路とことなり、発振部がその振幅包絡線に対して積分動作し、AGCのための振幅信号が1次遅れ特性を持つ帰還経路となるので、ダンピング係数の小さな2次系となるのである。

発振回路は、実験としておもしろいテーマである。しかし、そこそこの性能を出せる回路実験とするには、部品の選択と偏差に強い回路定数を与える必要がある。 正弦波発振回路は実験として訴求力のある回路だが、奥は深い。

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