非直線性
学術用語集計測工学編には、直線性(linearity)の用語がある。
巷では、多くの場合直線性=0.5%などと表記する。しかし、実はこれ、理想直線からのずれを示しているのだ。理想直線との合致度で表現するなら、直線性99.5%と表記したほうが概念と一致する。
直線性=0.5%となどの表記は、非直線性すなわち直線からのずれnon-linearityが看板に偽りなしの表現だ。だが、非直線性の用語は一般的ではない。しかし、理想直線からのずれを表現したいときには、多くの計測器メーカーが嫌う?非直線性の言葉を使わないと、論旨が通らない。
理想直線の引き方にも色々ある。ひとつはターミナルエンド:0点と100%点を結ぶ直線からのずれ量で表現する方法、もうひとつは、ゼロベース:0%点は固定して、非直線性が最小になる直線を基準にして非直線性を表現する方法、最後はベストフィットの直線を理想直線としてそこからの偏差を表現する方法である。
誤差の次数にもよるが、定義次第で2倍以上異なる場合もある。要注意である。
非直線性の表現方法/定義次第で、センサの主要な仕様のひとつである「直線性」の値が倍変わる。たかが定義であるが、開発者にとっては死活問題である。だけど、他社の定義は、わが社の定義は・・・といったところで説得するのは簡単でない。(誰を?)
センサ/計測器にはさまざまな理想からの偏差、経年変化等々を表現する言葉がある。
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