アナログテスター
固定磁場の中で電流の流れる可動線輪が受ける力とばねがの力がバランスする位置を指針で表示する方式のテスターである。
その基本特性は、最小レンジのDCV/最小レンジの電流でわかる。例えば、0.1V/50μAであれば、フルスケールの電流が50μAでそのときの電圧降下が0.1V:2kΩの抵抗をもつ50μAフルスケールの電流計が基本部分である。
1Vレンジは無いが、1Vを測るなら、1Vで50μAが流れるように18kΩ+電流計の抵抗2kΩ=20kΩの入力抵抗にすれば、1Vが測定できる。同じ論法で一般化すると、この計器は20kΩ/Vである。DCの250Vの電圧測定レンジなら、5MΩの「入力抵抗」の電圧計となる。デジタルテスターのこのレンジはふつう10MΩであるから、そんなに見劣りするものではない。
kΩ/Vこそ、アナログテスターの電圧レンジのキーワードだ。しかも、この数値はテスターのムーブメントの近くに記載されている。取り扱い説明書で確認する必要はない。
電流レンジでは、このテスターの場合0.1Vでフルスケール電流が流れる。電流計本体の2kΩを考慮して並列分流抵抗の値を定めれば、250mA程度まで楽に測定できる。このときの電圧降下はフルスケールのときレンジによらず常に0.1Vである。電流測定における、測定に伴う影響を簡単に把握できる。
抵抗測定モードでは、内臓の1.5Vか3Vの電池により、オームの法則に従いR=V/Iで表示するので、左側が高抵抗、右側が0Ωの表示となる。これで20MΩの抵抗まで何とか測定できる。
アナログテスターは基本に忠実な測定器である。原理を把握していれば嘘をつかない計器:それがアナログテスターだ。そして、指針式アナログ電流計の憧れのアイテムがYEW製17レンジ計器であった。
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