弾道計算
私のブログの2日前の「女性アーチャー」の写真の背景に水平線と思われる射場の線が写っていたのに気が付いた。
原画からA4まで拡大。射出角度と競技距離が判れば、空気抵抗を無視すれば高校物理の範囲で矢の速度を計算できる。分度器が手元にないので、ものさしでtanθを求めると。120mmで12.5mm上方向を向いている。
問題の形は、70mの距離でθ=12.5/120=0.104radで速度Vで射出した矢が同じ高さの位置に着弾する条件を求める問題だ。0.1rad程度なので、cosθ≒1、sinθ≒θとして計算しても大きな誤差はない。
競技距離をLとして L=V×t、Vsinθ≒Vθt=gt^2/2だから、時間tを消去するように、この連立方程式を解いて、
V=√(Lg/2θ)
数値を代入して、V=57.4m/s。うーん。妥当な数値かな。
測定誤差はまだ評価していないが、この女性アーチャーはかなり高速の矢を射出している。
他の方法でもっと精度の高い間接測定方法もある。スピードガンのような高価な機材なしでもそれなりの測定ができるのだ。
このような物理の逆問題を自分で作って自分で測定し、自分のために役立てる。このようなプロセスが本当のエンジニア、研究者を育てるのではないか。2007年問題の技術伝承の根源は、このように1枚の写真情報からでもそれなりの定量的な結論を得る能力の養成であると思う。
音速を超える弾丸なら、空気抵抗の影響を多分無視できないだろう。
私は鉄砲でなくあくまでも弓派である。弓百合は知らない。
それでも、羽の角度を1-2度右回転方向に付け、ライフルと同様に旋回による方向安定性に拘っている。でも、私の腕では余り関係ないファクターなのだ。
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