トランジスタのhFEの測定
バイポーラトランジスタの直流電流増幅率hFEは(コレクタ電流IC)/(ベース電流IB)で定義されている。従って、コレクタ電流とベース電流を同時に測定し、比を取ればhFEを算出できる。
小信号個別トランジスタを想定すると、IC=1mA、hFE≒100とするとベース電流IB=10μAである。有効数字2桁を目標にして測定するならベース電流を0.1μAで測る必要がある。ベース・エミッタ間電圧を0.6Vとすると、デジタルテスタによる電圧測定の負荷効果と同程度の電流である。
この電流をベース・エミッタ間電圧で精度1%で制御しようと試みるなら、ΔV=26mV×ln(10.1μ/10μ)=0.26mVの精度で電圧を与える必要がある。室温変化に換算すれば0.1度程度となる。したがって、定電流性のエネルギー源からIBを与える必要がある。しかし、普通の実験室ではこのレンジの高精度電流源を保有していないので、高抵抗+電圧源の組み合わせて電流を供給することになる。この方法で例えば1Mオームの抵抗を介し、10Vちょっとの電圧をかければIB供給の不安定性を回避できる。うまくやれば、IBをそこそこの精度で測定できる。
コレクタ電流は1mAあるので、アナログ式でもデジタル式テスタでも簡単に計測できる。
例をコレクタ電流1mAにしたのには理由がある。消費電力を10数mWにできるので、小信号用トランジスタでも温度上昇を数度以内に収めることができる。
ちなみにhFEの温度係数は+1%/℃程度である。このようにお膳立てした実験条件を学生/新人エンジニアに判ってもらえるだろうか。いったりきたりのスパイラルを描く繰り返し教育が必要な気がする。
本当は、さまざまな条件を考慮し自分で結果を確認する自己訓練の姿勢がエンジニアとしての要と思うのだが、これを体得させるにはさまざまな困難、長い時間を必要とする。
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よろしくお願いします。
昨日の射場の気温は、朝1番で射ったので27℃、湿度は土曜日よりやや低め。それでも車で帰宅したときには目の前が真っ白になった、メガネをかけていますので。
結果の方は、70m、36射×2で257、251、70mW(ダブル)で初めてtotal=500点UP、うれしいな。最後の6射で52点。気を良くして、+αでさらに6射、49点。 70mは半径6cm外れるごとにごとに10、9、8、7、・・・・となります。アナエンは今日の成績で平均7点なので、70m先の半径24cmに着弾します。
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