鉛筆削り
今の小中学生はナイフを使って鉛筆を削ることは少ない。ナイフを使うことを禁止している学校もあると言う。
私が子供の頃には、3-4cmの差込式の刃がついたナイフで鉛筆を削っていた。上等の鉛筆ではなかったので、軸木は均質ではなかった。それを一生懸命削った。きれいに削った鉛筆の使い手は器用さのシンボルであった。
幼少の頃から、道具/工具とくに刃物の扱い方に慣れることは工作できる人間→ものつくり人間を育てるうえでとても大切なことと思う。危ないから刃物を使わせないのではなく、きちんと刃物の取り扱いができるように手ほどきをして、危険の無い鉛筆の持ち方と削る方向まで指導すべきだ。
鉛筆削りは刃物の扱い方の原点のひとつである。多くの小中学校では、差し込めば自動的に削ってくれる電動鉛筆削り器が各教室に備えられている。シャープペンシルも普及しているだろう。
私は、三菱の製図用鉛筆UNIを感動して使った世代である。違いが判らなければ技術・技能の伝承は無い。
ある労働安全関係者から聞いた話であるが、カナヅチを使えない若者も多くいるとのこと。釘を打つための衝撃を与えるコツを知らないとともに、カナヅチをコントロールする能力が無いのだ。原体験を知らない仮想空間で生きてきた若者にいかにして、現実世界の制御手法を伝えるか?重い課題である。
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