羽の無い矢
私の矢の重心は、全長の前より(矢先)約35%の位置にある。従って、空力学的安定性はある。
今日は、だれも射場にいない時間帯を選んで、試射。確かめたいことがあって、学校サボって~♪ではなくて、会社を半日休んで誰もいない射場へ。
羽の無い矢と羽のある矢の着弾の違いを確かめるために、弓の調整状態を確認するために行った。
ベアアローテスト。もうひとつは30mの照準で10mから50mで着弾の様子をみるウォークバックという手法だ。
基本は同一距離で射った羽のある矢と、羽の無い矢の着弾位置から調整状態を把握する方法だ。まず、30mの距離で羽付き矢で本日の矢の集弾状態をみる。最初の6射、ばらばら。汗が出てくる。次の6射、マーマーこんなところか。
自信がないので、羽付き矢を2本、羽なし矢を2本を10mの距離、照準30mで試射。両方とも10cm以内に着弾。これなら安全に羽なし矢を距離30mで射てる。
実験計画は、10m、20m、30m、40m、矢が地面に落ちない仮定で50mを30mの照準で射ち、30mは羽ありと無で行う。
写真をクリックしますとフルスクリーン画像が多くのPCで出ると思います。
地面すれすれに着弾している2本の矢が50m、一番上が10mの着弾位置です。
調整が完璧であれば、同じ黄色の部分に着弾する羽無し矢(オレンジの矢筈)が明らかに黄色の円中心の約10cm下に着弾しています。 (水色6時方向)
結論1:照準を変えないで距離を変化させた矢が垂直1列に並んでいるので、水平方向の位置関係は良好である。
結論2:羽無し矢は同一距離で羽無し矢より約10cm下方向に着弾しているので、射出時の並進運動ベクトルより矢軸の方向が下である。(羽が矢の後ろよりについているので、負の迎え角で射出された矢が早く並進運動の方向に修正される。羽無し矢は矢の方向の修正能力が低いので、負の迎え角がしばらく修正されず下方向に向かう。)
結論3:単純計算による50mの着弾予想位置より、羽根付き矢の着弾位置が明らかに高い。初速は80m/s弱であるが、視差と射出方向の迎え角を考慮した解析が必要である。
結論2は、全日本アーチェリー協会のアーチェリー教本の結果と同じであるが、空力学的根拠を定性的に示した点で少し進歩した。
相変わらず、趣味も本職も同じ手法でやっているアナログエンジニアです。
流体力学の専門家ではないので、スーパーコンピュータを使用して、迎え角と矢軸の方向が一致しない場合の計算結果を得るチャンスは無いだろう。そして10月中旬の記録会までに弓のアライメントを調整する時間はもう残っていない。
羽の無い矢が羽のある矢より少し下方向に着弾することは、安全サイドの調整状態である。このまま11月まで射つ。
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午前中の70mW:257点、249点=506点、最後の6射50点で稼いだ。気温27℃、湿度は高い。
アクセス大台達成予想日は9/2日。
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