向日葵の花粉
久しぶりで自宅の顕微鏡の木箱を開ける。×15、×40の対物と×15、×10の接眼鏡をもつ。
目的は、我が家に1本だけ咲いている向日葵の花粉を観察するためだ。最低倍率で視野探し。微動ステージではないので、指で黄色の花粉のある部分を光軸付近にもってくる。横から覗いて、ステージと対物レンズ距離を最短にする。そして、そろそろと距離を伸ばす。
見えた。金平糖のような感じで、出っ張りの部分はもっと数が多くピラミッドより数倍鋭い突起が多数見える。ほぼ球形である。
最高倍率600倍で観察。解像度にはまだ余裕がある。しかし、対象物が丸いので、フォーカスを変えながら、頭の中で立体像を再構築。ふーん・・・・。我が家の向日葵の花粉は楕円形でなくて球形に近いのだ。
次のサンプルは、我が家の水槽の緑色の汚れ。こびりついているので、ティッシュペーパーでごしごしと緑色の部分を拭い取る。予想は、比較的原始的な藻類。
見えた。ティッシュペーパーの繊維とほぼ同じ太さの細胞が直列に細長く連なっている。緑の濃い点も多数見える。
顕微鏡の扱い方を学んだのは、高校時代の宿泊臨海実習に参加したときである。おもなテーマはプランクトンの観察とウニの卵分割過程の観察であった。記憶に残っている学名は「ラブロネマ・アドリアチクム」である。イメージとしては洗濯板状の本体に、葉緑体がぽちぽち。生きた珪藻の仲間である。
卵分割の方は8分割か16分割まで進行。細胞分裂、生命の誕生の初期を見たのだ。
大学最後の春休み、O光学で光学顕微鏡の対物調整工程の実習を経験。対物レンズの外筒を外すと、光軸調整用の孔が数個開いている。この孔を使って、レンズのXY平面での位置関係を微妙に調整するのだ。Z方向は調整がうまくいかないときに錫箔でレンズ間隔を変える。テストサンプルはコロジオン膜。油浸系高倍率対物の調整はすごく難しい。素人の私で1日1個か2個。記憶ではベテランの方でも1日数個らしい。
我が家の「さち」とは見合い結婚であるが、高校時代の宿泊臨海実習のときの教官が義父、そのときその場所で父に連れられて同じ場所に我が家の「さち」の記憶がある。
出会いは一度だけとは限らない。形を少しづつ変えながら綾なす。技術的課題も同じように問題の形を変えつつ、繰り返し出会うことが多い。
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コメント
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sachi,でございます
σ(^_^;)アセアセ...
ご自宅に顕微鏡が、しかも拝見するにかなり立派な顕微鏡があるなんて、結構びっくりです(@@)
投稿: sachi | 2006年8月28日 (月) 12時35分
sachi様コメントありがとうございました。
自宅に多少の、多少の機材は保有しています。汗、汗。
投稿: 5513 | 2006年8月28日 (月) 18時01分