続 hパラメータ
バイポーラ・トランジスタのエミッタ接地の出力アドミタンスhoe=ΔIC/ΔVCEである。従って、VCE-IC曲線の傾きである。
この傾きは、ICの大きさに比例して変化する。すなわちhoeはICの大きさに依存して大きく変わる。ところが、VCE-IC曲線群を左側に延長すると、負の電圧-VAでほぼ1点で交わる。これがアーリー電圧である。
この状態を数式で表現すると、hFE=hFE0(1+VCE/VA)となり、広い範囲で実際に近い特性を簡潔に表現できる。アーリー効果/アーリー電圧での表現形式は、能動負荷の差動増幅器の電圧利得計算結果を簡潔な形で表現できる。
多くの単体トランジスタではアーリー電圧は、数10V~200数10Vである。
アーリー電圧の概念は、回路シミュレータのトランジスタモデル(ガンメルプーン)の中にも含まれているので、アーリー効果を考慮した手解析の習熟は、高利得増幅器の設計に不可欠である。
アーリー電圧は、VCE-IC曲線群のデータから取得できる。実測するとなると、案外難しくて、トランジスタの自己加熱によるhFEの温度変化の影響を受けないような条件で測定する必要がある。
hパラメータのところでhoeの説明が良く出てくるが、hoeを用いたトランジスタ回路の解析を同時に示している例は案外少ないのである。
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