銀メダリストの講演
アテネオリンピック、アーチェリー種目銀メダリストの講演を聞きにT市へ愛車を走らせる。
山本博氏。高校教師を長年勤められ、今は大学の先生をなさっていらっしゃる。
水戸放送局の女子アナのナレーションのあと、アテネでのシューティングの模様が約10分間放映される。70mですべて10点の射だ。
アーチェリー関係の話はさておき、さておかないか、マイナースポーツの一流競技者として、教師生活と重ね合わせて話が進む。
いきなり、オリンピック選手は押しなべて、時間の使い方がうまいという。
「人と接する時間を大切に、対象となる人との真剣勝負だ。」
現時点の自分をbest尽くして、自分を見つめる。それにより、よい人生を生きることが出来る。言い残したことがあれば、次の機会に話そう。それは自分の成長の証。
同じ失敗を犯さなければ、いつか成功に繋がるとも言い切る。
試合にはルールがある。制約の中での自己実現、ルールがあるからこそ高いレベルに到達できる。
健全な肉体に健全な精神は宿りにくい。初めて肉体的に恐らくは恵まれた人からこの言葉を聞いた。肉体的強者が力ずくで自分の価値観を実現しようとする危うさへの警鐘である。
アナログエンジニアは肉体的強者ではない。ほころび易い精神と肉体しかない。それ故に、自己中心的でない弱者に心情的支援を送るのが常だ。
講演の最後の締めくくりは教育者としての顔であった。
家庭も学校も含めて、若い頃の直接会話によるコミュニケーションの重要性を説かれていた。機械を介しての会話はそのあとでよい。
指導者が2面性を持てば、その行動は子供達に伝わる。だれと接しても自分を変えるなとも言い切る。
ある意味で強者たるオリンピックメダリスト、中年の星、山本博氏の講演は素晴らしいものであった。
以上、オリンピック銀メダリスト、同一種目オリンピック5回出場の山本博氏の本日の講演で、私なりに受け止めた講演記録である。山本先生に改めて感謝の拍手。涙がこぼれそうになるさわりもあった。
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コメント
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素晴らしい講演を聞かれたようですね。
貴殿の要約、かみ締める自分です。
投稿: mako | 2006年10月 8日 (日) 19時33分
はい、42才の方とは思えない境地の世界でした。私の42歳はまだ、さ迷っていました。
投稿: 5513 | 2006年10月 8日 (日) 20時06分