不連続断面
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断面の急峻な変化部部分は応力が集中しやすい。
画像を拡大しますと、断面急峻変化部分にクラックを見ることができます。約30年前の初期のカーボンファイバー強化木製洋弓のリムの内側付け根部分のサンプルです。
黒いカーボン層はまだらで、比較的太い炭素繊維を使っていたことが判ります。5層構造で最外層に高張力材料の炭素繊維を使用しています。リムと取っ手の保持部をつなぐ厚い断面積の部分にはクラックが認められます。
この部分は、断面積の不連続部分であるとともに、内側カーボンファイバー層の界面と一致します。
ここが起点になって、亀裂の進行が始まっています。この時点では射への影響は、私の腕では影響は認められませんでした。しかし、この弓の使用はすぐやめました。リムの内側なので圧縮応力が掛かるはずの部位ですが、亀裂の急激な進行が生じたときに、私に対応能力があるか疑問だったためです。
亀裂はリムの長手方向にも進展しています。恐らく補強部分とエネルギーを蓄える可撓部分で広範囲に界面剥離が生じています。
高速増殖炉FBRの実証炉?で数年前に起きたNaもれ事故の部位は、ある計測装置の断面不連続部位における疲労破壊とされておりますが、カルマン渦による共振振動も重なったととの指摘もあります。
この項は、有識者と技術士の方々の文献に基づいております。
不連続断面における不幸な事象が重なったときの挙動予測は大変困難で、計算量・解析量は増えるが滑らかな曲率で断面を接続した構造体の方が制御可能なように思います。
完全な直線で接続された角部には、単純計算ではすさまじい応力集中係数となることが多く、その挙動には弾性変形を考慮したさらに高次の解析が必要とされ、また可能な時代になっていると思います。
私は機械系の専門家ではありませんが、アナログ電子回路での特性の不連続点付近の解析はシミュレータを用いても解の安定性はあまりよくありません。加工技術的に可能であれば、可能な筈だが不連続部部分は作らず、出来るだけ大きいRをつけることが安全サイドであると考えるアナログエンジニアです。
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このエントリー、私の操作ミスにより数日早く公開になった。本当は来週の土日辺りにUPする予定でしたが・・・。
技術ネタは季節感を出しにくいのだが、そして公開できる範囲は無制限ではない。一応自分なりのシナリオでUPしているのだが。ブツブツ・・・・フッ。
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