アンケートと評価
私は通常アンケートを取られる立場にある。セミナー講師を務めれば、5段階評価のアンケートを取られる。
企業内高専に勤めていたときには、卒業前に教師としての評価を学生から受ける。
ほとんどが、5段階評価のアンケートだ。3段階評価のアンケートもある。
5段階評価では、ふつう5と1はめったに出ない。5はよほど被アンケート者に感銘を与えない限りいただけない。1は被アンケート者と個人的なやり取りで、相手の気分を阻害したときにしか出ない。匿名でのアンケートであるが5、と1、のアンケート回答者の顔は目に浮かぶ。
したがって、通常の5段階評価では、実質4.、3、2の評価しか出ない。セミナーや講演などで4近くの数値と、3.0近くの数値では質的に大きな違いがある。3.5が通常の成績。4近くが高い評価である。
私は、ポピュラーではないが7段階評価を提唱する。
7は絶賛であり、改良しなくともよいというほどの評価である。常識人なら7はまずつけない。実質5段階評価である。
1は全否定であり、ふつうつける人はいない。7段階評価アンケートは実質5段階評価なのだ。
かくして、絶対評価と称するアンケートは人間模様の中で歪曲されていく。判別能力も低い。
統計理論に基づく評定の%を規定した昔の5段階評価の方が、人間的恣意の力が弱い。
絶対評価といえば聞こえが良いが、作文になる可能性が高い。
←セミの抜け殻
そういう私も、自分自身では難度A、成果SA(スーパーA)の組み合わせはとても自己申告しにくい。
アンケート結果は、設問の仕方に依存して大きく変化する。その結果の意味を正確に評価できる人は実在するのであろうか。
かくして、アンケート結果に一喜一憂せずわが道を行くアナログエンジニアである。
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コメント
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毎日良く観察、考察、分析をしてますね。
感心します。
アンケートなるもの、私は非常に抵抗を感じ、要請されても放棄する場合が多い。
大体、設問側の意図する項目・内容になっていて偏りを感ずるからです。
だからアンケートや世論調査結果などは信用していないです。回答した人はどこまで真実を理解しているのか、或いは真剣に考えているのかと疑問を持つことが多いですね。
投稿: mako | 2006年11月19日 (日) 16時36分
mako様
暖かいコメントありがとうございます。
このネタ、物議を呼びそうなので表現に悩みました。from アナログエンジニア
投稿: 5513 | 2006年11月19日 (日) 17時45分