オペアンプの電圧利得
例えば、汎用オペアンプで利得-1の反転増幅器を作成し、5-6桁表示のデジタルマルチメータで2本の抵抗と入出力電圧を測定すると、電圧利得A=-Rf/Riの計算値と実測値が10^-5オーダーの誤差で一致する。
デジタルマルチメータの多くは積分型AD変換器を使用しているので、確度が十分でなくとも一般に測定値の比精度は高い。抵抗レンジの測定も1:1近くの測定なので系統的誤差が消去されるので比精度の高い測定ができる。
このような基本的回路で高精度測定実験を実施すると、学生/新人回路屋さんが未経験の高い精度測定を体感できる。手持ちのデジタルマルチメータでどこまで計算値に一致するか?
同じ実験をA=-10付近で行うと、測定値と計算値の差は10^-4~10^-3程度まで低下する。抵抗測定、電圧測定ともに異なるレンジを使用するので、デジタルマルチメータの内部の基準抵抗の切り替えが生じ測定時の比精度が低下するためである。オペアンプの利得有限の影響はもう1桁か2桁下である。
たまには、有効数字の桁数が多い測定を行うことは面白いものだ。A=-1付近で実験を行うことが計器の確度より高い精度を得るポイントだ。
なお、汎用オペアンプにはオフセット電圧がmV台あるので、A=ΔVo/ΔViで計算する。
普段の実験は3桁程度でやるが、5桁で測定し、理論値と比較させることも初学者には必要と思う。電子回路にはこのような精度を得られる場合もある。
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