定電圧ダイオード
ツェナーダイオードは降伏させて使用する前提のダイオードで、定電圧ダイオードとも呼ばれている。変動する電源に直列抵抗を経由して、ダイオードの逆方向に電流を流すと、ほぼ一定電圧を得ることができる。
しかし、普通のツェナーダイオードは温度変化に対しては、一定電圧を発生しない。例えば、24V付近の降伏電圧を持つダイオードであれば、約+20mV/℃の温度係数を持つので、素子温度50℃の変化で1000mV=1Vも変化する。
定電圧ダイオードは環境温度、および自己発熱に対して定電圧ダイオードとならない。
単体で0温度係数となるツェナーダイオードの降伏電圧は、5~6Vの間にあり、低い温度影響を得るためにこの付近のツェナーダイオードを用いることも多い。しかし、アナログ回路の電源として用いる3端子レギュレータで発生する電圧値の方が一般的に温度に対しても負荷変動に対しても定電圧性が高い。
従って、例えばオペアンプ回路では分圧抵抗を利用して、必要な分電圧を得た方が有利である。
以前は、温度補償形ツェナーダイオードなるものが、基準電圧発生用に使用されていた。良好な温度特性と鋭い降伏電圧特性を得るために、+の温度係数をもつツェナーダイオードと負の温度係数を持つ順ダイオードを組み合わせている。6.4V(順ダイオード1個)、8.3V(2個)、9.2V(3個)付近の物が入手できた。
今ではIC化されたバンドギャップ形の基準電圧発生回路が容易に入手できるようになった。基本形は1.25Vであるが、内部回路構成により他の電圧の品種も多くある。
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