回路シミュレータ1
回路シミュレータは非常に便利なツールである。回路定数を曲がりなりにも決める能力があり、その結果を解釈できれば・・・・が前提である。
←写真は我が家の「さち」製作のゲルマラジオ」。同調は甘いが20km離れた地方ラジオ局の放送が聞ける。
私は大型ホストコンピュータ時代にSPICEに出会った。その後M社のものを使用。個人的には本の付録の制限条件付のSPICEから無制限のパーソナルSPICEを使用。最近は、プロユースの高価なSPICEを自宅で使用している。
このSPICEは一度覚えると、何ヶ月か使用しないでも使い方を忘れないMMインターフェースを持っている。内部の半導体デバイスのモデルも何とかわかる程度に記載されている。収束安定性もまずまず満足できる。
SPICE=simulation prpgram with integrated circuit emphasis であり、元はカリフォルニア大学バークレー校で開発されたものだ。その名のとおり、集積回路それもアナログ回路用に開発された回路シミュレータで1970年頃日本に導入されたものである。頃とぼかしているのは、さまざまなルートで日本に紹介・導入されたので断定する訳には行かないのだ。これが真実だ。
私のシミュレーションを実行するときには、収束性に問題が無ければなるべく寄生素子を少なくした状態での解析をまず行う。手計算でのモデルに予測結果の是非を確かめるためだ。次に、通常予想される寄生素子を復活させて波形の変化を見る。・・・・・。そして本格計算。
そこには、シミュレーションすれば実回路で検証しないで、左団扇で設計・・・なんて世界はない。
アナログエンジニアの経験則によれば、シミュレーションで発生する問題点は実回路でも多く発生する。しかし、実回路でしか生じない微妙な問題も発生することもある。
手解析能力、少なくとも回路定数を「エイヤー」で良いから決定する度胸と技術がないとシミュレーションは始まらない。
自分の手解析能力の何段階か先が見えるのが回路シミュレータである。ゼロの解析能力の設計者には無用の長物。しかし、プロの回路設計者にとっては欠かせないのが回路シミュレータである。
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