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  • 共著:「次世代センサハンドブック」培風館(2008)、「マイクロセンサ工学」技術評論社(2009.8)
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    アナログ電子回路設計入門 (1994.12)、コロナ社: 実践アナログ回路設計・解析入門 (2005.1)、日刊工業: オペアンプ基礎回路再入門 (2005.7)、日刊工業: ダイオード・トランジスタ回路入門 (2005.12)、日刊工業: スイッチングコンバータ回路入門 (2006.9)、日刊工業: これならわかるアナログ電子回路基礎技術 (2007.6)

専門とする事項

  • 電源を含む精密アナログ電子回路の設計・開発、およびその教育、技術指導。センサ・アクチュエータシステムの構築。電子機器の不良解析指導および再発防止指導。解析主導型設計の推進と回路シミュレータの実践的活用指導。技術的側面からのプロジェクト管理指導。

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新刊

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2007年1月

2007年1月31日 (水)

温度差の計測

温度差を1/1000℃より、良い精度で精密に測定したことがある。

ピエゾ抵抗効果を用いたシリコン半導体ひずみゲージ抵抗の過渡温度特性を測定するためだ。

シリコン半導体基板に形成された抵抗ブリッジの平衡状態を観測することにより、複数のひずみゲージのチップ内温度差を計測したのだ。

不純物濃度に依存するが、抵抗体の温度係数は+0.2%/℃程度あり、ブリッジの不平衡電圧は1ppm程度まで測定できるので、ブリッジを構成する抵抗間の温度差を1/1000℃以下まで測定できるのだ。

かなり大きな温度変化を与え、しかもゲージはチップ内で10mm近く離れている条件での測定であったが、1/1000℃オーダーの温度揺らぎが指数関数的に収束していく模様が観測された。

温度差の測定方法は種々あるが、測定対象物の温度依存性を利用して差動法で測定するのが精度が出やすい。

温度測定で最も大きな誤差要因のひとつが、温度計と対象物の間の熱平衡の不完全さである。

測定対象自身の温度依存性を利用することにより、上記の問題は無くなる。

温度の絶対値の測定は案外難しいが、温度差の測定はかなり細かい分解能で測定できる。チップ内最接近なら、温度が急変しなければ、1/10000℃の熱平衡が取れる。

集積回路中の近接したトランジスタの温度差はきわめて小さいのである。

Img_0996 このような温度差が小さい状況は、個別部品と異なる回路設計手法を集積化アナログ回路に許容するのである。残念ながら今のところこの手法を集積回路で生かすチャンスはないアナログエンジニアである。

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2007年1月30日 (火)

積層形圧電素子

電圧で微小変位を制御できるアクチュエータのひとつが圧電アクチュエータである。

許容できる変位は1000-2000μεをふつう超えない。20μmの変位を得ようとすると、ピエゾ素子全長はcmオーダーになる。高い電界を掛けるので積層形圧電素子が使いやすい。

この素子は、それでも電子回路としては高圧に相当する100V以上の駆動電圧を必要とする。積層構造なので、電圧が低くなった分、容量もμF前後と大きい。

CV=Itの式より、この圧電素子を1msでフルスイングさせるためには、数100mAの電流駆動能力が回路的に必要になる。必要なのは電圧駆動力だけではない。

圧電セラミックは、ふつう引っ張り応力に対して十分な強度を有しないので、圧縮応力が働く方向か、与圧を掛けて使用する。しかも、フルスイングさせると10%程度のヒステリシスが残る。

他の構造材と線膨張係数がかなり異なるので、環境温度にも注意を払う必要がある。

それでも、積層圧電セラミックの変位アクチュエータは、電子回路で実現しやすい微小変位を制御できる数少ないアクチュエータである。例えばAFMのような超精密位置決めシステムの要に使用されている。

この素子、ヒステリシスはあるが、バックラッシュがほとんど無いので意外に制御性は良い。しかも、機械的変位縮小機構無しにサブミクロンを下回る変位制御が可能である。

このような、アクチュエータ・センサとともに個別アナログ回路は歩む。

アナログエンジニアはいまや孤独ではないのだ。いつか、いつの日か、様々なアクチュエータの開発者と分野を超えて歓談・共同作業をしたいと願う。

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2007年1月29日 (月)

松本清張論

砂の器、点と線、ゼロの焦点など多数の著作がある。

しかし、その文体、迫力は凄まじい。日本語の表現能力を最大限に使用して読者をその世界に引きこむ力がある。

私は、松本清張の著作を続け様に読んだ期間がある。そして、夢にまで自分が犯罪の現場に居たかのような疑似体験だ。誰もが持つ心の闇の世界を、巧みな文章力で現実と非現実の狭間に導きいれる。

そんな日本語の操作者は多くはいない。

悲しみ、もだえを表現することはそれよりやさしいと思う。そんな著作は数多くある。

文のみによって、読者を現実、非現実の境界の無い世界に誘導する。そんな力を持ったミステリー作家が松本清張だと思っている。

松本清張のこの重たい世界、問いかけをきちんと受け止める力は私には無い。松本清張はなぜこのような文体を駆使することが出来たのだろうか。インターネット検索できた松本清張の経歴にはそのヒントとなるエポックは見つからなかった。

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Photo_18 庭の万両の花、今は赤い実がたくさん付いている

2007年1月28日 (日)

契約

_1025 ←マレーシア産モルフォ蝶、20cm近くある蝶。

行きつけのお店で、許可を得て撮影。

このサイズのモルフォ蝶は珍しい。

人生最大の契約は結婚。そして離婚。

契約=未来の行動の約束

それを行う儀式が結婚式。花嫁の娘の親であれば、バージンロードを父娘で歩くとき感慨の涙がこみ上げる。

離婚式は多分存在しない。基本的に未来の行動の約束を交わすことが少ないからだ。

約束を文書にしたためる。それが契約書だ。

実印を押さなければならない契約書もいくつかある。

実印を押す必要はないが、無限責任を負う内容を記載した契約書・念書も存在する。

実印を押す必要はないが、実印を押す契約書もある。

私は、出版契約の時には  実印を押すのが常だ。その覚悟のもと、企業の守秘義務の遵守と他人の著作権の不侵害を個人の責任として無限に責任を負う。

子供達が一応独立した今、私は家内と友達のような会話や外で話せないデリケートな会話も交わす機会が増えている。様々な形態の約束がある。

一度限りの人生、私は結婚直前のとき急ぐ必要はない。何十年かかかっても解りあうことが出来ればいい。そう言った記憶が今もある。結婚30年余り、その約束は私の中に今も生きている。私の知らない我が家の「さち」の世界も存在している。

そう、夫婦は異なる2つの人生を共有するのだ。

異なる人生を共有できないなら、共有しない選択ももちろんある。

しかし、契約書に契約破棄条項を記載できることは案外少ない。せいぜいお互い誠意を持って不一致部分を解決するとの条項が記載される程度だ。

不履行時のペナルティ条項を記載した契約書を交わしたこともある。このときは、非常に気分的に楽であった。それは、個人として守れる未来の約束であったから・・・・。

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本日のアーチェリー:協会の練習日。今日は特別に9:00から皆で30m。計100射近く。

30m36射成績、48、47、47、49、50、51=292  50、52、51、48、52、52=305 久しぶりで30m・300点を越えた。嬉しい。

2007年1月27日 (土)

回路シミュレータ1

_1181 回路シミュレータは非常に便利なツールである。回路定数を曲がりなりにも決める能力があり、その結果を解釈できれば・・・・が前提である。

←写真は我が家の「さち」製作のゲルマラジオ」。同調は甘いが20km離れた地方ラジオ局の放送が聞ける。

 私は大型ホストコンピュータ時代にSPICEに出会った。その後M社のものを使用。個人的には本の付録の制限条件付のSPICEから無制限のパーソナルSPICEを使用。最近は、プロユースの高価なSPICEを自宅で使用している。

このSPICEは一度覚えると、何ヶ月か使用しないでも使い方を忘れないMMインターフェースを持っている。内部の半導体デバイスのモデルも何とかわかる程度に記載されている。収束安定性もまずまず満足できる。

SPICE=simulation prpgram with integrated circuit emphasis であり、元はカリフォルニア大学バークレー校で開発されたものだ。その名のとおり、集積回路それもアナログ回路用に開発された回路シミュレータで1970年頃日本に導入されたものである。頃とぼかしているのは、さまざまなルートで日本に紹介・導入されたので断定する訳には行かないのだ。これが真実だ。

 私のシミュレーションを実行するときには、収束性に問題が無ければなるべく寄生素子を少なくした状態での解析をまず行う。手計算でのモデルに予測結果の是非を確かめるためだ。次に、通常予想される寄生素子を復活させて波形の変化を見る。・・・・・。そして本格計算。

そこには、シミュレーションすれば実回路で検証しないで、左団扇で設計・・・なんて世界はない。

アナログエンジニアの経験則によれば、シミュレーションで発生する問題点は実回路でも多く発生する。しかし、実回路でしか生じない微妙な問題も発生することもある。

手解析能力、少なくとも回路定数を「エイヤー」で良いから決定する度胸と技術がないとシミュレーションは始まらない。

自分の手解析能力の何段階か先が見えるのが回路シミュレータである。ゼロの解析能力の設計者には無用の長物。しかし、プロの回路設計者にとっては欠かせないのが回路シミュレータである。

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2007年1月26日 (金)

同質の人間、異質の人間

Photo_42 同じ分野のエンジニアであっても異質の人間も存在する。年は私より若く嗅覚が鋭い。アナログ回路エンジニアとしてもデジタル回路エンジニアとしても優秀な方である。両方こなす方は少ない。それに加えて個人としての電子工作技術がすごいのだ。世代を超えてこの方を尊敬している。異質の同業者である。

異分野の異才の方とともに仕事をするときも、とても楽しい。

数人の異質の方々がチームを組むと大きな仕事が出来る。それぞれの方が、持ち場で才能を発揮する。リーダー格の方は当然存在するが、実質の方向決定はその場面、場面の適任者が行うのだ。そんな仕事を出来る機会が、何度かあった。学ぶことも多くある。

同質の人間が異分野の人間としてチームを組むとき、これもまた楽しく成功率の高い仕事となる。それだけではなく、チームの仲間の人生を疑似体験することもある。

同質の人間が類似の仕事を一緒に行うときが、意外に難しい。アイデアの幅が狭くなりがちで、どうしても競争心理が働くのだ。優劣がお互いに判るので、どちらかが身を控える、あるいは人生スタイルを変えることになるケースもある。

心理的にお互いが苦しくなる。

しかし、同質の同業者、同年齢、同一職場でなければ、時を経て再びめぐり合うときには、強い絆で結ばれた仲間となる。経歴の違いが異質の部分を形成するのだ。それもまたアナログエンジニア人生。

長いエンジニア生活には様々なパターンの人と様々なパターンで出会うことがある。これもエンジニア生活ならではの体験だ。

しかし、考えること、行動しない方とは、楽しく仕事をやることが難しい。工学は一般論ではなく、特定の課題を達成するためにあり、評論のため、あるいは企業内論理の下に存在するのではない・・・・とアナログエンジニアは考えている。

異質の人間のチームは、見落としを最小限に抑えながら、色々な角度から検討が進む。持ち味の違う人間、持ち物の違う人間の組み合わせが、一味違うモノを実現するのだ。チームの弱い部分を誰がカバーするか。それを指揮するのが、指揮できる人がそのチームのリーダーとなる。

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2007年1月25日 (木)

エンジニアの教育

若いエンジニアの教育、とくに実務教育はかなり難しい。

エンジニアの喜び、喜怒哀楽は自分で考え一応設計した形を実現し、その結果を自分で確認し、次の工夫を行うところにある。

今の若い人達は、この理系人間としての原体験が希薄であるというのが私の実体験である。

ならば、どうするか? 説明的ではない大学教科書を超えて、一気にその設計条件と2次的に派生する課題、利害得失まで教える。

その次に、基本回路を中心に実際にモノを作らせるのだ。自分が曲りなりに回路定数を選ばせ、実際にその回路を動作させ、性能を確認させるのだ。

この方法、一連の指導・教育、実験・改良に数10時間が必要になる。学部の卒業研究並の時間を必要とする。

自分があてがわれた回路定数ではなく、自分の選んだ回路定数で最後まで見るのだ。この効果は絶大である。

時間が進むにつれ、必死の質問が出てくる。用意できる機材は限られている。その中で工夫をさせるのだ。

このような体験、素晴らしいものがあふれた今の時代においては、稀な体験である。教授者の負担もとても大きい。

しかし、モノつくりの喜びは、組み立てることではなく、自分の考えたモノを実際に具現化しその能力を実証し、改良することに真の喜びがある。

実体験を待たない若者の教育は可能だ。

そのためには、それなりの題材と事前教育が前提となるが・・・・・。

自費で工夫・工作で試行錯誤し、それなりの物を実現したことが無いエンジニアは使い物にならない。しかし、それなりの教育方法をとれば、この体験をさせることが出来るのだ。

今回は、2班2人構成で各約50hのシリーズ実験、設計、製作、検証、改良を強い指導の元で実施した。何かが変わった。これを機会に創る喜びを伝えることが出来たのではないかと考えている。Cw

←設計・製作・実験回路の類似回路。

15年前のアナログエンジニア作。

画像をクリックすると詳細画面が出ます。

このような教育は現在もやろうとすれば、可能である。ただし、一見コストパフォーマンスが悪いので、大学で教育に携わる上層部の方あるいは企業内の上層部の理解が得られないと実施難しい。しかも、少人数しか扱えずかつ教授者の技量も必要とする。

現在の享楽に満ち溢れた若者世代にインパクトを、そしてものつくりの真髄を伝えるためのアナログエンジニアからの一方法の提案である。

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本日のアーチェリー、18mと30mを一人で射つ。

18mはインドア的40cm6射×5:47、47、47、49、40=221、外れる方向は右上2-3点。まだリリースのときに緩みながら、トリガがかかっているのだ。30mは6射×6:51、49、50、46、50、49=295 各エンドともに1-2射ほど右上に外れる。

骨格的に引き手が甘くなりやすいので、相当引張り気味で射つ必要があるようだ。

2007年1月24日 (水)

エンジニアの原体験

物を創る喜びを、小学生から中学生の時代に体験しておくべきだ。

例えば、竹とんぼ。竹をナタで割りそれなりののこぎりで素材を切り出す。次の工程は羽の形を形成する。ここでは、羽の迎え角、捻りの程度が影響する。表面はすべらかな方が一般的には良い。第3工程は竹ひごを取り付ける孔を錐であける。第4工程は取り付けた竹ひごと羽の直角だし。竹ひごを回してみて羽がぶれないように、X-Y方向を調節する。

第5工程は、手のひらの感触を頼りに回しながらダイナミックバランスをとる。

竹とんぼを良く飛ばすには、揚力と回転による反力に伴う不安定性を回避し、回転軸周りのモーメントを大きくしなければならない。

いくつもの竹とんぼを自分の加工技量で自分の思った形を目指して創る。よく飛ばす要因はいくつもある。

この段階ですでに、エンジニアとしての感性が磨かれているのだ。自分が考えた形を実現する手先の器用さと、形の着眼点、工夫を長い時間かけて学んでいるのだ。

いまや、非常に良く飛ぶ竹とんぼが観光地のお土産店などで簡単に手に入る。良くは飛ぶがそこには感動が少ない。

むしろ、望めば何でも実現でき、手に入るような錯覚で様々な電子機器を使っている時代である。

Photo_27 それでも、自分の思った形を自分の技量で作り出し、その結果を見る。試行錯誤でより良いものを創った経験は何事にも代えがたい。もちろん、道具の扱い方や多少のヒントは親が手助けしたほうが良いと考える。

スナップを効かせてハンマーで釘を打つ。もっと工夫するなら、釘は垂直に並べて打たず、交互にジグザグに並べて打つ。これにより、柔らか材料でもかなり接合面がしっかりと固着する。この程度のノウハウは自力で会得する感性がものつくりには必要なのだ。

そして、労働安全面からは、スナップを効かせて釘を打つ基本的感性のない世代に、安全は自分で守る意識をどのように伝えることが出来るのか? 非常に重い課題である。ここまで日本の技術の担い手の感性は低下しているのだ。そして、その感性を復活させることができる、呼び起こすことのできる指導者も急激に減少している。

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2007年1月23日 (火)

L負荷のスイッチング

L12vdiv_ch2_20vdiv01 インダクタンス性の負荷をオン・オフする機会は結構ある。ソレノイド、電磁弁やパルスモータなど電子回路で制御したいアクチュエータの多くは強い物理力である電磁力を使用しているからだ。

←写真はLR負荷有限の立ち上がり、対下がり速度で重い負荷を駆動した波形。上段駆動波形。下段コレクタ電圧波形(20V/div)

 純インダクタンスLと両端電圧V、インダクタンス電流I、時間Tの間に成り立つ法則は、電圧の向きと電流の向きを逆方向にとって

V=L・dI/dT である。どの項が原因でどの項が結果であるかに関係なく、この式が成り立つ。

早い電流の時間変化があれば、高い電圧が発生する。電圧をかければ電流の時間変化が生じる。

インダクタンスはコイルを巻いて製作するので、無視できない抵抗分Rがある。インダクタンスを電子スイッチでオン・オフする場合を考えてみよう。電子スイッチがオンになると出だしの電流変化はdI/dT=V/Lで、L/Rの時定数の数倍の時間が経過するとI=V/Rになる。

インダクタンスはターンオンの時には穏やかである。ゆっくり電子スイッチをターンオフさせるなら、V=LdI/dTで予測される電圧が電子スイッチに発生する。十分早いオフ・スイッチングを行うと、電流変化速度が速いので、電子スイッチの降伏電圧の電圧Vmが発生し、dI/dT=Vm/Lとなる。高い電圧で電子スイッチが降伏し、インダクタンス電流はV/Rの初期値から急激に0電流へ変化する。

この状態は、電子スイッチにとって好ましい状態ではないので、インダクタンスに逆並列ダイオードを接続しておく。すると、電子スイッチの電流が突然0になっても、ダイオード経由で循環電流を流すことができる。インダクタンスを流れる電流は急変できないので、ダイオード電流の初期値もV/Rである。

簡単な微分方程式になる問題であるが、途中の論議を数学抜きでやろうとすると「逆起電力」などの新たな用語が必要となり、そしてわからなくなる。

RCの1次遅れ回路は良くわかるが、インダクタンスになるとその電流変化がわからなく人が多い。インダクタンス回路のオフ時は初期値が有限で、かつ電子スイッチが急速にオフしたときの電流経路が明示的に記載してなければ、動作を理解できるものではないと思う。

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2007年1月22日 (月)

論文博士

私は学部の卒業である。

母校の教務室を訪れ、本を書きたいと思っていると話したら、私の大学時代からの古参の事務官が即座に「学位」を取りなさいと薦められた。1992年の1月である。

センサ分野で回路も解る母校の教授は数少ない。東京から戻ると、すぐに、私の人生の師で、その教授の指導の仲介をお願いした。2月に教授室で面談を受ける。

5月連休前に博士論文の草稿を持ってくることが出来れば、引き受けていただけるとの条件がついた。残る日数は約60日余り。A4約180P程度の仕上がりになるので、1日平均3pを自宅で執筆することになる。書くことが出来ない日や、読み返す時間も必要なので、書ける日には5ページ、1万字相当を書き進まなければならない。

手持ちの素材を調べなおし、全体構成を3日で決める。社内審査も済ませる必要がある。

図の清書は初めから諦めた。スペースの確保と手書き図だけを作成した。

1991年に技術士を取得していたが、そのときの経験が役に立つ。当時の技術士試験は約6時間で約13000字を書く論述試験だ。この速度で技術文章を書くには、起承転結を考えながら一気に書き進めるだけの時間しかない。

ひたすら書く。ひたすら論理的破綻の無いように書く。あっという間に2ヶ月が経過し、5月連休まえに指導教官のもとに草稿を持ち込む。そのときも私の人生の師は付き添ってくれた。完成度が低い草稿であったが、その教授は指導を引受けてくれた。

同時に、フルペーパを1件投稿。トップネームのペーパーの数を何とかあと1件増やすためだ。

指導教授の下、学位論文の推敲が進む。過去の関係書類の準備。学部卒なのでドイツ語文献試験もある。

その間にも、目的である実務的視点から見た回路教本の授業ノートも作成を進める。1993..1月肺炎を起こして入院。

退院した当日、審査日程の連絡が入る。ドイツ語論文のabstractの作成、OHPの準備、論文の要約の作成と慌しい日が過ぎる。各研究所の友人からも種々の情報提供を受ける。

Photo_32 学会投稿の採択が決まる。

3/18日学位授与。

3/29日学位記伝達式。例外的であったが、妻を同席させて学位記の授与を受ける。

論文名「工業用変換器の信号処理とインテリジェント化に関する研究」

このときの1年間、多くの先生、昔の仲間、研究所の博士の方々に本当に支援を戴いた。

一度きりの学位取得のチャンスであった。感謝。感謝。また感謝。ダルマに目を入れる。大願成就。

論文博士の誕生には、コースDr.とは異なるそれぞれの人生の軌跡がある。

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2007年1月21日 (日)

成功学

失敗学はよく聞くが、「成功学」はあまり耳にしたことが無い。

成功体験は自慢話に受け取られがちである。結果だけが評価される可能性が高いのだ。

したがって、成功に至るそのプロセス、とくに失敗する可能性を秘めた胸を翳めた疑問の対象への対応法が明暗を分けるものと私は思っている。

私は、ふつう、失敗の前兆を見るチャンスは一度か二度しかないと思っている。失敗の前兆を見るチャンスが多数回あるような冗長な仕事はまず行われないのだ。この一瞬の失敗に至る可能性の存在を見抜く力がアナログエンジニアの力量であると考えている。

予定より、結果が性能が良すぎることも稀にはある。40年のエンジニア生活の中で2度だけ経験した。もう時効だと思うので、雰囲気だけ。

ある回路定数であるデバイスパラメータもつ素子だけで得られる性能だ。しかも、3個試した性能確認でもOK。良すぎる性能。疑問がふっと湧いて消えた。量産時、すべて、ある項目でロットアウト。基礎実験をやり直しデバイスのロット間ばらつきを吸収する調整する手段を開発して、納期に間に合わせた。

印象が強烈だったので、学位論文にもちらり、自分の著作でもちらりと述べたが、社会人になってすぐに手に入れた文献(英語の海賊版)に違う目的での最適条件の記載がある。私の条件での最適バイアス点は0.6V異なる。

アナログ回路エンジニアにとって必要なことは、予想以上でも予想以下でもない結果を得るスキルであって、その背景にはさまざまな測定技術やデバイスの動作原理に対する理解が必要である。

円熟したと自称しているが、広大な未知の世界が知れば知るほど広がってくる。

Photo_13 ←チャンスを待っている猫の置物

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2007年1月20日 (土)

アーチェリー教本

アーチェリー教本はやっぱりこれがお勧めの1冊。

Photo_12 (社)全日本アーチェリー連盟 編

定価2800¥

ISBNコードが取られていないので、一般書店では手に入らない。

アーチェリーのプロショップか、直接(社)全日本アーチェリー連盟にアクセスして入手するしかないだろう。

この本、入手しにくいが実に多くの有益な記載がある。

この本の結果記述に対して、少しでも工学的側面から自分の体験を踏まえ解説しようと試みているのが、このブログのアーチェリーコーナーである。

私は、JSTの個人アカウントを持っているが、まだJDreamに変更されてからアクセスしたことがない。

アーチェリー関係の学術論文を検索すると余り多くはヒットしない。

数件の文献の中に、CAEを駆使した矢の挙動に関する論文もある。有名アーチャーが参加した実験と計算結果の対比もある。

理系人間としては、自分の身体制御能力をさておいて、どのような場合に、矢の挙動がどうなるのか。必要な照準精度はどのくらいになるのか心に留めて、弓のチューニングと照準調整を理解する。

しかし、さまざまな弓、矢の組み合わせでも臨機応変に射てるKさんには、恐れ入る。15000¥の安い弓と、自分の矢の組み合わせで90mを射つ。怖いくらいの仰角で射出する。的の中心を照準器で狙える条件ではない。

そんな条件でも安全に射てるアーチャーもいるのだ。私にはそれだけの能力はない。ひたすら、読みを働かせて安全サイドに射つ。

7020060820 複合弓(CP)での70mの射形。

まだ、色々改良工夫すべき点があります。

70mでの練習最高記録:268点/36射。

←画像をクリックすると拡大画像が出ます。

背景の水平線から、矢の射出角度が判明するので、後は高校物理の放物体の運動方程式から初速を未知数として計算します。

この写真からは、矢の初速は70-80m/s程度の値が得られます。

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2007年1月19日 (金)

校正し易い技術書

Photo_44 本には妥当な厚さ≒ページ数がある。妥当な価格で技術書を一般向けに出すには250ページ以下できれば200ページ以下にしたい。

限定バージョンの数万円する本なら、いく人かの著者が書きたいことを書きたいレベルで書くことが出来る。

しかし、一般向けの技術書はそうは行かない。

肝心の内容は著者が伝えたいことと、その想いが想定する読者層と一致するかで決まる。

本のタイトルで内容を決めることもあれば、内容が先でタイトルが後で決まる場合もある。

処女作、1冊目の本を世に出すには、様々な方の助力が必要であった。

2冊目:編集者から一生に一度しか出せない本と言われた。

圧縮し自分の過去を凝縮して、何とか仕上がり250ページ台にまとまった。その分、式の途中変形の問題箇所などの操作方法など割愛している。

この本の前書きの最後には、フォントを少し小さくして、

「世代を超えて、教えていただいた人達と教わる人達に捧げる」

のフレーズが入っている。凝縮した本は、読み手の努力を要求するとともに、著者にとっても校正が難しいと感じている。自分の思考過程を省略しているためだ。

著者にとって、校正し易い本は、

自分の思考過程を、著作段階から読み手の立場で書き記す作業が必要だ。テーマのわりに、必要ページが多く必要になる。校正し易い本が読み手が辿りやすい本であることを願って書いている。自分のためではなく、読者が自分の軌跡を辿れるまで書き記す体裁だ。

書く立場からすると、自分の思考過程を整理して、その最も効率的な道筋を残すことが校正し易い本になると思う。

世の中には様々な本がある。技術書がある。対象者も異なる。

数多くの類書の存在するジャンルもある。

私の恩師の教えは「自分の学んだ期間の1/10で伝えるように努力しなさい。」

この教えは重い。

いつか、また、今度は入門の名を冠しない本を書きたいと願っているアナログエンジニアである。

入門でもなく、実践本でもない 教授者のための本!

こんなジャンルの本がありうるのか、まだ良くわかっていない。

アナログ回路エンジニアの世界は、教える方も希少種になっていると聴く。その数少ない教授者向けの本にも挑戦してみたいと考えるアナログエンジニアである。

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2007年1月18日 (木)

安物ニッパー

_1113 ←安物のニッパー

アナログエンジニアは普段、このレベルの工具を使用する。

使用頻度が少ないのと、工具の性能限界まで使うことが余りないからである。

しかし、幾度か使った後、ニッパーの生命である刃先は少し開いて見える。

蛍光灯の光にかざすと、0.1mm程度の刃先が開いているのが見える。肉眼では多分わからない。閉じた刃先の開きから、刃先が完全には閉じていないので光が漏れる。

ふつうのアマでは、このレベルの工具で十分目的を達する。安物ニッパーでほとんどは十分なのだ。

しばらく、使っていなかったら錆びていた。潤滑油を吹き付けて1日放置したら、動きは回復した。

このレベルの工具はふつうプロ用途では使わない。耐久性と耐候性、精度が十分ではないのだ。しかし、普通の電子部品のリード線を切り、時には爪を切る分には十分である。下手な爪きりより使いやすい場合もある。

安物だから、いざとなれば溝の潰れたM3ネジを強引に回すこともできる。その時点で安物工具は使命を終える。

安物だからそんな使い方が可能なのだ。

私は、この安物工具の数10倍の値段の精密ニッパーを持っている。数倍の価格ではない。

絶対に硬銅線より硬いものは切らない。使用頻度が少ないので、油紙に包んで保管している。アナログエンジニアは自宅でも精密ニッパーを使うことがある。そのときのための工具。

個人では買いにくい価格であるが、ふつう髪の毛の太さの物でもスパッと刃先で切断できる。

耐久性などもかなり違う感触だ。

安物ニッパーはそれなりに使える代物である。しかし、アナログエンジニアが注力するときには能力不足となる。

私は、中途半端な工具は買わない。安物と高級品を使い分ける。

このような精密ニッパーは日本の組み立て技術の一翼を担っているはずだ。

高性能精密ニッパーの真の使い方を私は知っているのか?違いの判る男になりたいと考えるアナログエンジニアである。

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2007年1月17日 (水)

電池

200701_1391 写真は各種電池。左上からNiCd組電池、006P、単三2本。下左単4.右下単ニ。

我が家は単一から単4まで常備している。

ここのところ、ノートパソコンの起動時に得体の知れないメッセージがでた。Liイオン2次電池の充電が出来ていない。ノートパソコンが電池の存在を認識できていない状況らしい。

鉛蓄電池は過放電に弱い。バッテリ上がりをやると残容量が著しく減る。しかも完全放電させると電解液の電気伝導度が非常に低くなり、充電に時間が掛かる。

NiCd電池は、逆に過充電に注意する必要がある。メモリー効果なるものがあって、時々完全放電させないと容量が減少する。ここまでは判っているが・・・。

リチウム2次電池は特殊な充電管理をしていることは知っているが、その他の情報は少ない。

問題のノートパソコンに使われているリチウムイオン電池は回収問題を起こしたロットが使われている可能性のある機種だ。インターネットで調べ方を確認し、該当ロットではないことを確認。そのときに電池が充電されていないことに気がついた。OSの起動状態も正常ではない。

正月まえに点検。電池寿命、コネクタ接触不良あとは充電系の故障の可能性あり。コネクタは接点復活剤を吹き付けてみたが、一時、起動状態は改善したが、再現性はない。

まず電池交換か。テクニカルサポートセンターへTEL。接続は出来たが、20分待たされる。窓口の女性は的確に質疑応答を行う。2週間ノートパソコンを返送している状況ではないので、そこは自分のリスクで電池アセンブリを注文。3営業日で代品が届く。早速取り付け。AC電源を接続しOS起動。正常に立ち上がる。バッテリーモニターを起動して残容量の時間変化を見る。急速に残容量が増加。50%に達してからノートパソコンを電池駆動。問題なし。再起動。正常に立ち上がる。

主PCのMailで問題が解決したことを報告。ついでに当該電池の充電の適切なやり方を問合せ。適切な回答が戻る。

しばらくすると、サポートの良否に関するアンケートmailが入っている。珍しい9段階評価だ。まじめに応える。サポートの待ち時間を除いて、担当の女性はほぼ完璧な応対をし、結果も良好なのでベストの9を多くつける。サポートの待ち時間に関しては厳しい評価とする。

このようなうまい評価システムがあるから、担当者は全力で、しかも、顧客のレベルに合わせ対応できるようになっているのだ。これが米国流の評価システムか・・・。

日本にこのような評価システムがあれば、現在のようなアナログエンジニア払底の状況にはならない。護送船団方式での時代は終わったのだ。

これからの時代、年齢に関係なく実力に応じてギャラを取る。取れる時代。評価される時代が日本にもまもなくやって来る。そうでなくては、だれも努力しなくなる。努力の成果と結果を情実ではなく正当に評価できない経営者、会社は救う必要がない。それは本人達が仲間うちで選んだ破滅への道に近い。

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2007年1月16日 (火)

減衰振動

_1390_1写真はある回路で意識的に発生させたオシロスコープ像

(横:時間軸50μs/div、縦:電圧時間軸1V/div)

減衰振動の周期は約25kHz、制動係数ζ≒0.036の波形である。

その振動のピーク値は指数関数的に減衰していく。

視認できる波の数は、この輝線幅で10数個である回路のQとほぼ同じ程度の波の数が認められる。

制御では嫌われるこの波形を現実世界で再現した。嫌われる波形であるが故に、Real World:現実世界で観測する機会は少ない。(機械的減衰振動の振幅は簡単に見える。金属製のものさしを曲げて離せば良いのだ。)

数学での減衰振動は別として、このような波形を制御下で発生させる。現実世界でこのような低い減衰係数の減衰振動を見た工学者・科学者はどのくらいの割合でいるのだろうか。

何がともあれ、意図した小さい減衰係数の電圧波形発生に成功したアナログエンジニアである。当然アナログ回路手段を使っている。

今はコンピューターと言えば「デジタル」コンピューター以外にはないが、約40年前にはアナログコンピュータなるものが存在した。微分方程式とくに弾道計算の数値解を求めるために使われたという。

アナログコンピューターの演算要素はオペアンプ:演算増幅器である。現在はIC化された汎用増幅器として低価格で入手できる。積分要素主体に結線するので、その係数設定にはかなりの数学知識が必要であった。

アナログエンジニアは逆に微分回路での不安定性を利用して、この波形を得ている。

正弦波でもなければ、一次遅れ波形でもない減衰振動波形。私は美しいと感じる。このような微妙な、発振と穏やかな波形の狭間にある波形は工学的に中途半端であり、ふつう設計目標にはならない。普段の世界ではこのような波形とならないように工夫されているので、実測する機会が少ない。

デリケートな条件下で生まれる波の多い波形:珍しくそして微妙な条件で生まれる波形を美しいと感じる。

数学的には良く知られた式で表現できるが、アナログオシロスコープで撮影したところが本日の目玉である。

なお、波形の初めの方は、オペアンプのスリューレート制限のため三角波の形状をしています。

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2007年1月15日 (月)

コンデンサの体積

写真は種々のコンデンサのサンプル。

写真をダブル左クリックすると詳細画像が出ます。約140KB。

アナログエンジニアはこのような実物見本を持っている。

中には今となっては懐かしいソリッドマイカコンデンサも含まれる。(右側)

電子回路でのコンデンサは、容量・種類・電圧によっては回路中で比較的大きな体積を占める。

したがって、コンデンサの使い方、使い分けは工学上重要である。

電極の体積を無視し、誘電体の耐電圧Vmを電極間距離dに比例するとして、

Vm=kd  ・・・・・(1)

コンデンサの蓄積エネルギーEは E=CVm^2/2 ・・・・(2) 

_1378 コンデンサの容量Cは、電極面積Sと電極間距離から C=k’S/d ・・・・(3)

(1)、(3)を(2)に代入すると E=k’k~2×Sd/2となり、(体積)/(蓄積エネルギー)が2/(k’・k^2)に比例する。

k’、kは誘電体材料で決まるのでcm^3/mJで種々のコンデンサのサイズを正規化できる。容量の値、耐電圧が異なるコンデンサでこの値の概略を求めると

アルミ電解:0.007、 固体タンタル:0.03、データは少し古いが電気2重層コンデンサは、0.0006、ポリエステルフィルムコンデンサ:2.5 などとなった。積層セラコン(高誘電率系)は0.2。すこしデータは古いが、このような数値を書物に公表した例はほとんどない筈だ。数多くの部品データを整理したうえでの公表だ。

電気2重層コンデンサは体積の割りに大きなエネルギーを蓄積でき、充放電を繰り返すと容量が減少する電池よりも、頻繁に深い充放電をさせることができる。 小型の電気2重層コンデンサ’画面中央、青緑のコンデンサ、NEC製)をフル充電すると、μサーボモータを数分間回転させることができる。逆にフライホイールの付いたサーボモータを発電機運転すると、運動エネルギーをコンデンサに回収できる。

この原理を用いて大規模に行うと、自動車を減速するときのエネルギーをかなりの効率で回収する技術となる。実用間じかか、すでに実用化されているかもしれない。アナログエンジニアはこのような技術にエールを贈りたいのだ。省エネと環境エコに貢献する技術であると信じている。

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2007年1月14日 (日)

関数電卓

_1377 私の愛用している関数電卓は±99桁のフローティング演算を行うことが出来る。そして、おもな物理定数も記憶されている。数式通りの入力方式ではないが、抵抗の並列計算を( )なしで計算できる優れもの。

一時、表示機能が不調になったが、内部接点の位置を修正し回復した。

しまった、写真にボルツマン定数kを表示させておけば良かった。

ボルツマン定数=1.380658^-23。

宇宙のサイズは150億光年くらい。

光の速度は3×10^8乗m/s、1年は365日×24h×3600sである。したがって、宇宙の大きさは約1×10^17乗mとのオーダーなる。

超紐理論のサイズは約10^-30乗。

最小の長さの単位を尺度にしても、10^50乗をふつう越えることはない。

立体で考えてもべき乗は±100乗をあまり越える機会ない。計算桁が2-3桁間違っているかもしれないが、±99乗はとてつもなくおおきいダイナミックレンジである。

しかし、この演算レンジでも途中経過が桁あふれする公式もある。(プランクの公式)

アナログエンジニアの仕事は、オーダーエスティメートから始まる。詳細計算に値するか否かの判断だ。なにが現実世界で影響を及ぼしうるファクターか、それを見極めるのだ。

数多くの物理現象、効果を知る限りオーダーエスティメートするのだ。このプロセス無しに高い工学的成功率は有り得ない。

公式だけで、様々な場面での数値例がない多くの学術図書。それでいいのだろうか疑問を感じる。

今の理系人間の多くは、有効数字たった1桁の暗算ができない。関数電卓かエクセルに頼っているが故に、実時間で桁の概算が出来ない方が多いと感じている。

工学的には、ドミナントな支配法則をまず考慮して概略の傾向を数値的に掴むことが重要だ。次に、探索範囲はかなり広がるが、2次的効果を及ぼす項目の洗い出しである。そこから設計が始まる。

当然、様々な、物理現象の森羅万象を知らなくてはならない。この点においても、最近は改善されつつあると感じているが、ゆとり教育の弊害を感じる。

なにが、検討対象に値するか、なにが影響しないのか?

この見極めが合ってこそ、学際技術は成立すると思う。

ここに至るまで、小学生から高校時代までの基礎訓練が物を言う。

中学数学の各段階でも理解の欠落が積み重なっていく。人模様を別にしても、高校物理をこなすことは一大事業である。その関門を若き時代に潜り抜けることが出来た人間が、次の時代を担う理系人間の集団であると思う。

最近では、化学、生物も学際的になってきた。計測技術も複雑・多様化している。

その基本原理を理解したうえで、高度な研究・製品開発を行って欲しいと願うアナログエンジニアである。

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2007年1月13日 (土)

額中額

_1370 某年、某高校学校の文化祭のポスター。

大正時代をイメージした喫茶店の出し物に使われた。

←画像を左クリックすると詳細画像になります。約210KB。

designened by tomo

colored by analog engineer/5513

文字は、古風に右から左書き。喫茶店の名称は「かたおもひ」。

彩色はポスターカラー。

額縁に入れてあるが、ポスター自体に錆びた金具の額が描いてある。

それで、額中額。

今回は、少し照明を工夫して高校名の部分が白く飛ぶように撮影した。しかし、この高校出身の方にはそれとはっきり

わかる情報が画中に残してある。

段階的に青から赤紫までのグラデェーションをつけるのに苦労した。

我が家の「tomo」とアナログエンジニアの共同作品。

当日は、このポスターが評判を呼んだと聞く。

デッサン能力は低いが、油彩、水彩も少しはできるアナログエンジニアである。

今度は教師について、油絵を習おうかなー。

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2007年1月12日 (金)

ロバーバル機構

_1366 写真は家庭用100gFSの機構部。

上皿秤の多くにこの機構:ロバーバル機構が使われている。

この機構の名称を知る人間は、質量計測の専門家に近い筈だ。

←写真をクリックしますと詳細画面が出ます。約72KB

4つのピンで構成する可変平行四辺形部分が、上皿の前後方向の偏芯荷重の影響を消去するロバーバル機構と呼ばれる機構部である。

上皿の垂直力のみをバネ系に伝える巧妙な機構で、質量計測での常套手段の一つである。家庭用:調理用の秤の内部を見るとこのような構造物が見える。

左右方向には並行6面体を形成し、幅方向の厚みで横方向の偏芯荷重を支える。

最小目盛は1gであるが、アナログエンジニアは基準分銅を経由して、絶対値と0.2g精度で100gまで読む。

家庭用といえども秤は秤である。最良の状態に保てば公称性能以上の性能を発揮させることが可能だ。

写真はゼロ校正、100g分銅で校正後の10g荷重での表示も表す。

アナログエンジニアはこの秤のゼロおよびフルスケールの調整方法を知っている。それでこのような使い方ができるのだ。

TANITA製、最大計量100g、最小目盛1g   (正)家庭用のマークがある。家庭用であり業務用のように定期校正は義務付けられていない筈だ。

もし、家庭に上皿秤があればカバーを開けて見るのも面白い。このタイプであれば「ロバーバル機構」が多くの秤で見ることができると思う。そして知識があれば、自分で保守できる。これがアナログ計器の良さである。

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2007年1月11日 (木)

古机

_1363 今でも愛用している。1965年購入。親父が大学への入学のとき買ってくれた。良い品だ。

当時の値段で1万数千円したと記憶している。その頃の大卒初任給とほぼ同じ値段だ。

サイズはW1064、D732、H740 無数の傷跡がある。

左側にはA2サイズのピンの痕。図学製図の宿題を徹夜でやったときの痕跡。懐かしい思い出の痕跡。

右中央よりには、半田ごてによる焦げ跡。そう、アナログエンジニアはこの机で回路設計者としてスタートしたのだ。

中央手前には、無数の傷。よく使う場所なので具体的思い出は残っていない。

右手前には、深いへこみ、傷跡。自宅で金属加工をした時の痕跡。

机の真ん中にはリング状のワニス変色部がいくつか残る。熱いお湯の容器をいつも同じ場所に置いたためだ。

右奥には、接着剤と塗料の飛沫。これは今日削り落とした。

引き出しは3段ある。一時期閉まらなくなっていたが、自分で研いだ鉋で修正済み。

学生時代に使っていた山田照明のZランプのクランプの跡もある。忘れた思い出も多い。

思い出の古机。今は亡き親父からの貴重な贈り物。数度の引越しのたびに、分解・再組み立てを行った机。

私は子供達に、このような品、贈って来たのだろうか・・・。

自分の目利きを伝えてきたのだろうか。疑問と反省しきり。

それなりの品、それはそれなりの使い方と保守を要求する。メンテナンス能力があってこそ、その逸品を長年使うことが出来る。

今日は思い出にほろりと涙ぐむアナログエンジニアである。

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2007年1月10日 (水)

電車の隣席

_1281 今日は自由席の特急電車、もちろん私は喫煙車両。窓際には男が座っている。

席を立って、車内の自動販売機へ。売り切れの品が多く選択肢が少ない。少し迷ったがアクエリアスを購入し、席に戻ろうとすると、自分の席がロケーションできない。

自分の鞄を目印に戻ると20代の美人が座っている。それでも自分の席が判明したのでその女性の隣に座る。

女性から私に話しかけられる。最近では珍しいことだ。席が替わった理由を説明してくれる。私が座った時点で、すでに女性が席を外し、その間に男性がすわり、私が席を外した時間帯に女性が元の席に戻ったのだ。

女性は本を広げている。眼鏡を掛けている私には、図のない本としかわからない。どうやら資格試験の教本のようである。私が煙草を吸う。いつもの駄洒落「スイマセン、煙草スイマス」。すると女性もスリムタイプの煙草に火をつける。この女性が煙草を吸うとは予想していなかったので、30分も私は我慢していたのだ。

煙草を2人で吸いながら、私はさりげなく資格試験は若いうちに挑戦なさると良いですよ、世界が広がるから・・・。と話す。反応あり。

架線事故で到着予定は大幅遅延の状況になった。女性はどうやら旧・原研(現在は、日本原子力研究開発機構)に勤めているらしい。原研・那珂といえば核融合実験設備のあるところで、中規模発電所1機分の給電設備のあるところだ。核融合実験設備JT-60の話題をだして・・・。と話を発展させる。JT-60は現在停止中であるとのこと。コイルシステムを超伝導化しているとのこと。金属超伝導線ですか・・・。そうです。チタン何とかと言う材料です。チタン・ニオブ線か、それなら断熱システムは液体窒素で1次断熱を行い、液体Heで冷却する大掛かりな改修作業となる。(本項、原研の公表情報の範囲であることを後に確認しました。)

長い時間が短く過ぎる。列車遅延も2hを超えた。お互い時間が気になり始める。私は日程の再組み立て、女性はすでに会議開始時間が迫っているらしい。

何がともあれ、最近では電車の隣席の方と、このような形で話し合うことは珍しい。3h近くの列車遅延であったが、長くはない時間であった。

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2007年1月 9日 (火)

泡盛古酒

_1028 某大学教授とアポが取れた。16:00ころ居室で会いましょう!

今回は、私の頼みごとなのでアポの時間の設定権は私には全くない。アポの時間からすると用件は手みぢかにして、オフは飲もうと言う設定だ。

私の方は、某協議会ハンドブックの章主査を引き受けたは良いが、この教授のアドバイスと人脈がないと執筆依頼者を絞れない。短時間のうちに執筆者の名前と特徴が伝達される。全体との関係があって、基礎編と応用編の整合性が必要なのだ。章をまとめるには意外に工夫がいる。

オフの時間、予想どうり場所を変えて飲むことになった。

場所は御徒町。琉球ダイニングのお店。

まず、ビールで乾杯。その後しばらく歓談。

私の方は、カタログを示して本日注文した波形発生器(FG)を5者択一形式で当てさせる。見事正解。教授は私の行動パターンと価値観を熟知しているので、個人で買える値段で基本機能がきちんとしている国産品を選んだのだ。

ビールのあとの飲みもは泡盛古酒(クースー)、5年ものだ。値段はそれなりにするがうまい。オンザロックでふつう飲むらしいが、アルコール分43度あるので、ともに水割りにする。

少し酔いが回ってきたところで、目的を話した上で私が秋葉原で調達した電子部品を披露。すぐにコメントが戻る。この電圧必要ないのではないか?(私の言い分は電圧不足だと設計が出来ない、高めに出る方が良いのだが・・・)

今度は教授の方から外見は完成した未動作の電子回路ユニットを見せていただく。学生が製作したもので、教授自身が不具合チェックを自宅でなさると言う。教授もある程度の測定器材を自宅に保有している模様。

後は、「いまどきのエンジニア・学生」論に花が咲く。楽しい1日であった。

教授のご好意に感謝して帰途につくアナログエンジニアであった。

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2007年1月 8日 (月)

精密安定化電源回路

写真は自作の精密安定化電源回路。型式名5513-6A。プロとしてのアナログエンジニアがこの冬休み自作していた自分のための実験用安定化電源回路である。

325jpg ←画像をクリックすると詳細写真が出ます。約110KB

6Aの意味は6chの出力をもつ、オペアンプ回路の精密試験用電源の第1号機である。

+15V系:+15V±0.1V固定、50mA出力、温度係数+80ppm/℃

-15V系:-15V±0.1V固定、50mA出力、温度係数+75ppm/℃

+5V系:+5V±0.05V、120mA出力、温度係数+38ppm/℃

基準電圧系

固定基準電圧系:+10V±0.05%、10mA出力、温度係数(推定)+5ppm/℃

+REF系および-REF系:0-10V可変、数mV設定可能。10回転ダイアル付き、+REF系と-REF系はトラッキングされており0.1%より良好。温度係数+5ppm/℃程度。

この電源装置1台あれば、10-20個の回路規模のオペアンプ回路およびデジタル・アナログ混在の精密なDC試験が可能である。

各系統毎の負荷安定度も確認した。ピーク出力はこの1.5倍くらいまでの電流容量がある。

内部回路規模はさほど大きくない。出力電流を控えめに設計したので、突起部を除いてW152、H80、D150、質量0.9kgと小型で、パネル面積は操作性制限による。

難入部品は3種類。いずれも米国製でDig-Keyその他のルートで入手できる。

内部のアース系統は半田付け作業の許す限り太い配線を使用している。多数の精密電源をバナナプラグで結線して実験しも良い結果は出ない。そのために自作した。高出力高精度の電源装置は意外に高価である。

この電源システムの材料費は2万円強である。一式揃えばその数10倍の出費が必要であると思う。

スライダックがないので、AC電圧変動試験はまだ実施していないが、設計状態から推測すると軽負荷なら±10%のAC100Vの変動には耐える見込みだ。

これで、トレーサブルな電圧標準を手にしたアナログエンジニアである。

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2007年1月 7日 (日)

シャーシ加工工具

写真は電子回路のシャーシやパネルに穴あけ加工を行うための手動工具である。

_1341 ←写真をクリックすると拡大画像になります。約170KB。

左上から、ハンドドリル、ハンドニブラー。

下段左から、テーパーリーマー、シャコ万力、ドリル4本、ポンチ、スパイラル小径ドリル。

これに、シャーシパンチプレスがあればよいのだが、最近はあまり見かけない。昔、私は持っていたが現在手に入るかどうか、錆びて捨ててしまったのが悔やまれる。

4本目のドリル刃はφ2、KOBELCO製、金色のコーティングのある多分高級なもの。このドリルが一番よく切れるが、日曜大工店ではまず手に入らない。運よく偶然に入手したもの。

道具が悪く、完成品のシャーシに加工するので、穴を開けるにはいくつかのステップが必要である。

① ポンチで穴あけ位置に窪みを作る。

② スパイラルを使ってφ1位でその窪みを大きくする。

③ 刃の状態のよいφ2の高級ドリル刃で貫通穴を開ける。

④ 段階を追って、順次穴を広げる。手持ちドリルのチズルと言う肝心な切り込み部の切れが悪いので先に貫通した穴を開けておく必要があるのだ。

⑤ テーパーリーマで穴を広げる。最大径は20mmであるが、その前の段階で穴がでこぼこになる。途中で半円ヤスリで修正しては穴を広げる。

個人で穴あけ作業をやるとなると大仕事なのだ。

真空管時代にはもっとおおきな穴を開ける必要があった。しかし、その時代にはシャーシパンチが存在した。今は手作業でこんな個人ものつくりをする人がどの位の%で存在するのだろうか。

手元にある道具で工夫しながら物を作る。なければ労を厭わずに工具を探して手に入れる。それがものつくりの原点のはずであるとアナログエンジニアは考える。

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2007年1月 6日 (土)

牛肉の志ぐれ煮

_1154 ←故郷から届いた牛肉の志ぐれ煮。

伊賀牛を志ぐれ煮にした逸品。

同じ三重県の牛肉であるが、有名な松阪牛と伊賀牛ではサシ(霜降り脂肪)の状態がかなり異なる感じである。

松阪肉はあくまでも柔らかく霜降りの度合いも高い。とろけるような食感が高級牛肉として、その名声を高めている。

一方、伊賀肉はもっとしっかりした食感で、歯ごたえがある。

身近なたとえで言えば、和牛と牧草主体で育った豪州産の肉ほどの違いがある。

伊賀牛の肉を志ぐれ煮にすると、甘く、そして十分な歯ざわりとなる。味付けは醤油+しょうが+砂糖など。

今回は、我が家の「さち」に私が今日食べる、食べてよい分量だけ小皿に小分けして貰う。

安くはない品だが、私一人だけの食事1回で一袋丸ごと食べてしまった実績があるためだ。5週間の賞味期限があるので、今度は、我が家の「さち」管理のもと大事に食べよう。

回路技術管理は、まあまあ出来ているが、まだ、自分の食生活管理が出来ていないアナログエンジニアである。

猫は・・・、数日分のキャットフードを与えてもまず食べ過ぎることはない。

犬は・・・、食べられるだけ食べてしまう。

猫派のつもりだが、戌年生まれの習性があるようだ。

あなたは猫派?それとも犬派?

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2007年1月 5日 (金)

洋弓の弦

写真は洋弓の弦です。画像をクリックすると拡大画像となります。

_1052 アーチェリーの弦に必要な性質は、強い、軽い、伸びないの3つである。

現在よく使われている弦の素材は、超高分子ポリエチレンが主流である。完成弦としては「ファーストフライト」など。

超高分子ポリエチレン弦は、破断強度が高く適度に伸び、比重が小さい。66インチ弓用で6-7gである。射った感触は適度にやわらかく、比較的破断しにくい。融点が低いので熱に弱いとされる。上級者だと気温による照準変化があるという人も居る。

アラミド繊維(ケブラー)は20数年前に、多く使われた弦の素材である。高強度であり、とにかく伸びない。比重が少し大きい。矢を射出する瞬間に弦は高速で動くので、矢の速度を上げるには伸びず、必要な太さにしたとき、単位長さあたりの軽い素材がよいのだ。伸びないので、原糸から自作するのは案外難しい。数本の原糸をループにして、1本の弦に束ねるのであるが、長さのばらつきをかなり小さくしないと局部的に原糸の負担荷重が大きくなる。

  この結果、矢を射出した直後にブチッと破断することがある。リムの上下方向の運動量は弦に衝撃荷重を与えるので、矢を射出し終えた瞬間には、弦の伸び×弾性率で決まる短い時間で、リムの運動エネルギーを吸収する。

ケブラー弦は、射出の瞬間の衝撃が大きく硬い感じとなる。また、切れやすい。

もっと古くはポリエステル弦(ダクロン)が使われていた。今はもう手に入らない。手に入れる必要もない。

矢の質量は20g前後で、弦の質量は10g近くあるので、弦の物性値がかなり矢の初速に影響を与える。

超高分子ポリエチレン弦は切れにくく、最も初速の出る弦である。

したがって、アーチャーのほとんどの方が現在では超高分子ポリエチレン弦を使用している。

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2007年1月 4日 (木)

麻婆豆腐

_1339 昨日は麻婆豆腐に挑戦。昼飯用。

下ごしらえ:豆腐は説明書きより、小さく1cm角に切って沸騰水2分湯通し。

この間に、しいたけとネギの粗微塵きりを作成、並行してでんぷんを水で溶く。熱した中華鍋に約15ccの油を入れひき肉を炒める。

途中で野菜を投入、四川風味の液体調味料を加えて強火で混ぜる。強火とは良くわからん。ガスコンロのひとつは大火力バーナーのもの。どちらの強かでかなり違う。とりあえず大火力の中で調理。

←写真は同じ会社の回鍋肉用の液体調味料。

中火(弱)に落として豆腐を加えて煮立て、火を消してでんぷん水を加えてとろみを出す。再加熱。でんぷん水の分量は我が家の「さち」のレシピにも取り扱い説明書にも明示されていない。様子を見ながら調整。

液体調味料を使ったので、結構いける。ただ、出来上がった分量は2人前の感じ。多い。

初めて麻婆豆腐を作ったアナログエンジニアである。

下手な中華食堂で食べるものより美味しく出来上がった。ただ分量が少し多い。おかず主体に食べる。それに作り置きされたされたおせち料理。野菜が足らないか。りんごを半分食べ、残りは食塩水につけておく。

今晩からは、夕飯を作らないで済む。やれやれ・・・・。

ふむ、ふむ。大匙1とは15ccらしい。これならアナログエンジニアは目分量で投入できる。この手は普段の昼飯作成に使える。鍋は使用した後すぐに湯を張っておく。これをやらないと後始末に時間が掛かる。所要時間20分。

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2007年1月 3日 (水)

アルコール検出器

_1329 まだ、お正月。昼間からお酒を飲む方も多いと思う。

←0.15mg/Lを越えると赤LEDが点灯する、呼気中アルコールテスタ。

赤LEDが点灯すると、酒気帯び運転になるレベル。

JAFの通信販売で購入。

実は、飲酒後8h経過しても自覚症状があり酒臭いと我が家の「さち」の厳しく注意された。その日はもちろん運転しなかった。

同じ程度の飲酒で6hでも自覚症状が出ないときもある。そこで安物のアルコールテスタを購入。

呼気アルコール濃度は、飲酒量、経過時間、体調、その人の体質によって大きく変化するみたい。私の場合は、ウィスキー300cc、6hで良い事もあれば、150cc、8h後でも気になる状態のこともある。

そこでこの測定器。定量測定をするには1桁高価な器材がいるが、これなら小遣いで買える。1回酒気帯び運転で引っかかれば、ゴールド免許はなくなり、めんどくさい事務処理と減点が伴う。それに比べれば、この器材は安価である。

起動時間は数秒、ヒータ加熱タイプのガス検知器のようだ。

このテスターで判ったことは、少しでも自覚症状があれば赤LEDが点灯し酒気帯び運転となるレベル、しかも、種々の条件で、必要な飲酒後の時間は極端に異なるらしい。

しばらく、自覚症状のレベルとテスターの判定状態を比較してみよう。最終的には自覚症状でアルコール呼気濃度の感覚を掴みたいアナログエンジニアである。

年末年始は酒を飲む機会が多い。少しでも自覚症状があれば運転を控えるべきだ。今は、このレベルで酒気帯び運転がチェックされるらしい。

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2007年1月 2日 (火)

事始 アーチェリー

_1327 今年の事始はアーチェリーから。

年末年始のアーチェリー場はお休みなので、自宅の屋内7mでインドア用20cmm的を使用。

的面はプロマット90cm角、複合弓用の2枚シート+畳3枚。新品の3つ目的使用。普段はこの距離では1個の的に2射以上することはない。

今日は事始なので、縁起の良い3射をすることにした。

幸先良く2本が10点に。3本目は矢を壊す恐れがあるので上の8点あたりを狙っての射。

本年の仕事もこのようにうまくいくことを願うアナログエンジニアである。

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2007年1月 1日 (月)

お正月

_1326 皆様、明けましておめでとうございます。

今年も、たくさんアクセスしていただけるように願っています。

本ブログ開始して9ヶ月、「人気blogランキング」の自然科学部門に参戦して8ヶ月ななりました。昨年、11/24日還暦の日には瞬間的ではありましたが、自然科学部門で、偶然1位になりました。

2007年元旦の夜、累計3万アクセスを超える予想です。

今年も技術・科学&アーチェリーネタを中心に毎日更新を目指したいと考えています。

ブログにアクセスしていただいている皆様にとって、今年も健康でよい年でありますよう祈念して、新年の挨拶とさせていただきます。

貴重な1票を今年もよろしくお願いします。【押す】

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