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2007年1月31日 (水)

温度差の計測

温度差を1/1000℃より、良い精度で精密に測定したことがある。

ピエゾ抵抗効果を用いたシリコン半導体ひずみゲージ抵抗の過渡温度特性を測定するためだ。

シリコン半導体基板に形成された抵抗ブリッジの平衡状態を観測することにより、複数のひずみゲージのチップ内温度差を計測したのだ。

不純物濃度に依存するが、抵抗体の温度係数は+0.2%/℃程度あり、ブリッジの不平衡電圧は1ppm程度まで測定できるので、ブリッジを構成する抵抗間の温度差を1/1000℃以下まで測定できるのだ。

かなり大きな温度変化を与え、しかもゲージはチップ内で10mm近く離れている条件での測定であったが、1/1000℃オーダーの温度揺らぎが指数関数的に収束していく模様が観測された。

温度差の測定方法は種々あるが、測定対象物の温度依存性を利用して差動法で測定するのが精度が出やすい。

温度測定で最も大きな誤差要因のひとつが、温度計と対象物の間の熱平衡の不完全さである。

測定対象自身の温度依存性を利用することにより、上記の問題は無くなる。

温度の絶対値の測定は案外難しいが、温度差の測定はかなり細かい分解能で測定できる。チップ内最接近なら、温度が急変しなければ、1/10000℃の熱平衡が取れる。

集積回路中の近接したトランジスタの温度差はきわめて小さいのである。

Img_0996 このような温度差が小さい状況は、個別部品と異なる回路設計手法を集積化アナログ回路に許容するのである。残念ながら今のところこの手法を集積回路で生かすチャンスはないアナログエンジニアである。

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コメント

嘗て、確か分子量測定装置だったと記憶しているが、サーミスターで温度差(揺らぎ)を1/10000degにコントロールできたという恒温槽を実現したと。
半信半疑で聞いていたが・・

1/10000℃の揺らぎなら、サイズが小さければ私は肯定的です。その代わりがちがちの有効容積に比べて外観が小さいシステムになると思います。確認計測は、はやはりサーミスタ?

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