シャーシ加工工具
写真は電子回路のシャーシやパネルに穴あけ加工を行うための手動工具である。
左上から、ハンドドリル、ハンドニブラー。
下段左から、テーパーリーマー、シャコ万力、ドリル4本、ポンチ、スパイラル小径ドリル。
これに、シャーシパンチプレスがあればよいのだが、最近はあまり見かけない。昔、私は持っていたが現在手に入るかどうか、錆びて捨ててしまったのが悔やまれる。
4本目のドリル刃はφ2、KOBELCO製、金色のコーティングのある多分高級なもの。このドリルが一番よく切れるが、日曜大工店ではまず手に入らない。運よく偶然に入手したもの。
道具が悪く、完成品のシャーシに加工するので、穴を開けるにはいくつかのステップが必要である。
① ポンチで穴あけ位置に窪みを作る。
② スパイラルを使ってφ1位でその窪みを大きくする。
③ 刃の状態のよいφ2の高級ドリル刃で貫通穴を開ける。
④ 段階を追って、順次穴を広げる。手持ちドリルのチズルと言う肝心な切り込み部の切れが悪いので先に貫通した穴を開けておく必要があるのだ。
⑤ テーパーリーマで穴を広げる。最大径は20mmであるが、その前の段階で穴がでこぼこになる。途中で半円ヤスリで修正しては穴を広げる。
個人で穴あけ作業をやるとなると大仕事なのだ。
真空管時代にはもっとおおきな穴を開ける必要があった。しかし、その時代にはシャーシパンチが存在した。今は手作業でこんな個人ものつくりをする人がどの位の%で存在するのだろうか。
手元にある道具で工夫しながら物を作る。なければ労を厭わずに工具を探して手に入れる。それがものつくりの原点のはずであるとアナログエンジニアは考える。
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コメント
この記事へのコメントは終了しました。
近ごろ電子工作をまったくやってないですが,昔はシャーシの穴明けなどもやりました.懐かしいです.
金色のドリル刃は知りませんでした.ありふれた黒染めのSKH9を使ってます.
投稿: 三ねんせい | 2007年1月 8日 (月) 00時36分
工具名はうろ覚えですがフリーサイズドリルという刃を電動ドリルに装着するとあたかも電動リーマーがあるかのように楽々と穴あけできますよ。
毎分300回転ぐらいの電動ドリルと少量の切削油が必要です。
この刃は円錐形の両側に小さな半円錐に似た窪みが2つあるだけの形状です。のっぺりしたリーマーのよう。
DIY店によくある木工用の同じ名前の商品とは形が異なります。昔、ラジオデパート奥の工具屋でこの金属切削用の刃を3000円ぐらいで買いました。
投稿: スピンオフ | 2008年1月 9日 (水) 15時23分