「あるある」捏造事件
←写真はシンビジューム系、品種名はスプリング・ディープインパクト。
関西TV制作の「あるある・・・」データ捏造事件だ。複数件の捏造があるらしい。
バラエティ番組の底の浅さと制作姿勢の間違いを暴露した深いインパクト(ディープインパクト)を持つ筈である。
理系人間なら許せない、ふつうやらない感覚で都合の良い結果を、多数の聴取者に見せたところに大きな問題がある。
報道されている実験方法は科学的なサンプリング手法によらず、しかも都合の悪いデータ、発言は隠し、その他の小細工もやっているとの報道もある。
この手の実験が常にはうまくいくとは限らない。それを都合よく改変、あるいは存在しないデータまで捏造しているらしい。
関西TVはまだ明確な謝罪報道を全面的に行っていない模様だ。対応が遅い。
各新聞、各TV局の報道も論評は控えめである。
これが製造業なら、自社の破滅への道に繋がる事件のはずだ。TV局が得た情報を過不足なく正確な表現で伝えることがマスメディアの責任である。それを放棄した罪は極めて重い。自分達が製造業などに要求したことを、自分自身が実践できていない。
理系の世界では例の歯切れの良い断定はふつう出来ない。いつも条件付の話となる。
関西TVの上層部は何をしていたのか?一瞬でも放映された番組を見て、論理検証が甘いことを認識しなかったとすれば、その上層部はマスメディアとしての責を全うする力量はないと考える。
この状況は、刺激を求める視聴者にも問題があるが、企業としてのマスメディアの姿勢にも問題を感じる。放映内容に関して自己責任感が希薄である。他人の非はセンセーショナルに取り上げるが、自分の非については対応が甘い。
他のTV局でも程度の差はあれ、同様のことが生じている感じである。視聴率至上主義の下に、検証のないどころかデータ捏造・研究者の発言を改変して報道したことの責任を本当に感じているのか?
本来なら、報道された番組の時間の3倍くらいの時間を割いて、すぐさま間違い報道のお詫びと検証をするべき問題である。
視聴率のためなら何でもやると言うのであれば、マスメディアの報道内容は公正取引では無いように思う。ガセネタで受け手を惑わしたのは、アナログエンジニアにとって詐欺に近いと感じる。
TVはあんなものという感覚で見ていない人も数多く入るはずである。
別の意味で問題を抱えている公共放送も現に存在する。視聴料を払ってでもみてくれる精度の高い番組を作っている自信はあるのか。最近は本末転倒の議論がなされているように私は感じる。強制徴収は、聴取しない自由があってこそ成立するはずだ。これもひとつの論点である。
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