基本回路設計者への道
基本回路設計者に、必要なのは現実と計算/設計式の整合性に対する素朴な疑問である。
私の場合には、エミッタ結合2石シュミットトリガ回路から始まっている。設計条件を欲張ると、著名な教授の設計式と実際との乖離が大きくなる。40年前のことである。下宿で1chの可変安定化電源を作り、それを用いて様々な設計条件と現実との比較を行った。
結果は、教授の提示した単純化した設計式とは異なっていた・・・・。
基本的な回路ほど、いまさらながら詳細解析/実証を行う人は少ない。設計式がどの範囲で有効化系統的に調べる人はもっと少ない。
しかし、その過程で検討した結果、もっと解析/設計しやすい回路構成もありえるのだ。そこに気づいたとき、その回路設計者は独自の道を歩き始める。
年齢・経験は関係ない。あるのは解析速度の差だけであるとアナログエンジニアは感じている。
ベテランと新進気鋭の方との違いは、おもに探索戦略の相違にあると思う。ベテランは探索範囲を早期に絞り込む傾向がある。しかし、新進気鋭の方はもっと探索範囲が広い。
考える元になる基本解析手段は類似したものかもしれないが、時間が多少余分にかかっても考える要素・探索範囲が広い分発展性のチャンスは大きい。
チャレンジなくして新しい回路構成は生まれ得ない。特にアナログ電子回路においては、基本的な問題と実装による性能差が激しい。
しかし、優秀なアナログ回路の構成は20年以上の基本設計寿命を保つ。ハイリスク・ハイリターンの世界がアナログ回路技術の1側面であると考える。
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コメント
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・撮影された鳥は、ジョウビタキです。
今頃の季節に、山から下りてきています。
投稿: 星野 和夫 | 2008年1月25日 (金) 15時23分
星野さま ご教授ありがとうございます。
フェンスに止まっていた雀くらいの腹が橙色の鳥がそうでしょうか。今の季節,いろんな冬鳥が庭に来ているようです。
投稿: 5513 | 2008年1月25日 (金) 16時56分