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著作

  • 共著:「次世代センサハンドブック」培風館(2008)、「マイクロセンサ工学」技術評論社(2009.8)
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    私への講演、セミナー、技術指導などのご依頼はこちらまで↓ okayamaproあっとまーくyahoo.co.jp  あっとまーくは半角の@にしてください
  • 単独著
    アナログ電子回路設計入門 (1994.12)、コロナ社: 実践アナログ回路設計・解析入門 (2005.1)、日刊工業: オペアンプ基礎回路再入門 (2005.7)、日刊工業: ダイオード・トランジスタ回路入門 (2005.12)、日刊工業: スイッチングコンバータ回路入門 (2006.9)、日刊工業: これならわかるアナログ電子回路基礎技術 (2007.6)

専門とする事項

  • 電源を含む精密アナログ電子回路の設計・開発、およびその教育、技術指導。センサ・アクチュエータシステムの構築。電子機器の不良解析指導および再発防止指導。解析主導型設計の推進と回路シミュレータの実践的活用指導。技術的側面からのプロジェクト管理指導。

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2007年4月

2007年4月27日 (金)

添削の一つの方法

3d 添削は添削者と被添削者の勝負である。

技術文書の添削をおもに行う私の方法は、通常パターンがある。厳しいやり方である。給料を貰って仕事をする「プロ」が相手であるから、学生対象の添削とは異なるのが当たり前だ。

第1段階:美辞麗句、不要な形容詞、副詞句を削除する。

第2段階:数値は定量化可能であるか否か通読して全文をチェックする。

第3段階:論理的思考の流れに沿っているか、論理の飛躍のチェックを行う。

第4段階:添削の実行、ただし全文の1/2程度しか実施しない。

これを行うと、技術文書の前半と後半の調子が異なってくる。そこで被添削者に考えていただくのが、アナログエンジニア流の「プロ」に対する添削方法である。

厳しい本質的な添削手段である。

てにをは、引用の形式、送り仮名、タームの長音の使い方などは2の次である。

開発計画案の中には、この方法で添削するとほとんど何も残らない案も現実に存在する。私は、ある場所で自分では書くことが出来ないその文章を添削し、問題点を指摘した。

その開発計画は実行に移された途端、予想内の基本的な問題で頓挫した。

その事態を事前に察知して、警鐘を鳴らすことがアナログエンジニアの経営者層に対するプレゼンテーションのひとつである。

無理無駄ムラはやらない。いや、そんな仕事のやり方に、やる意欲も起きなければ、やる価値も見出さないアナログエンジニアである。

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2007年4月26日 (木)

小型抵抗

_1646 小型のチップ抵抗の許容消費電力は、1/32Wから1/50W程度の物が多い。

消費電力Pと抵抗Rと電圧の関係はP=V^2/Rだから、5Vの回路で、フルパワーで使える抵抗は下限800Ωから2.5kΩとなる。

抵抗器は表面温度がかなり高くなるので、電力低減もさらに必要になる。

小型抵抗を使いこなすには、回路電圧を下げ数kΩ以上の回路定数とする必要がある。しかも温度上昇はチップサイズに依存して、定格電力でも温度上昇がかなり異なる。

抵抗体にかかる最大電圧と許容温度上昇をきちんと計算して設計しないと、不慮の動作条件でオーバーヒートを招く。

簡単な抵抗の消費電力計算をきちんと計算しない、若い回路エンジニアも増えていると言う。

オンオフサイクル数が大きく、チップの温度上昇が大きければ、半田付け部の熱疲労損傷もありえる。

たかが高校物理で習うP=V^2/Rであるが、実設計で指導されなくともこれを計算する新人は少ない。

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2007年4月25日 (水)

オペアンプの極性

Photo_58 オペアンプは2つの入力、非反転入力端子(+)と反転入力端子(-)を持っている。

図の(A)と(B)はどちらも動作する回路であるが、その違いをすぐに把握できるでしょうか。

(A)は反転増幅器で、利得が-R2/R1のリニアアンプになります。

(B)は非反転ヒステリシスコンパレータです。

オペアンプの+、-の入力端子の極性を間違うと、全く異なる動作をする場合があります。

(A)はR2経由で負帰還がかかり、線形増幅器となります。(B)はR2経由で正帰還がかかるので、その出力はH、Lのいずれかが安定点です。

先週は体調不良のなか、初校ゲラのオペアンプの極性間違い探しに邁進しました。

オペアンプの極性間違いは、初心者を惑わす重大な間違いです。プロにとっては、この2つの回路が使われるシステム上の場所が異なるので、修正できます。

初校の校正がどの程度正確にできたかな。ちょっと心配なアナログエンジニアです。

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2007年4月24日 (火)

キツツキが庭に

昨日の午後、窓から庭を見やると、小鳥が幹に止まっている。普通の鳥は枝に止まる。

ライラックの幹を下から上に移動して、別の幹の下に止まり上にに移動する。途中コツコツと木をつついている。

大きさは雀くらい。体には太目の黒白の横縞がある。

チョコマカと移動するので写真には撮れない。体の模様と行動様式からキツツキの仲間と考えて、インターネット検索。あった。「コゲラ」

最近、色々な鳥を見かけている。昼間の自由時間が増えたためか、庭の訪問客が実際に増えているのか。多くの野鳥は名前も知らないが、様々な鳥が来ている。

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2007年4月23日 (月)

接続と非接続

2_1628 電子回路では、接続と非接続の区別が重要である。

線が十文字に交差した部分に黒丸があれば、その点で4つの直線(銅線)が接続されている。

線が十文字に交差した部分が線だけであれば、2つの直線(銅線)は単に線が交差しているだけで、電気的接続は無い。

このような表記方法を取る理由は、電子回路では結線状態が複雑なので、黒丸の有無で接続を区別している。

Tの字の交差点で黒丸が無かったらどうか。3つの銅線が接続されていると考えるのがふつうだが、一般にはこの部分にも黒丸ではっきり接続を表示する。

回路図の校正では黒丸の有無に神経を尖らす。黒丸の有無で動く回路と動かない回路になってしまう。

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2007年4月14日 (土)

初校正

初校正のゲラが届いた。いつものように土日が2回ある期限設定だ。

単独著なので、この間に数回自分の原稿と照合する。一人作業だ。

図表と式は、とくに要注意である。原稿データーは電子データーも添えてあるが、図と数式はトレースされているので、間違いの確率が高くなる。

符号の添え字も要注意である。最近は添え字の付け方を工夫しているので比較的楽になったが、添え字にオ-などを使うと大変である。ゼロ(0)と英大の(O)、英小の(o)そして、その立体と斜体の6種が存在する。エス(S)はまだましだが、これもゲラの段階ではかなり見難い。

初校正は、行の増減を伴う最後の機会なので、まず全体を通読し、2重打ち、文や式の過不足を確かめる。

図表はトレースされるので、様々な間違いパターンが存在する。

今回のゲラの仕上がりは比較的よさそうなので、気分的にはかなりらくである。

式の変形過程もあまり省略しなかったので、少しは点検が楽か。

ゲラが到着した昨日は、風邪気味で体調が悪かった。さあ、きょうから頑張るぞ。

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2007年4月12日 (木)

緑の油絵絵の具

_1642 ←アケビの花、雄花と雌花がある

緑色には様々な色合いがある。

油絵の具の顔料には様々な物質が使われ、固有名詞で呼ばれている。

10年ぶりで、絵の具箱を開いてみた。

絵の具のほとんどは健在であった。

緑色は植物の葉を表現するには欠かせない。手持ちの緑色は・・・・

プルシャングリーン、テールベルト、サップグリーン、オキサイド オブ クロミウム、コバルトグリーン ライト、コバルトグリーンペール、パーマネントグリーン ライト、ビリジャン、コバルトターコイズ、

メーカーに依存してその色合いは微妙に異なる。

名高いエメラルドグリーンは現在持っていない。混色制限があるのはともかく、この色が使える風景を私は見たことが無いのだ。

エメラルドグリーン:よく使われる色の表現だが、この顔料の色を本当に確認して言葉を使っているのだろうか。

言葉と概念は必ずしも一致して使われるとは限らない。アナログエンジニアは、自分の使う言葉とその言葉に誘起される感性との一致を大切にしたいと思う。

たかが緑色、しかしそこにはRGBで表現できない世界がある。

自営業になって、半年、時間の融通がつくようになったので、10数年ぶりで絵筆を握ってみたい気がする。

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2007年4月11日 (水)

2007年問題

戦後の出生のピークに生まれた方々が定年退職を迎える年である。

同時に、その方々の就職後に起こった不況の影響も見え隠れする。

2007年問題が囁かれてから久しい。

2007年問題は質と量の問題であると同時に、技術/技能の伝承の価値評価の問題でもある。

団塊世代は様々な場面を潜り抜けてきた方が多いので、それなりのポリシーをもっている方が多い。私なりの視点からは、自己防衛のために自分の技術・技能を積極的に伝えようとしなかった世代でもあると考えている。

その後に生じた少子化=叱られ方を知らない若者達への対処に問題があったことも否めないだろう。

2007年問題は予測可能な出来事である。そして、大卒のスキルの大きな乖離も周知の事実である。

2007年問題は、教育とは、技術の伝承とは何かを深く問いかける。

瞬間、瞬間の結果だけの評価だけではなく、膨大な労力と教育を必要とする学び伝える姿勢に対する評価が現在の日本ではあまりにも低い。

学ぶ側の問題もある。基礎力に不足する人材にどのようにして企業内で教育するのか。少子化により甘えて育った若者達にいかにして自立性を持たせるか。深刻な問題である。

2007年前後に退職する活力を失っていない方々に、シルバー人材としてではなく、現役のエンジニアとして処遇する戦略なくして日本企業の存続も危ういと考えるアナログエンジニアである。

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2007年4月10日 (火)

大学全入時代

少子化に伴い、高校卒業生の数が全大学の定員とほぼ同じとなった。学部、大学名に拘らなければ、高校生は必ず大学に入れる時代ととなった。

大学の方も、応募者を確保するために様々な手段を講じてきた。

センター入試のみ、推薦、特別枠そして一番大きなインパクトは必須受験科目の緩和である。

この結果、こなさなければならないが受験生にとって負担の重い科目が高校で真面目に履修されることが少なくなった。理系科目ではその筆頭が「物理」、文系科目では「世界史」であるようだ。

物理は工学の最も基礎になる科目であるとアナログエンジニアは考えている。私は高校物理に高校化学の3倍の時間を投入した。内容のある科目である。同時に大学で専門教科書を読み解く上で必須の知識であった。

今は工学系国立大学でも物理を必修としない大学は数多くある。電気/電子あるいは機械工学を学ぶ基礎を取得していない学生が入学しているのだ。高校物理での最難関は電磁気である。高校物理を習得していないからその補填が当然必要である。ある国立大学では、常に2学年分の電磁気学の受講生がいるという。しかも、大学の休み期間に集中補講まで行っている。これでは先端技術の理解まで届かない。

一方、文系科目で重たい科目は「世界史」である。私の感覚では「日本史」の数倍の分量がある。紀元前から常に数カ国が地理的文化的条件が絡みあい、現在の世界情勢が生み出されてきた。その感覚なくして、現在の世界状況の一端を垣間見ることはかなり困難である。

現在の工学系大卒のレベルの差は激しい。

オームの法則を理解していない電気/電子系の大卒も多く存在する。文字式のままキルヒホッフの法則を用いて電子回路の入出力特性を計算できるエンジニアは10%をはるかに下回るというのが私の実感である。

ゆとりの教育は見直されつつあるが、必要な時期に必要な訓練を行うことが必要ではないだろうか。甘い入試をするならば、大学の出力である卒業生の品質保証もしてもらいたいものだ。

日本の後には、韓国、中国、インドなど学ぶ意欲に燃えた国々が控えている。そのなかで日本の科学技術教育がどうあるべきか広い局面で考え直す時期に来ていると思う。

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2007年4月 9日 (月)

圧電セラミクス

圧電セラミクスに関する本はあまり多くないようだ。

私の一番頼りにする本はこれ。

_1112 ニューケラス⑥「圧電セラミクスの応用」、学献社、¥3400+税

圧電素子は、電圧を印荷すると材料が伸び縮みするする物理現象を用いたアクチュエーターである。

古くはクリスタルイアフォンに用いられたロッシェル塩がある。

今は、アナログ回路エンジニアの立場からは積層形圧電素子が使いやすい。PZTと呼称されることも多いが、その成分はメーカー毎に異なるらしい。

積層圧電素子は、回路屋から見るとかなり大きいコンデンサ負荷に見える。電圧も回路上の困難を伴うほど高い電圧でなくとも駆動できる。

積層圧電素子は超精密位置決めなどの用途には、便利な素子である。しかし、材料の関係から圧縮応力を生じる方向の電圧をかけるのが一般的で、しかも、実用的には、圧電素子全長の0.1-0.15%程度の変位で使う必要がある。

微小位置決めでは、圧電素子のヒステリシス(電圧-変位 特性が過去の履歴の影響をうける)を考慮する必要があるが、ヒステリシスは変位が小さくなれば、急激に減少するので制御上の不安定性をもたらさないと私は考えます。

その他、圧電材料の異方性に起因する様々な現象もある。

アナログエンジニアはそれらの特性を考慮して、回路設計を行う。

材料工学・機械工学・電子回路工学の複合技術が圧電素子による精密位置決めシステムと考える。

原子サイズでの凹凸を検出するAFM(原子間力顕微鏡)の位置決めアクチュエーターにも圧電素子が使われているはずだ。

異分野工学の協調はとても大切と考える。実用のためにはそれぞれの立場で出来ること、出来ないことを明らかにしながら、知恵を結集してシステムバランスをとる必要があると思う。

それでなくとも、硬ネタのこのブログ、今日は読みにくいエントリーになってしまった。ご容赦ください。

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2007年4月 8日 (日)

桜花

_1641 ←満開近くの染井吉野

あと数日で、桜吹雪となって散るはずである。

私は1946年、敗戦の翌年に生まれた人間である。敗戦の直前に様々な特攻兵器が考案された。

「桜花」:人間誘導ミサイル、ロケット推進。母機からの高高度滑空により敵艦体当たりを目標とする。

空中発進、加速は数度しか行えない。

数年前、「桜花」の存在を知った。

当時は、すでにレーダー探知技術はあったので、高高度で飛行する母機は容易に捕捉される筈である。

散ることを覚悟した若者、その役割は現在ならセンサとそこそこの性能のマイコンで代替できる。滑空主体で敵艦に接近する手法なので、実効射程は30-40kmしかない。母機の高高度飛行はレーダー探知を容易にする。母機の目標への接近すら困難である。

「桜花」も母機も乗員は生きて帰れぬ特攻兵器である。自分がその乗員に指名されたとすれば、私は黙って「桜花」の搭乗員となるであろう。個人には他に選択肢が無い時代であった。

このような無意味で、人間の尊厳を考えない戦略がまかり通った時代が私の生まれる少し前に存在したのだ。現代においても程度の差はあれ、同じような決断をする傾向のあるリーダーは存在する。

幸いにも一応平和な現代においては、このような選択をせざるを得ない環境は存在しない。機会均等、結果は本人次第の時代になりつつある。

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2007年4月 6日 (金)

モアレ縞

2_3 ←2枚の等間隔のストライプを微小角違えて作成したモアレ縞。目を離してみると、元の縞と直角方向におおきなピッチの縞が見えます。

この場合、ストライプを上下方向に動かすと、おおきな縞は左右方向に動きます。

モアレ縞は濃淡ピッチの拡大機構になっています。

このアライメントで、ストライプ模様が正確であれば、上下方向の変位を拡大することが出来ます。

しかも、大局的に見た濃淡は正弦波状ですから、2個の光センサで移動方向を判別することができます。さらに、位相分割により縞の数分の1まで検出できます。

この方法で、例えば4μmの縞を使って、0.5μmを検出できます。

3次元的に考えると、同じピッチ、同じ傾きでも2枚が離れていると、その奥行きに依存してモアレ縞が出来ます。うまく使うと視線方向の微小変位の検出に利用できます。

モアレ縞は、ふだん見かけることの多い現象で、例えば2枚の網戸が重なった部分を眺めると、縞模様が見えます。

カラーテレビでは、縞模様の服がぎらぎらと虹色に見えることがあるのも1種のモアレでしょう。

モアレ縞は周期構造をもつ2つのパターンのビートです。

様々な場面で観察する機会があると思います。

しかし、縞のパターンは、2枚の周期構造の正確さに依存して様々に変化します。モアレパターンを見せるだけではなく、その数理的な発生原理を知らないと、「ふーん」で終わる単なるデモンストレーションになるでしょう。

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2007年4月 5日 (木)

半導体データーブック

_1619 インターネットが普及していなかったときは、回路設計に必要な半導体の特性を分厚いデーターブックを見ながら設計していた。買えば1冊数1000¥するものや、非売品もあった記憶も残っている。

今は、会社名か型式番号がわかれば、インターネット経由で簡単にデーターシートが手に入る。

インターネット以前と異なることは、データーブックの始めに記載されている用語や試験方法、信頼度データ(解説編や概要)が表面に出ていない点にある。インターネット経由でも、概要や解説編に相当する部分をダウンロードできる場合は結構あるが、若い設計者は案外見ていない。

半導体データーブックの用語がわからないとすれば、半導体デバイスの選択が出来ない。

そして、記載されている数値の意味すなわちそのパラメータが影響する回路性能との関連がわからなければ、その項目に対応するシミュレータの値を変更しその効果を調べことはできない。

多くの基本回路は、例えばnpnシリコントランジスタでありさえすれば動くことが多い。しかし、回路定数の最適化は別次元の世界である。

アナログ回路には綺麗な回路と、汚い回路がある。

汚い回路とは、回路性能を落とす部品が付いていてその悪影響を別の部品で補正している回路や、必然性のない定数選択がなされている回路である。

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2007年4月 4日 (水)

美辞麗句

技術文章あるいは開発計画書・企画書に美辞麗句は必要がないと考えるアナログエンジニアである。

実体が存在するか、論理的に一貫しているか、そしてビジョンがあるかで判断する。

美辞麗句の影には偽りがあることが多い。響きのよい言葉の羅列で経営者の関心を買う手法だ。

この手の開発計画を複数回、私の手で葬ったことがある。実態がないのだ。なにをどのようにしようとしているのかが見えない。美辞麗句の羅列で一見聞こえは良いが、具体的実現手段とビジョンがないのだ。

誇大表現。これも私が嫌う表現である。開発のどのフェーズに今あるのか?それを明らかにしないものも要注意である。原理は確認されたのか。使用する材料は目的に適っているのか。定量的に検討されているか?

開発段階で誇大表現された技術の多くは、哀れな末路と悲惨なデスマーチをもたらす。

経営判断は技術的前提の成立をその前提として成り立つ。もちろん経営者は複数の持ち駒があるからその総てが思惑どうりにならなくても良いが、エンジニアにとっては総てを賭けた戦いとなる。その背後には、多数のサポート部隊もいる。

経営者の好みにより辛い、甘いが生じることもある。そのバランスをとることもアナログエンジニアの役割と心得る。

工学とは実現することを夢見る世界である。実現しなければ自分は何もしなかったとのト同じ。あればいいなと願うことは易し。それを具体的手順と実践で目に見える形にするのがエンジニアである。

評論家は要らない。自分が総ての結果責任を負うのがプロのエンジニアの美学である。

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2007年4月 3日 (火)

サーチコイル

3_1618 ←庭に咲いた3輪の水仙

サーチコイル:交流磁界を測定する原理に忠実な測定手段である。

空芯ソレノイドコイルの磁場は全長と同程度に周方向に広がっている。この磁界の分布を実測するには、ソレノイドを励磁した状態で、直径の異なる検出用コイルを用いて、起電力を測定すればよい。

時間的に変化する磁束が鎖交すれば起電力が出る。

サーチコイルの直径を徐々に広げて測定すれば、空芯ソレノイドコイルの磁束が広がっていることが良くわかる。

コイルを取り巻いて近傍に導体があれば、その導体に誘導電流が流れその磁界により、サーチコイルの出力は減少する。

電波を扱う回路では、良く知られた現象である。しかし、一般の電子回路設計者はこの感覚がほとんど無い。

空芯トランスは、広い範囲に磁束を伸ばすので、周囲の導体配置の影響を強く受ける。

多くの方がコイルの起電力がE=nSdB/dt、磁束密度の時間変化×面積×巻き数であることは知っているが、磁束の広がりに関する実感覚を持っていない。

今の大学の電磁気学実験で、理論と実際に磁束分布を測定するような学生実験が行われているのだろうか。

このような体験なしに、応用力のある電磁気学を学ぶことは難しいのではないか。

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2007年4月 2日 (月)

アナログ記録計

_1625 原子力発電所で運転記録チャートの改竄が報じられている。

それらの発電所の運用開始時期の多くはは1970年代である。

当時の記録計はペン書きサーボ式の記録計かマルチチャネルの打点記録計が主流である。アナログ記録計で実波形を実入力なしに記録紙上で再現しようとするとどうなるか。

例えば熱処理炉の制御記録を手動で再現するとすれば、ペンの動きの大きな部分では記録紙には変化部分でインクの滲み具合が異なる記録が残る。熱処理炉の時定数は基本的には1次遅れ特性であるが、炉の特性に応じて完全な1次遅れ特性とならない。炉がオン-オフ制御であれば、その特徴である振動波形が出る。単純制御理論では弛緩発振波形が出るが、実際にはプラントの保温状態を反映して、その周期は微妙に変化する。

アナログ記録であるから、よく見ればペンの太さ程度の幅で不規則に動く。一部を切り取った時間記録なら信憑性が無いので、記録の初めと終わりに段差はふつう無い。ペンの筆圧でも記録紙での線幅は微妙に異なる。

これらの要素を総て織り込んで、一発で欠落したデータを複数のプロのエンジニアの審美眼に耐えるチャートを作成できる能力はアナログエンジニアにはない。

定常運転の簡単なプラントでは、記録紙上のチャートは一見直線上に見えるが、最初と最後のペンの位置は微妙に異なり、定規で直線を引くわけには行かない。

記録紙に残されたペンの軌跡、それが恣意的に作成されたものであれば、ふつうはその作成者の技術能力と指先の繊細さが残る。

たかが、旧式のアナログ記録計であるが、アナログ記録計であるが故に、人工の信号の記録と現実の記録とは違いが生じる。

チャートの補記は、それなりのエンジニアが関与して知恵を絞っても、それをチェックするエンジニアの技量が高ければその痕跡を見破れるであろう。作成したチャートの出来映えに応じて関与したエンジニアのレベルがわかる。組織的な度合いもわかる。

この辺りの具体的エピソードが報道されることはまず無いが、見る人が見ればかなりのレベルで真贋判定ができるのではないか。

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2007年4月 1日 (日)

蛍光灯

_1633 我が家の居間の照明は5灯と3灯切り替え式のサークラインである。

光り方は5灯ともそれぞれ異なる。

サークラインの寿命が尽きた時点で、その都度購入して交換しているので、メーカー・品種・累積使用時間が異なる。この結果、5灯とも色合い・輝度が全部違ってくる。

蛍光灯は時間とともに明るさが低下する。蛍光体の種類により初めから色合いが異なる。同じ昼光色でもメーカーによりかなり色合いが異なる。そんな訳で、我が家の居間の蛍光灯はいつも色違いのままである。

蛍光灯の寿命、何とかもっと長くならないのか。かなり昔に比べては2倍くらい長寿命になっているような気がするが・・・。

液晶ディスプレーのバックライトは冷陰極蛍光灯が多く長寿命だが、最近はまめに自動消灯して節電するタイプ(ディスプレー本体の寿命より照明の寿命が短いのを補う意味もありそう)が多い。

液晶ディスプレーの照明は裏側ではなく、サイドから照明し、導光板で巧みに画面全体をほぼ均等に照明しているものが多い。蛍光管側では少なく光が漏れ、反対側で大きく光が漏れる工夫がしてある。この導光板にも様々な特許があるもだろう。

家庭用照明器具で、寿命の長い冷陰極蛍光管の物は私は知らない。何が障害になっているのだろうか。

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