抵抗器の選択
回路設計を行って抵抗定数が決まると、次は抵抗の品種を選択することになる。
抵抗が10Ω~1MΩ程度であれば、金属皮膜抵抗、炭素皮膜抵抗、メタルグレーズ抵抗などいくつかの種類がある。精密な用途では、温度係数や経年変化が問題になるので、ふつう金属皮膜抵抗を使う。抵抗の温度係数は炭素皮膜抵抗で±150~300ppm/℃あるので、環境温度の変化や自己加熱〔消費電力)で抵抗の値が1%程度変化することがある。必要に応じて、温度係数の小さい品種を選び、サイズの大きな抵抗を選ぶことで温度による抵抗変化を低減する。
ひずみゲージなどのブリッジ回路では、基準抵抗の安定性が数ppmないとドリフトの原因になることもあるので、必要に応じ金属箔抵抗(温度係数が非常に小さい)を用いる。
抵抗の品種を決定したら、許容消費電力を選ぶ。作業しやすいのは1/4Wクラスのものだが、抵抗=ヒーターなので、許容電力を加えると100℃以上になりかなり高温になる。このためにも実消費電力/許容電力を場所があれば小さく設計する。大きなサイズの抵抗を用いると若干高周波特性が犠牲になるが、低周波、DCではドリフトが少なくなる。
次に抵抗に必要な精度を選ぶ。J級(5%)にするかF級(1%)にするか、それとももっと高精度抵抗を選ぶかは、回路による。ただし、F級にしても、望む抵抗が1%ピッチで手に入るとは限らない。1桁を96種類の数値でカバーする系列はE96系列であるが、ほとんどの部品屋さんには置いていない。
ふつうは1桁を12種類(E12系列):10 12 15 18 22 27 33 39 47 56 68 82 ×10のn乗Ωとなっているものは間単に入手できる。E12系列が普及しているので、電子回路では切りの悪い数値が多く出てくるのだ。
なお、E12系列では±10%ピッチで抵抗の絶対値を選択できる。
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