ピコアンペア
電子回路ではpA〔ピコアンペア)は小さい電流の尺度である。1Vで10^12Ω(1TΩ)で1pAが流れる。
このレベルの電流を測定するには、外部からのノイズを十分遮蔽する必要がある。
高インピーダンス回路となるので、静電誘導と電磁誘導に対するシールド技術が実装上のポイントとなる。
高速回路での微小電流測定は厳しい。サンプリング時間が1μsであれば、1pAの電流による電荷は10^-18Cである。電子電荷e=1.6×10^-19Cであるから、着目する時間内に数個の電子しか移動しない。フォトンカウンティングの領域である。
統計ノイズは√nに比例するので、受光素子ならノイズを半減させるには、信号のS/Nを2倍向上させるには受光部の面積を4倍にしなければならない。
このため、小さい信号を扱う高感度センサ類は、扱う量が小さいほど大型のセンシング部分を必要とする。
受動センシングの一側面は、入射する信号量にそのサイズが深くかかわっているのである。
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コメント
この記事へのコメントは終了しました。
質問です,すみません.アンペアですかクーロンですか?どうもよくわからないのですが.
投稿: 三ねんせい | 2007年5月 7日 (月) 23時00分
ご指摘ありがとうございました。本文中2箇所にクーロンであるべきところをアンペアとしていました。
本文を訂正しました。今後ともよろしく。
投稿: 5513 | 2007年5月 8日 (火) 06時44分
ありがとう存じます.納得できました.電子数個分を測定するとはたいへんなことと恐れ入ってしまいます.
投稿: 三ねんせい | 2007年5月 9日 (水) 00時51分
pAとμsの組み合わせ領域は、フォトンカウンティングの領域にに近い世界でしょう。
投稿: 5513 | 2007年5月 9日 (水) 03時45分