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2007年6月20日 (水)

仮想短絡 2

オペアンプの仮想短絡の概念は、オペアンプ回路の機能を効率よく理解するための概念である。

前にも書いたが、仮想短絡はオペアンプにオフセットが無視でき、十分な負帰還が安定にかかっているときにのみ成立する。

成立しないときにはどうなるか?

オペアンプ回路を仮想短絡の一本やりで解くのが高級アマチュア、それ以外の仮定の成立しない条件でも実用回路に仕立て上げるのがプロ。

仮想短絡が成立しない場合にはいくつかのケースがある。

オフセット電圧やバイアス電流が信号と相対的に大きい場合には、DC的に考えて答えが出る。

汎用オペアンプの利得帯域幅積は約1MHzなので、利得100で使用して10kHzで利得帯域積は1MHzとなる。このような条件では汎用オペアンプにとっては高周波であり、有限利得の影響がかなりである。1mVの正弦波を入力すると数100μVの電圧が±入力端子間に現れる。これがひとつの制約である。

汎用オペアンプは、実利得1でも安定性を保つようにふつう一次遅れ特性を持たせているが、内部回路の関係で大振幅出力の時には、電圧の時間変化率:スリューレートに限界がある。フルスイングするなら10KHz程度から振幅が減少する。このようなときには、オペアンプの±入力端子間には三角波が現れる。オペアンプの仮想短絡の概念はあくまでも無限大利得で負帰還制御が安定にかかっている場合のみ成立する。

オペアンプの選択をするひとつの要因として、仮想短絡が成立しない場合の検討が必要になる。

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