6冊目の回路教本
5冊目を書いたときは、本を書くのは、書けるのはこれで終わりかな と思った。
しかし、退職後すぐに6冊目の準備に取り掛かった。使用機材は自宅のオシロスコープ、デジタルマルチメータ、テスタとファンクションジェネレータで、総てロースペックの物ばかりである。
全15章、前半の4章はR,C,Lとオシロ、テスタの使い方、最終章は回路シミュレータとし、残る10章は1回路1章形式とした。
基本的回路(トランジスタ1-3個、あるいはOPアンプ1-2個)を部品選定、定数設計、試作、設計値を自分流の手順の流れとおり記述した。それぞれの章の回路は、異なる課題を含んでいる。
なぜ、このような体裁にしたか。基本的回路を熟知していないと大規模アナログ回路は作れない。そして部品の種類と定数を決定する過程を見せた書物がほとんど無いからである。それで1回路1章。それぞれの回路で扱う課題は、1章1テーマで各章ごとに異なっている。実際に自分で試作実験しながら記述した。
会社を離れた今、基本的な回路なら設計過程を詳細に公表しても問題は無い。前提とする知識は、オームの法則、キルヒホッフの法則、疎な連立方程式を文字係数のまま解け高校レベルの微積分である。
大学の先生方には、基本回路を実際に設計製作解析を経験していない方も少なくない。学ぶ回路から創る回路へ。その道が工学の心である。これなしには工学は面白くない。
あと、数日で著者献本が届くはずである。表紙のデザインと帯の詳細はまだわからない。
本の名前は「アナログ電子回路基礎技術」、これに形容詞がつく。
熟知しているはずの基礎回路でも、試作している過程では様々な出来事があった。思いとおりに動作しない回路を調べていたら夜が白んできたこともある。
大学で電子回路実験を指導する方や、ある程度アマとしての知識がありキット製作で飽き足らない回路設計者を対象読者としている。
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