電源パスコン
←庭の紫陽花、ようやく咲きました。
通称パスコン、=バイパスコンデンサは精密アナログ回路には重要な部品である。
多くのアナログ回路ではバイパスコンデンサを必要とする。
例えば、オペアンプ回路ではその周波数帯域と同様の電源除去比しかないので、電源に高周波成分が含まれるとそのノイズ成分が出力に現れる。
アナデジ混在ICでは、パスコンの種類・容量、接続パターンまで指定されることもある。
電源がスイッチング電源の場合には、スイッチング周期に同期して高周波ノイズがアナログ回路回路に入りやすい。
このため精密アナログ回路では、スイッチング電源のあとにドロッパ式の3端子レギュレータを使う場合さえある。
必要に応じ、0.1μFくらいのコンデンサをICの電源ピンのすぐそばに接続し、種類の違うもっと多きい容量のコンデンサを付加する。
電源からICへのパターンや配線が長いと自分の出力で回路が発振する場合すらある。
電源パスコンを使わない回路は高度の実装技術を必要とし、大規模回路ではかなり実現は困難である。
CCDデバイスなども電源ノイズを嫌う。電源パスコンの有無でノイズレベルが1桁変わることもある。
アナログ回路では、できる限り電源線は太く短く布線するが、要所、要所に電源パスコンを挿入するのが常道である。
回路は電源技術に始まり、電源技術に戻ると考えるアナログエンジニアである。電源は難しい。
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コメント
この記事へのコメントは終了しました。
小生も単純なるもアナログ回路の設計経験がある。
ノイズには泣かされた。基盤のパターンの布設も重用だが、どうしてもパスコンは欠かせなかった。
蔕をするとパスコンのお化けになり、お恥かしいながらどちらがメイン回路か判らなくなることすらあった。
投稿: mako | 2007年6月29日 (金) 14時42分
makoさま
プリント基板上では20MHzを越えるあたりから、基板が思ったように動作しなくなります、
大電流〔数A~数10A)だと条件がさらに厳しくなります。
高周波・大電流・高電圧回路は、本当に難しい。
かといって、精密アナログ回路では分布乗数・伝送路として回路を扱うのは今の私には出来ません。
投稿: 5513 | 2007年6月29日 (金) 15時40分