1回路1章
基本的な(教科書的な)電子回路でも、きちんと、その解析方法・設計法、その回路のもつ課題と計測方法を解説すれば、10数ページになる。
電圧利得が-1の反転増幅器を汎用OPアンプを用いて構成すると、ベテランなら2本の抵抗はふつう10kΩになる。
この値はオフセット電圧、バイアス電流の影響を考慮し、汎用OPアンプの電圧および電流駆動能力を考慮した最適値に近い。
OPアンプ2-3個の回路になると、もっと詳しい説明が必要になる。それも、その回路特有の課題と癖を記述するだけで、1回路1章の分量になる。
トランジスタになると、データシートを読むに必要な知識を網羅すれば1冊の単行本でもかなりはしょった記述になる。
多くの大学では、アナログ・デジタル回路含めて1コマ、1学期の講義ですっ飛ばす。解る方が不思議なくらいのスピードである。当然、回路の面白みを伝えるところまで行かない。
さらに、実用的なアナログ回路は学術論文ネタになりにくい。その結果、大学でアナログ回路をきちんと教えられる方もどんどん減少している。
優秀なアナログ集積回路部品は、欧米品が多い。そして、優秀なアナログエンジニアは貴重な人材として扱われている。日本ではどうか?
現実世界とデジタルの世界を結ぶ架け橋であるアナログ回路技術をブラックボックス化してはならないと考える。
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