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    アナログ電子回路設計入門 (1994.12)、コロナ社: 実践アナログ回路設計・解析入門 (2005.1)、日刊工業: オペアンプ基礎回路再入門 (2005.7)、日刊工業: ダイオード・トランジスタ回路入門 (2005.12)、日刊工業: スイッチングコンバータ回路入門 (2006.9)、日刊工業: これならわかるアナログ電子回路基礎技術 (2007.6)

専門とする事項

  • 電源を含む精密アナログ電子回路の設計・開発、およびその教育、技術指導。センサ・アクチュエータシステムの構築。電子機器の不良解析指導および再発防止指導。解析主導型設計の推進と回路シミュレータの実践的活用指導。技術的側面からのプロジェクト管理指導。

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2007年7月

2007年7月31日 (火)

言語明瞭意味不明

明瞭な言葉を語りながら、意味がつかめないという状態がこの言葉。理系人間でなくともそこには認識の論理的過ちがある。

技術的課題でなくとも、使ってはならない場面と言葉の組み合わせがそれである。言語明瞭・意味不明の言葉がTVなどで多く出会う。そこには誠意は何も無い。無知と不見識があるのみである。

理解してもらえなくて残念だ。ホリエモンで有名になった想定内の言葉も私は嫌いだ。

昨今、「想定外」の言葉もメディアでよく耳にする。知らなかったとの言い訳もよく耳にする。

想定外なら、その技術的、政治的背景を個人が総合的に、論理の整合性があるように発言者の心情を加味して意味を解釈する必要がある。

技術的に「想定外」であるなら、言い訳せず、崩れた前提、想定を変更してしかるべき対策をいかに行うか、率直に語ることだ。それが、一般の方の信頼を築く少ない説得手段。

今年の夏、電力は大丈夫であろうか。インバータ機器が多い現在の負荷電力は、電圧が下がると電流をよりたくさん電源系からふんだくる。何年か前にはこれが原因で、東京大停電が発生したと聞く。

危機管理能力は、論理的言葉から始まるのではないか。

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2007年7月30日 (月)

自己矛盾

自己矛盾があれば、扱う話題・課題に対する真の回答ではない。

自己矛盾のある工学、意図的に課題/問題に対しての対応を隠した論評には真実は無い。

メーセージを発するとき、論文を発するとき、技術情報を開示するときには説明責任を果たさなければならない。それが、技術者倫理というものだ。

根拠と扱う範囲を明示してこそ、科学的根拠とその前提に基づいた議論がなされる。

美辞麗句・誇大表現・自己矛盾のある議論は不毛である。

計測工学も少しはたしなむアナログエンジニアであるが、口頭での解説ではいつも、著作では書けない自分の狭い経験則も交えて話す。それが私にとって現在の真実。

著作では、・・・と思う。・・・と考える。の語句は極力避けている。過去の経歴上、知りすぎているので書けないことも多い。

本、少なくともその著作の中で、自己矛盾のある図表と文書を私は嫌う。

私の分野は帯域20MHz以下の個別部品で組む精密電子回路であるが、この領域はかなり系統的な解析が可能である。しかし、伝統的な回路教本の教え方は、その手法は実務とのギャップが大きい。

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2007年7月27日 (金)

中国語の回路本

_1834 中国語(繁字体)の電子回路教科書

「類比」:アナログ、「電路」:回路だから、

日本語では「実践アナログ回路・解析入門」となる。

私の2冊目の本の中国語訳だ。価格360元、今の為替レートで現地の人達にとって結構高額である。若い頃には、自分も月収に匹敵する洋書を何冊も購入した。

元の本が自分の本で、主語述語、てにをはに注意して書いた本なので、これなら私にも読める。

表紙には、本文の電源回路の回路図が載っている。恐らくは訳者のセンスだろう。表紙の回路は少し部品数が多いが設計しやすく性能が出やすい。

ダイオードはニ極体、トランジスタは電晶体、抵抗は電阻、コンデンサが電容器・・・・などと訳されている。

演算増幅器は運算放大器。なんとなく、わかる。

私が序文の最後に、少しフォントを小さくして書いた部分「世代を超えて、教えていただいた人達と教わる人達に捧ぐ」は次のように訳されていた。

 願将本書献給不同年齢層的前輩及有志於進入此一領域的後起之秀。

多謝。

 この本早速知り合いのカタカナの読めない中国人の回路屋Jさんに進呈しよう。1冊だけは手元に残し、これからも出会うであろう熱心な中国の方に何冊かは提供できるはずだ。

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2007年7月26日 (木)

ある夏の夜

_1820 数年まえの夏休みに、大学生が大挙して我が家に泊まった。

茨城県大洗から北海道のフェリーが出ているので、東京からの中継地として我が家に学生さんたちが大勢宿泊した。

晩飯のとき、ビールを皆で飲みながら、わいわいガヤガヤ。

出身学部は様々。女子も男子もいる。

私は、悪乗りして、個々の学生の卒業研究のテーマを聞き、その場でコメント一言添える。学部4年生の話なら、大抵の話題について、課題と今後の方針くらいは話ができる。これで、私は自己アピール。だけではなく、卒研に真面目に取り組んでもらいたかったので。分野外の私のコメントに反応できないようでは心もとないが、意外に反応はあった。

後で娘から批評されたが、まあまあの評価。

このときのメンバーの何組かは結婚に至ったそうな・・・。

印象に残ったのは、皆パワフルで前向きだった。このような若者達と向き合うと、自分も同世代に戻って、しかし年齢相応の経験を元に話をする。

若さは広い未来を意味する。

我が家の「さち」からはいつも狭い考え方だといわれ続けているが、当面はアナログエンジニアとしての活動を優先させたいと思う。積年の疲れが出た時期が済み、仕事の依頼もそこそこに出来た。自分のポリシーに当面忠実に生きよう。

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2007年7月25日 (水)

否定の証明1

ある事象が発生しないと証明することは非常に難しい。

否定の証明には、どこかに前提・想定をおき、複雑な論理の中で設定した前提からある事象が起きないと結論付ける。

ある事象が生じうる肯定の証明は、実証例をひとつ見つけることで可能である。

否定の証明には、おそらく通常の工学より少なくとも1段高い技術を要求される。おそらく数学の世界でも同じだろう。5次方程式の一般解が存在しないことの証明は、新たな数学の分野を築いた。

前提付であるが、否定の証明を技術者として過去2回経験している。とても難しかった。そして、その前提は今でも崩れていないが、将来に亘って出来ないと断定はまだできない。前提が崩れれば、簡単にその証明力は無くなる。

ものつくりの現場において、なぜ出来ないのだ?と発言するする人の意見は破壊的ですらある。その問いに答える能力があれば、すくなくとも、現状よりましなものが作れるからである。

ベテランの計装エンジニアから、「漏れないプラントはない」との言葉を聴いたことがある。重い言葉だった。

寿命期間中、壊れないものつくりを心がけてそれなりにより良いものは作れたと自負しているが、それでも装置を保守してくれる人に依存していた部分は大きい。

そして、信頼性の高い装置ほど、保守のトレーニングを実践する機会が少なくなるので、いざというときに対応できる技量を持つ保守要員が育たない。矛盾である。

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2007年7月24日 (火)

プリントアウト

_1832←季節はずれのデンドロ。

サンルームの隅に手入れもせずに放置しておいた株から花が咲いた。

電子データの原稿は編集が容易だが、推敲するには全体が見えない。

そこで、プリントアウト。紙ベースにして、少なくとも1章くらいをまとめて通読し自分の原稿に朱を入れる。

まず速読で全体の調子を見ながら、目立つ不具合を赤ボールペンで修正する。

とくに、指示語の指し示す場所が歩かないかを含めて、チェックする。次に1字1句、批判的に見る。誇大表現表現は無いか、言い切り方は適切か、等々。1回のプリントアウトで数回読み方を変えて自分の原稿を見る。

この作業を少なくとも、数回繰り返す。

かくして、膨大な紙を1回の原稿作成で消費する。数1000ページを印刷するとプリンタのヘッドも消耗してくるので、ヘッドクリーニングの回数が増えて、やがてプリンタの寿命がやってくる。

しかし、今は図と文章を一緒に動かせるので、図と文章の不一致は格段に減らすことができる。

個人では感熱プリンタしか変えなかった時代では、200ページの原稿をプリントアウトするのに丸一日かかった。

便利な時代になったのだが、紙は逆に多く使わざるを得ない。手書きの時代には、書き直しが困難であったと推察される。その環境下で執筆するには、準備段階で詳細な計画、各フェーズで書くべきことを系統的にまとめたシナリオがどうしても必要である。昔の原稿用紙ベースでの執筆者に敬意、また敬意。

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2007年7月23日 (月)

少なく教える教授法

_1831 ←庭に咲いた白百合の花

この花が咲くとき、多くの大学では夏学期が終わる。企業内高等専門学院で教えていた頃は、山の斜面に白百合が咲くと一区切りを迎えた。

ハンドブック的に多くを網羅した内容を駆け足で教えるか、少ない教材で自己完結した、理解に必要なバックグラウンドを開示して教えるかは、教授法の分かれ道であると考える。

多くの本は、限られたページ数でなるべく話題を詰め込もうとする。

私には、そのような本は相当周辺技術を調べないと読めない、理解できない。

凝縮された本も貴重である。しかし、自分の歩んだ技術者としての試行錯誤の中で、もっとも効率のよかったアプローチの仕方を教えることも必要なのではないか。

最初の本を書くとき、恩師の方に自分が学ぶのに要した時間の1/10で伝えるべきだ。そう、教えられた。

いまでは、そのスピードよりもっと効率のよい教授法が求められているのではないか。私は、個別部品で組むアナログ回路とその周辺技術を40年やって、ようやく自分流の説明ができるようになった。そして、最近では、代表的な課題を含む個別の回路をどのようなプロセスで部品選択、定数決定するか情熱を燃やしている。

現実世界との結びつきが深いアナログ回路では、高校物理の基礎知識をほとんどフルに活用して考える。

ハンドブック的教え方はやむを得ない部分があるが、それでも、基礎知識を越えた部分で判断しているプロセスを開示しながら教育を行いたいと考えるアナログエンジニアである。

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2007年7月20日 (金)

直流信号源

Img_1829 ←りんどうの花

精密電圧信号源は一般に高価である。しかし、これは自作できる。

3端子レギュレータで±15Vをつくると精度1%、100ppm/℃くらいの静かな(ノイズの少ない)電源ができる。

つぎに、この電源を用いてREF02などの精密基準電圧ICで10Vを作る。電圧基準ICは低インピーダンスで10数mA負荷できる。

次に巻き線型ポテンショメータ、10回転10kオームのポテンショにダイアルをつけて、その中点電圧を電圧フォロワで出力する。

この電圧を、抵抗選別した1:1の反転増幅器で負の可変基準電圧源とする。このようにすれば10mA出力の精密可変電源とオペアンプ用電源を簡単に作ることができる。

電圧基準ICが秋葉原では一番入手しにくいが、DC可変基準電圧があると精密なDC回路実験ができる。精密OPアンプは何とか手に入る。基準電圧の温度係数が実力数10ppm/℃程度なら、10Vか9Vの3端子レギュレータを基準電圧源とすることができる。このような機材を自作しておけば、オペアンプ数個規模の回路実験が容易にできる。

回路は簡単であるが、抵抗、ポテンショ+ダイアル、オペアンプの品質の良いものを選ぶと、使いやすく性能の良いDC電圧信号源となる。

冬場に、書斎で石油ストーブを使い、20℃変化を与えて温度係数までチェックした。

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2007年7月19日 (木)

整流スタック

_1830 ←カラス?に食べられた収穫前のスイカ。(涙) 家庭菜園での貴重な実のひとつだ。我が家の1km南には林があり、そこがからすの営巣地となっている。

ブリッジ整流スタックは4本のダイオードが結線されている。

このタイプの整流スタックは、センタータップ方式で±同一直流電源を発生させるときにも使用できる。

センタータップトランスの中点をGNDとし、交流側にトランスのアクティブな側を接続する。

ふつう、ブリッジ整流は交流側(~)と整流後の+、-端子からなっており、ひし形に結線された状態の図が多いが、上記のように結線すると同時に±直流電圧を発生できる。

ブリッジ整流回路をセンタータップ整流2chとは等価なのだ。

アナログエンジニアはこの回路形式を演算増幅器の±電源などを発生させるときによく使用する。

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2007年7月18日 (水)

耐振動電子回路

_1816←庭に咲いた園芸品種の百合の花。野生の白百合が咲く頃に7月は終わる。

電子回路においても、耐振動設計が必要な場合がある。産業用の電子回路では、様々な環境条件がある。

振動条件も様々で、100ガルを越える振動を常時受ける環境が存在する。問題になりやすい部品は2本足で比較的大きい部品である。

2本足だと共振周期が相対的に長くなり、その周期に近い強い振動を受けるとリード線が疲労破断を起こす。

このように書けば、どのような電子部品が振動による損傷を受けやすいか、実物を見ればすぐにわかる。

電子部品はどんどん「軽薄短小」化され、その固有振動数は短くなる方向であるが、エネルギーを蓄積する受動部品などはそれでもなお大きい。

形、実装形態を見れば解る弱点もある。計算しなくとも、いやな感じのする設計部分は、様々な角度から検討すればほとんどの場合、技術的に対策できると考える。固有振動:厄介な問題であるが、基本的にはLCR共振の問題において、大きな電圧や電流が発生しえることと同じ形の問題と考える。

耐震設計はどのようにして行われるのだろうか。共振状態が長く続けば、Rに相当するエネルギー損失がそのピークストレスを左右する。計算が比較的簡単な電子回路においても、意外にLCR共振点近くでの過渡特性を視覚化して実感しているエンジニアは少ないような気がする。

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2007年7月17日 (火)

家庭菜園

_1822 ←我が家の家庭菜園のスイカ、第1陣、現在、直径約20cm。

暑くなった頃、食べごろになると良いな。

田舎暮らしなので、10m^2くらいのささやかな家庭菜園がある。

運営は我が家の「さち」主体。

連作を嫌うピーマン、なすも別の場所に今年は植えたが、まだ実はつけていない。天候が原因なのか、土質が原因なのか良くわからない。

家庭菜園、1年目は土質があえば大抵豊作となる。その後は、いろいろ工夫しないと病害虫や連作障害が起きやすい。

本職の農家は大変である。家庭菜園は収支とんとんでよく、植えたものの成長と収穫を楽しめばよい。

今年の天候は、今後どうなるだろう。

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2007年7月13日 (金)

ダイオードの順電圧2

シリコンダイオードの順電圧はふつう0.6~0.7Vと考える人が多い。

この値は、小信号ダイオードを通常の温度で、通常の電流密度での値である。

ダイオードの電流Iと順電圧Vjの関係は

I=Is・EXP(Vj/(mVT)で概略近似できる。VTは熱電圧であり電子電荷qと絶対温度Tとボルツマン定数KからVT=q/KTで常温で約26mVの値となる。mはキャリア輸送の様式に伴う係数で、再結合電流が支配的なときm=2となる。

m=2の時には、動作電流が1桁増加するとVjは+120mV変化する。

整流用シリコンダイオードではもっと高電流密度で普通使用するので、穏やかな使用条件でも0.8Vを簡単に越える。

しかも、見かけ上の順電圧は接合電圧だけでは決まらず、直列寄生抵抗分が寄与する。

通流による発熱を無視できるような、短パルスで順電圧を測定すると接合電圧の式で予測されるより、大きな順電圧が観測される。この差分が直列寄生抵抗Rと測定電流Iの積:RIである。

相対的に小さなダイオードに電流を流すと、自己加熱により素子温度が変わる。

パルステスト条件での測定データは自己過熱が加味されないデータである。連続通電なら、接合電圧の温度上昇に伴う順電圧の負の温度係数と、直列抵抗成分の+の温度係数が絡み合わさったデータとなる。整流用ダイオードでは、ダイオードにおける順電圧は1.2Vを越えることもある。

逆にダイオードの定格より幾桁も低い電流で使用するなら、0.3V以下の順電圧になることもある。

もっとも簡単な半導体素子であるダイオードでも、1V以下の電圧を扱う際には使用条件を考慮してその実働特性を把握する必要があるのだ。

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雲行きが怪しいので、今日は自宅で距離7mのアーチェリー。ここのところの不調の原因だった構えたときに照準器がよく見えないときの原因と対策が少し解ってきた。

2007年7月12日 (木)

能動負荷

抵抗負荷差動増幅器の電圧利得AVは、コレクタ抵抗をRC、コレクタ電流をICとして

AV=-RC・IC/VT

でほぼ決まる。VTは常温で26mVの熱電圧である。

オペアンプの内部回路によく出てくる能動負荷回路を用いた増幅器の電圧利得はどのようにして決定できるのか。能動負荷回路は定電流源に近いので、トランジスタの少しの電流変化でその出力電圧が大きく変化する。

能動負荷の差動増幅器の電圧利得は

AV=-1/[VT(1/AVn+AVp)

の形になる。AVnはn形トランジスタのアーリー電圧、AVpはp形トランジスタのアーリー電圧である。

アーリー電圧とは、VCE:IC曲線の傾きであって、その勾配を左側に延長するとほぼ1点で交わる。これがアーリー電圧で、数10V~200V程度の値を持つ。したがって2段目の負荷効果が小さければ能動負荷差動増幅器は一段で1000を越える増幅率を達成できる。

能動負荷回路の電圧利得を記述した一般の教科書は非常に少ない。アナログエンジニアは自力でこの式を導いた。

かくして、多くの回路設計者はオペアンプの内部動作に立ち入ることなく、オペアンプをブラックボックスとして取り扱っている。

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2007年7月11日 (水)

セキュリティビル

昨日は東京のA駅付近にいました。このブログの本拠地ココログフリーは終日メンテ中。と言う訳で花の火曜日にはブログを更新できなかったのです。

行った先は、セキュリティが強化された新しいビル。オフィスのある階の一番下に受付があって、そこから担当者に取り次いでいただき、担当者の方からIDカードを受け取り、所定の場所へ。

IDカードがないと、指定されたフロア内でも身動き取れない。私はヘビースモーカなので、仕事の前後には煙草を吸う。喫煙コーナー探しは、私にとって死活問題。最近JRの車内は禁煙になったので、特急電車から降りると、まずホームの外れにある喫煙コーナーに向かい、一服。

打ち合わせは順調に進んだが、このカードはかなり限定番らしく、実験室、セミナールームは自分のIDでは入れない。

喫煙後、間違ってエレベータルームに戻ってしまったが、ゲートは開かない。IDカードをゲートにかざして、ようやく戻れた。今の時代この程度のセキュリティは当然と考える。

しかし、大容量リムーバブルディスクの持ち込み、持ち出しはどう管理するのだろう。いちいち身体検査するわけにも行かないだろう。情報セキュリティはかなり社員のモラルに依存する部分がかなりある。

エンジニアの生活は、会社で考え自宅で考え工夫する。考える時間は自宅の方が好環境だ。セキュリティの強化もよいが、公私完全分離はかなり困難である。

独立エンジニアとしての私はセキュリティ事故を起こしたらそれで終わりとなる。自宅のパソコンからは信頼のおけるサイト以外には入らない。ちょっと不明なサイトを閲覧するときには、インターネットカフェを使う。

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2007年7月 9日 (月)

矢の弾道

60m/sの矢速で距離30m的を狙う。ほぼ水平の射角なので、矢の飛行時間は0.5秒。頂点は射出位置から0.25m上。これが競技用アーチェリー器具の平均的な弾道だ。この距離では空気抵抗の影響は小さい。

少し強い弓であれば、初速は70m/s前後だ。新幹線のトップスピードに匹敵する速度である。

空気抵抗を考えないで、45度の角度で打ち出せば飛行時間は10秒、最長500mを飛ぶ計算になる。

最長射程は、2次方程式の重根になるので、それより短い距離では理論計算上2つの解がある。通常のように低い射角度で打ち出す狙いと、かなり高い射角で打ち出す狙いの2方法がある。

全国でもこんな射角が可能な場所場所は数箇所も無い。昔、広大な場所を借り切って、射角80度くらいで矢を射ったことがある。矢は曇天の雲の中に吸い込まれ、10秒あまりの後、数10m先に落下した。繰り返して言うが、高射角での矢の発射は危険である。それなりの広大な安全な場所でしか許されない。

高射角での矢の射出は、矢の飛行時間が各段に長いので、射出角度や風などの飛行時間に比例して外乱の影響を大きく受ける。

初速が700m/sの砲弾であれば、単純計算で50秒後に最高点に到達する。空気抵抗を考えなければ、成層圏に到達する。当然空気抵抗の度合いも異なる。距離40kmの艦砲射撃とはこのようなものであろうか。

技術と学術の狭間に立ち、会社では理屈っぽいと言われ、学術の世界には着いていけないアナログエンジニアである。数値の1桁の違いで解析すべき対象の複雑さは大きく異なる。

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2007年7月 6日 (金)

優秀なサービスマン

優秀なサービスマンは、面識がなくとも自分の扱う製品の設計者の名を知っていることが多い。

なぜなら、サービスマンは売れた製品の数に対応するデータを持っている。(筈だ。)

故障の頻度や、それを設計した設計者のレベルを把握しているのだ。

サービスマンや検査部門に評判の悪い製品、設計者は大いに反省しなければならない。

サービスマンの誠意は顧客だけでなく、心ある設計者に真実を伝えてくれる。

そして、たとえ設計部門で評価されない製品であろうが、顧客の生の声、肯定的な評価をサービス部門から耳にするとき、それは設計者に対する無上の励みとなる。

少なくなったとは言え、力量あるサービスマンに支えられて設計者は育つ。

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2007年7月 5日 (木)

直列共振 1

交流電源VとインダクタンスLとコンデンサCを直列に接続したら、なにが起こるか?

共振周波数fは 1/(2πLC)であることは、回路屋さんなら誰も知っているはず。

共振状態では、電圧Vは、交流電源Vの値のおよそQ倍になる。C,L,Vを流れる電流もおよそQ倍になる。

共振状態では、エネルギー損失を考えないと、電圧・電流ともに無限大になる。

したがって、工学的には最初に述べたV,L,Cの寄生抵抗まで考えないと電圧・電流ともに無限大になる。このことを記述した書物は少ない。共振周波数だけを計算し、その結果生じる現象を記述していないのだ。現実的にはありえないので、Lの寄生抵抗やCの並列抵抗性負荷を考える必要がある。

簡単な回路であっても現実を考える多面的に解析する必要がある。jωLとjωC、寄生抵抗を考慮した共振周波数の解析をやっている方は優秀な方である。しかし、Rによるダンピングを考慮し、各部の電圧・電流を解析した経験のある方はいかほどいるか?

色々な側面から、その回路で生じる現象を捉える訓練を施された工学者は少ない。

共振電圧を利用するということは、同時に各部の電流も増加するのだ。そこに実務と教科書の違い、アマとプロの違いがある。もっとも今の多くの会社システムでは、アマに毛の生えた程度でそこそこの地位は築けるようだ。既存の教授システムでは多面的に考える感性を養うことが難しいとこのごろ考えているアナログエンジニアである。

なお、この現象はエネルギーの蓄積により生じるので、回路のQ(クオリティファクタ)に依存して、過渡的には交流周期のQ倍程度の時間が経たないと安定状態にならない。制御性が悪いのだ。

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2007年7月 4日 (水)

ソレノイドコイルの磁場

空芯の円筒状コイルに交流電流を流すと、円筒の内側だけに磁場ができるわけではない。

磁束は円筒の内側だけにできるのではなく、外側におおよそソレノイドコイルの全長くらいまで磁束の帰線が通る。

色々な径のリング状のサーチコイルをソレノイドと同軸にして、その電圧を測定すると、サーチコイルの内側にある磁束に比例する電圧が出てくる。サーチコイルの径を円筒と同じにすると、ほぼ無限長のソレノイドの式に従う起電力が観測される。

サーチコイルを大きくすると、ソレノイドの内側の磁束と外側の磁束は反対向きなので、起電力が小さくなる。

アルミ管でソレノイドの外側を包むと、短絡された1ターンコイルであるアルミ管の渦電流が作る磁束が打ち消しあってサーチコイルの起電力は減少する。磁性体の管で包むと、磁束の帰線は磁性体の管を通るので、サーチコイルの起電力は小さくなる。

このような現象は、電子部品である閉鎖磁路を持たないコイル部品でも生じる。

鼓形のコイルのインダクタンスを測定しながら、非磁性導電性の金属を近づけるとインダクタンスは減少する。強磁性の材料を近づけると、磁気抵抗が小さくなるのでインダクタンス値が増加する。

この原理を利用した近接センサも市販されている。

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2007年7月 3日 (火)

二重積分形ADコンバータ

積分器、コンパレータ、アナログSWとカウンター2個、その他少々で構成できる。

いまでも、デジタルテスタや高分解能のADコンバータに使われる。

原理は入力電圧をあらかじめ定めた時間積分する。定められた時間が経過したら、今度は逆極性の電圧源を積分し、再び0電圧に戻る時間をクロックパルスを数えれば、その値が電圧源と入力電圧の比になる。カウンタを10進カウンターにしておけば、マイコン抜きで10進数で表示することもできる。

この方式、AD変換のビット数に応じて、クロックパルスを勘定するのでAD変換に要する時間が数ms~数10msと長い。しかし、容易に高ビットの変換ができる。自作も可能である。

積分形というからには、定められた時間、入力電圧を時間積分しているのである。この結果、あらかじめ定めた時間を商用電源の整数倍に取っておくと、ハムと呼ばれる商用周波数の周期的ノイズを完全に消去でき安定なAD変換ができる特徴がある。商用周波数の整数倍の周波数に対しても同様の効果がある。またそれ以外の周波数に対しても1次のローパスフィルタになる。

このような性質があるので、今でも高速を必要としない計測用途に使われているのだ。

商用周波数のノイズは、とくに屋内環境では高インピーダンスの電圧を測ると大きな障害になりやすい。二重積分形ADは、変換時間が長い分だけノイズに強い。

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2007年7月 2日 (月)

微小電圧増幅

微小電圧のDC増幅には、現在ではふつうバイポーラトランジスタ入力の演算増幅器が使われる。

直接増幅可能な電圧は、温度範囲に依存する。

現在では温度ドリフトが典型値0.1μV/℃の演算増幅器もある。この温度ドリフトの数値に環境温度の変化を掛ければ、期待する入力換算の温度変化が求まる。環境温度幅が30℃なら±3μVが不確定になる。

この値と必要な精度を比べれば、増幅対象になる信号レベルが決まる。

トランジスタの温度係数は、約-2mV/℃だから、差動増幅器でVBEの差を取るので、この数値は、集積化されたトランジスタペアの2万分の1℃の温度差に相当する。こんな小さな温度差の実現のためには、1mm角足らずの集積回路の中で、入力段のトランジスタを近接させてようやく実現できる温度差である。集積回路の中のトランジスタといえども、風が直接当たれば、揺らぐ程度の温度差である。

汎用オペアンプでは、数μV/℃程度。

昔はアナログスイッチを用いて一度交流に変換し、同期整流を行って再びDCに戻す方法も使われていた。(チョッパ安定化増幅器)

もっと小さな信号を扱うには、システムを工夫して交流増幅を狭帯域で行うことになる。

最近はAD変換できる信号レベルまでアナログ増幅すれば、あとの信号処理はマイコンがやれる。

アナログ回路エンジニアが活躍できる場面のひとつに、様々な帯域・周波数での微小電圧増幅技術がある。

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