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2007年9月 3日 (月)

無安定マルチバイブレータ1

2石無安定マルチバイブレータの発振周期の計算に、0.69CRという数値がよく出てくる。

この0.69の数値はln(2)の値で、一次遅れ回路において、初期値-V、入力ステップ電圧+Vを入れたときの、出力が0になる時間である。

実際のマルチバイブレータでは、コレクタ電圧が、タイミングコンデンサの充電のため、主時定数であるベース抵抗×タイミングコンデンサは、主時定数の10-50倍速い指数関数電圧で充電される。また、遷移の生じるタイミングはトランジスタのVBE電圧で発生するので、厳密には1次遅れ関数のステップ応答にはならない。

一次遅れ関数のステップ応答は、変数分離型微分方程式になるが、この辺をきちんと教えている電子回路教科書は少数派である。一次遅れ回路のステップ応答特性の計算は、電子回路の過渡応答特性計算のかなり簡単な場合である。

2石対称定数の無安定マルチバイブレータは、よく回路シミュレータの例題に使用される。現実の回路では、電源投入時の僅かな非対称性や、ノイズにより起動される。

回路シミュレータの解説記事では、コンデンサCに初期値を設定することで起動させることが多いが、私は1%程度の時定数差を与え、かつ電源をステップ的に変化させることにより発振をさせる。

回路が完全対称、ノイズ0であれば、無安定マルチバイブレータは両トランジスタがONの状態になる。

発振回路としては比較的易しいマルチバイブレータですら、このような解析上の問題点がある。

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電子回路」カテゴリの記事

コメント

プロとアマとの違いを痛感します.いい加減に組んでもとにかく動作してくれる回路なので,計算してみたことがありませんでした.

今でも、疑問を感じると基本的な回路を自宅で組むことがあります。結構気がつかなかったことが見つかります。無安定マルチバイブレータのオン時のVBE波形の前縁が少し上がっているのに、今回は気付きました。

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