コンデンサの直列接続
コンデンサに関する式としては、CV=Q C:容量、V:電圧、Q:電荷が有名である。次元解析を行うと、[C]=[A][s]/[V]となり、[C]=[s]/[Ω]である。したがって、コンデンサの値は交流電気の通りやすさにアドミタンスに比例する。
直列接続なら、電気の通りにくさが加算されるので、合成直列をコンデンサCxとして、1/Cx=1/C1+1/C2となる。
コンデンサの直列接続は、耐圧の低いコンデンサをより高電圧で使用するためにも使われる。しかし、直列コンデンサの直流電位は、理想コンデンサでは不定で、2個のコンデンサの漏れ電流のバランスで決まる。どちらか一方のコンデンサの漏れ電流がある状態(降伏に近い状態)となる。
このため、直列コンデンサでは、各コンデンサに漏れ電流の数倍以上の電流を流すだけの並列抵抗を付加するのが通例である。コンデンサ単独で直列接続を行う場合もあるが、この際には、コンデンサの片方が降伏状態で電流を分担する場合もある。その信頼性の検証には注意深い実証試験が必要である。
単純なコンデンサの直列接続であるが、ぞの実践使用には注意深い扱いが必要になる。回路シミュレータでは、直列コンデンサの中点電位が不定になるので、並列抵抗を付加しないと、たいていの場合エラーとなる。コンデンサの直列接続は案外難しいのだ。
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コメント
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これもまたプロとアマの違いを痛感させられることです.並列抵抗を入れずにコンデンサーを直列にするとは,恐ろしくてとても手が出せません.容量と耐圧だけ見て買ってますけれど,直列にするならもっと詳しいデータが必要ですね.
投稿: 三ねんせい | 2007年9月12日 (水) 10時09分
コンデンサの直列接続を行うときには、コンデンサの耐圧が足らない時が多いので尤度が取れません。高電圧回路のブリーダー抵抗はサイズが大きいので、寿命試験をやるか、サイズを犠牲にするかいつも悩むところです。
投稿: 5513 | 2007年9月12日 (水) 10時56分