電気2重層コンデンサ
←本の上の靴に入った猫の置物。我が家では,猫グッズを新たに置くと良いことがあると考えている。いつの間にか増えていた猫。我が家の「さち」が祈りを込めて最近買ったらしい。
電気2重層コンデンサ,ファラッド(F)単位の容量を実現するコンデンサである。スーパーキャパシタ,ゴールドキャパシタなどとも呼ばれる。
最初は電池代用で,揮発メモリのバックアップがおもな用途であるったが,寿命のある2次電池の代用にもなる規模まで発展している。
10V,10Fのエネルギーは電子回路としてはかなり大きい。
蓄積エネルギーE=CV^2/2だから,500ジュールある。
秒速70m/s,質量20gの矢の運動エネルギーは約50ジュール。拳銃弾の運動エネルギーにほぼ等しい。市販の電気2重層コンデンサでもその10倍は越えていた。
このエネルギーで,小型のサーボモータを数分間まわすことができる。この方式で,電源接続梨に電子ポンプでお湯を使い切ることの出来る電気ポットが実用化されている。
O先生は,このタイプのコンデンサバンクを使い,ニーズの大きいハイブリッドカーを含む電気自動車への応用を目指している。車のエネルギー消費は,加速のために使われる。加速した後の運動エネルギーは意外に大きい。概算すると,1000kg×20m/s/2=20万ジュールにも達する。これを回生して電気2重層キャパシタのエネルギーとして回収しようというものだ。10年前に,電気2重層コンデンサの単位体積当たりのエネルギーはアルミ電解コンデンサの10倍を越えていた。いまは,1-2桁向上しているだろう。具体的に書くなら2001年時点で鉛蓄電池の性能レベルまで到達している。しかも,電気2重層コンデンサの充放電回数には基本的に制限は無い。一般の2次電池は500-1000回の深い充放電で実効容量が半減するという。
この電気2重層コンデンサによる運動エネルギーの回収/蓄積手法は案外実用化が早いのではないか。
そして,このコンデンサは炭素と水と有機電解質で作れるので環境にも易しい。
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