コンデンサの電流定格
←金木犀の花。場所によってはまだ色づいていない木もある。近づくと良い香りがする。いよいよ秋本番。
電解コンデンサの電圧定格を意識して使わない電子回路設計者はいないと思うが,電解コンデンサに電流定格があることを知らない方は少なくない。
電解コンデンサにリプル電圧が掛かると,充放電電流が流れその電流の2乗と等価直列抵抗(ESR)と周波数の積に概略比例するジュール熱が発生し,電解コンデンサの寿命を短縮させる。
リプル電流の2乗に比例して,コンデンサに過剰な温度上昇が発生するので,コンデンサの電流定格は余裕を持って守らなければならない。
ESRは周波数に依存するので,扱う周波数が高いほど電流定格は少なくなる。電解コンデンサの電流定格は扱う周波数の関数である。
電解コンデンサとくにアルミ電解コンデンサは種々の目的の品種が各社から供給されているが,使用目的にあった品種を選ばないと短寿命となる。
厳しい使い方,充放電の振幅が大きく電流波高率が高い場合にはとくに問題になる。
コンデンサの電流定格を意識していないなら,プロサイドの電子回路設計者とは言えないと考えるアナログエンジニアである。前日のエントリーでは整流平滑回路について述べたが,その1要素である電解コンデンサの選定ひとつをとっても,このような課題がある。
概論はJEITAの技術資料に詳述されており,具体的数値は各社の技術資料に記載されている。一般的な電解コンデンサの扱い方の1項目に過ぎないが,意外に認識が希薄な定格項目である。
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