デジタルエンジニア
デジタル回路エンジニアは膨大な規模の回路をあつかう。最近ではFPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)が小規模生産でも使えるようになって,回路エンジニアというより特殊言語のプログラマの様相を呈している。
デジタル=ドジタル,アナログ=アナクロと揶揄されることもあるが,もっとも,なるほどと思うアナログエンジニアである。
私は,デジタルの0,1の世界を工学的には基本的に物量で勝負し,結果は連続的であると思っている。デジタル回路では,できる,できないの問題に直面することはかなり少ない。回路規模が大きいか,速度が少し足らないかのアナログ的評価である。
一方,アナログ回路の場合には,連続量を扱っていながら,あるレベルを超えないと工業的に成功とは言えない結果0.1の世界である。
10人の新人を配属する。デジタル屋さんとアナログ屋さんの欲しい比率はと問いかける。上長は恐らく9人のデジタル屋さんを望むだろう。
逆に1名だけ,ベテランを配属するケースでは,アナログ屋さんを無条件で取るであろう。
アナログエンジニアは成功して何ぼの世界。多くのデジタル屋さんは物量をこなして何ぼの世界,ただし一般的な技量のエンジニアの世界であろう。
ソフトウェア業界は,極論すればまだ工学といえる状況にはないのではなかろうか。大多数のプログラマ,SEは評価尺度の明確ではない巨大ソフトの一部を担当している。そして,全貌を知りうる方も,巨大ソフトの慣性の大きさに決断を先送りして,論理的に明快でないシステムを作っているような気がする。
デジタル,ソフトの世界を選ばなかった私は,1のレベルを達することを目指してきた。基本的な回路ですら,違った角度で解析してみると新たなことがわかることが多い。ぞれでも,一定以上ののレベルの作品を作ることに情熱を燃やすアナログエンジニアである。
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