久しぶりのSPICE
回路シミュレータは,通称SPICE(simulation program with integrated circuit empasis)と呼ばれ,カリフォルニア大学で開発され,1970年頃日本に入ってきた。1970年頃と時期を特定できないのは,様々なルートで導入された経緯がある。
昨日から,120トランジスタを越える大規模解析に挑戦。最初は制御部をマクロモデルで表現していたが,収束エラーが頻発した。そこで,アナログICを丸ごとトランジスタベースで記述。丸ごとといっても,現実にはありえない電流増幅率1000の高速npn,pnpトランジスタをつくり,ICを簡略化表現した。
基本的なSW電源の負荷急変時の応答を調べる目的なので,制御部は機能さえ実現できてればよいのだ。
予想どうり,重負荷→軽負荷と軽負荷→重負荷でかなり応答特性が異なる。
SW電源はL,Cと負荷Rの共振回路を構成するので,Rの大小で応答特性が違ってくる。制御部の周波数特性を変えて幾度もRUNさせてみたが,基本的傾向には変化がない。
こんな計算が自宅でできるのは,パソコンの能力が飛躍的に向上し,素子のモデル式が公開されているおかげである。
しかも,回路の結線状態はテキスト形式ではなく,回路図で見られるようになっているので大規模回路でも結線ミスがすぐわかる。
CAEは,設計技術と問題意識があってこそ,役に立つ。アナログエンジニアはそう考えている。
パソコンの計算能力の進歩により,2昔前のスパーコンピュータ並みのことはできるに違いない。
そしてアナログ回路の最適化の短縮,部品選択の指針を短時間に得ることができる。
小規模の回路なら,考えたモデルと矛盾しない周波数特性や波形図が得られる。CAEの普及に伴い,CAEを使いこなせる技量を持つか否かで,見える世界も異なってくる。
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