分圧回路の計算1
2本の抵抗による分圧回路の計算はしょっちゅう回路計算では出てくる。
中点電圧Vo=VR2/(R1+R2) この計算式を知らない方は少ないと思う。
図は分圧回路でVoを1-5Vの範囲で可変できるように,R1,R2を定めよ。という問題はその応用編。
VRに掛ける電圧は,可変抵抗の調整範囲である5-1=4V,したがって,ループに流れる電流は4mA,
R2に掛かる電圧が1V,電流は4mAだからR2は250Ω
R1には4V,4mAだから1kΩ
これで,目的にかなう回路定数が求まる。でも,分圧回路の計算過程を示した後,この様な形式で出題すると「わかりません!」との答えが返ってくることも少なくない。
公式丸暗記では,この問題は解きにくい。分岐のないループ1個の回路の電流が,どこも等しいことを理解していること,与えられた条件をうまく利用する執着心が必要だ。
この問題では必要十分な条件を与えているが,工学では必ずしも必要十分条件が与えられた問題を扱うわけではない。条件が足りなければ,自分で都合の良い条件を与えて,解を一意的にする。自由度が足りなければ回路構成を工夫して必要な設計自由度を確保するセンスが必要となる。
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コメント
この記事へのコメントは終了しました。
これは簡単な連立方程式を立てれば、簡単なように思いますが、違うかな?
投稿: mako | 2007年11月27日 (火) 11時57分
makoさま そのとおりです。
しかし,若い工学者の多くは,素養があるはずなのに解こうとしません。一般的なケースで,50%できれば良い方です。(悲しい・・・)
このような場面に出会うと,関連あるかどうかは定かではないが,いつも大学共通試験を連想します。ここでは選ぶだけでよく,最後まで解く必要がないからです。
投稿: 5513 | 2007年11月27日 (火) 15時34分
Vo=VR2/(R1+R2)
1行で書く場合は
Vo=V*R2/(R1+R2)
と書くのが作法です。
投稿: 添削ちゃん | 2011年4月22日 (金) 21時53分