オームの法則2
オームの法則はV=RI,抵抗の端子電圧Vが抵抗値R×電流の積に比例する有名な法則である。
端子電圧Vを求めるなら,V=RIでRとIを知ってVを求める。
電流を知りたければ,I=V/R,Rが既知でVを測定する場合が大半である。
抵抗値を知りたければ,R=V/Iと変形し,VとIを測定する。Iが逆数の形なので,Iを一定にしてVを測定する場合が多い。
この変形,「3文字式を何々について解け」との中学で訓練されているはずの課題であるが,実際の測定の場面で自在に使える電子回路屋さんは意外に少ない。
次に,抵抗値が環境によらず一定という仮定が成立するか否かである。1Ωの抵抗で1Aを測定すれば1Vが出る筈である。このとき抵抗体は1Wを消費する。定格が1Wの抵抗なら100℃程度は温度上昇が生じる。抵抗体の温度係数が300ppm/℃なら0.3%抵抗値が変化する。
抵抗体の誤差が仮に0で合ったとしても,リード線抵抗が50mΩ(スルーホール2個程度)あれば0.5%の誤差になり,しかも銅の温度係数は大きいので,リード線抵抗の温度変化により通電により0.2%位の通電ドリフトが生じる。
小型抵抗で1Ωの抵抗値は小さく測りにくいので,公称1%誤差の抵抗は少ない。
このように,精度0.1-1%の測定ですら,条件によっては結構考慮しなければならない項目がある。
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