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  • 共著:「次世代センサハンドブック」培風館(2008)、「マイクロセンサ工学」技術評論社(2009.8)
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    アナログ電子回路設計入門 (1994.12)、コロナ社: 実践アナログ回路設計・解析入門 (2005.1)、日刊工業: オペアンプ基礎回路再入門 (2005.7)、日刊工業: ダイオード・トランジスタ回路入門 (2005.12)、日刊工業: スイッチングコンバータ回路入門 (2006.9)、日刊工業: これならわかるアナログ電子回路基礎技術 (2007.6)

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  • 電源を含む精密アナログ電子回路の設計・開発、およびその教育、技術指導。センサ・アクチュエータシステムの構築。電子機器の不良解析指導および再発防止指導。解析主導型設計の推進と回路シミュレータの実践的活用指導。技術的側面からのプロジェクト管理指導。

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2007年11月

2007年11月30日 (金)

ピーク検波

_1981 ←ドウダンツツジの紅葉。夏に剪定してしまったので,色づきは今一。

隣の家の紅葉はもっと見事です。

ピーク検波方式は,簡単にはダイオードとコンデンサと抵抗で構成できる。

多くの電子回路で使われているコンデンサ入力平滑回路も,ほぼピーク検波回路と同様の性質をもつ。

商用電源は,低インピーダンスのほぼ正弦波電圧波形であるのがふつうだ。この場合には,正弦波実効値の約√2倍より少し少ない電圧がでる。実効値と片振幅ピーク値の比が√2だからだ。

ふつうの商用電源では,実効値がほぼ一定になるように制御されているので,整流後のDC電圧はこの計算で済む。しかし,実効値が決まっていても,波形が両極性方形波だと係数が1と低めに出る,三角波だと高めに出る。

安物のテスターのACレンジであれば,正弦波平均値整流を行い係数をかけて表示しているので,波形が正弦波と異なると系統的誤差がでる。まじめに2乗して平均値を求め開平しているタイプでは,真の実効値が得られるが,パルス波形だと回路系のダイナミックレンジが問題になる。

ピーク検波方式は立ち上がりが早く,立下りが遅い回路形式なので,立ち上がりの期間中その分だけ定常状態に比べて多い電流が流れる。

小容量のトランス結合コンデンサインプット整流では,トランスの抵抗成分に救われて突入電流は許容範囲に入ることが多い。しかし,大容量のSW電源では,なにもしなければ商用電源の波形に影響を及ぼす突入電流が流れるので,一般に高調波電流抑制のための回路を備えている。

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2007年11月29日 (木)

アナログ回路とセンサ

アナログ回路の大きな役割のひとつとして,センサとデジタルのインターフェースがある。

最近のセンサは,物理量を最終的に電気信号に変換する場合が多い。センシング原理もセンサの置かれる環境も千差万別である。多くのセンサは対象を測定するために,励起を行う。この励起回路システムもアナログ回路が分担する部分である。使用するセンサ材料の物性の多くは温度依存性がある。この温度依存性を消去するために温度計測し,主信号を現地で補正することも行われる。温度補正なしにセンシングできるに越したことはないが,強い温度補正を行うセンサも数多くある。

センシング場を形成するために,数100Wの電力を必要とする場合もある。

センサとデジタルとのインターフェースにアナログ回路が介在する場合,アナログ回路設計者はセンサの素性を良く知らなければならない。そして,給電可能な電源に配慮しつつA-D変換可能な信号形態にまで変換することが望まれる。

このような場合,アナログ回路屋は,入り口も出口の仕様も与えられるのではなく,センサインターフェース条件,デジタルインターフェース条件,電源条件を考慮して,ひとつのアナログシステムを構築する。

ブラックボックスとして扱うレベルが,より物理世界に近づいてはいるが,アナログシステム構築ではSEとしての感性が求められる。システムエンジニア=SEの言葉は,ハード,ソフトを問わず大規模システムに携わる方を指す場合が多いが,現実のアナログエンジニアにもSE的感覚が求められている時代になっているのではないだろうか。

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2007年11月28日 (水)

微小電流の測定

μAは電子回路では普通に出てくる電流値である。nA(10^-9)までは通常の環境と実装で測定できる。pA(10^-12)になるとそれなりの注意が必要である。fA(フェムトA=10^-15)台になるとやれることは何でもして,最善を尽くすことになる。

普通の家庭環境でシールド無しだと,私の腕では10pAを扱うのが精いっぱい。

微小電流の測定には,電流-電圧変換増幅器を用いる。このタイプの増幅器には,微小バイアス電流をもつオペアンプと超高抵抗を用いる。1テラ(10^12)Ωの抵抗を用いる場合もある。サイズは電子部品としてはかなり大きい。ガラスに封入されたものもある。

コンパクトに実装できないので,商用周波数の誘導を避けるために厳重に電磁シールドを行うのは当然である。

問題のひとつは,センサからアンプまでの配線である。通常は特殊同軸ケーブルを用いる。配線での漏れ電流は無視できない。

アンプ側もそれなりに対応する。エポキシ基板の絶縁性能は期待できないので,高性能積分回路並みのガードリング,絶縁などの処置を施す。

このような微小電流の増幅では,表面漏れ電流や温度上昇に伴う増幅素子の入力段のバイアス電流増加も性能限界を決める。

着目する時間スリットにおいて,このような微小電流領域では電子が何個入ってくるかも問題になる。DC増幅なら帯域を制限してもアンプ部分から発生する1/fノイズによる過剰ノイズもある。

帯域が狭く,必要な設備があれば,多分今のアナログエンジニアは数fAまでは検出できるだろうが,そこで使用する部品は秋葉原で簡単には調達できないであろう。

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2007年11月27日 (火)

電流測定1

直流電流を測定する機会は意外にある。

オームの法則に従い,I=V/Rを用いて,既知のRとVの測定により電流Iを知るのがもっとも安直な方法である。

多くのテスターで測定できるのは10A程度までである。

ピーク数10AのDC電流をこの方法で測定しようとすると,基準抵抗は小さな値となってしまう。たとえば,50Aを測定するとしよう。電圧降下を0.1Vに取れば,基準抵抗はわずかに2mΩとなり現実的な数値ではない。電力は5W。

抵抗体が金属板を使用した微小抵抗を使うとしたら,20mΩ程度か。すると電圧降下は1V,抵抗での消費電力は50Wにも達する。抵抗値が小さいので,電流端子と電圧端子を持つ4端子抵抗を使うことになる。基準抵抗の選択に苦しむ。発熱量が大きい=サイズが大きく放熱フィン必要。

この条件で10mΩの4端子抵抗を使用するなら,25Wの抵抗で済むがその分,配線抵抗のレイアウトが厳しくなる。50Aともなれば,そろそろプリント配線版では厳しい電流値でもある。

強電回路なら問題になるサイズではないし,高価なホール素子を用いた磁界検出形DC電流プローブを使う手段もある。しかし,小規模の電子回路ではこの方法はとりにくい。交流なら,CT(カレントトランス)を使う手段もあるが。

実験室的には,適当な巻き線抵抗をほぐして,その全長の抵抗値を測り,単位長さ当たりの抵抗値を求める。次の段階で,電圧測定端子を接続する。これを,たとえばパワーFETのソースGND間に挿入し,オシロスコープでダイレクトに測定する。この方法によれば,付加的な寄生インダクタンスを最小に抑制しつつ,コンパクトな測定系で高速の測定が可能である。当然,抵抗線は高温になる。短時間ならこのような測定も出来る。

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2007年11月26日 (月)

分圧回路の計算1

Photo 2本の抵抗による分圧回路の計算はしょっちゅう回路計算では出てくる。

中点電圧Vo=VR2/(R1+R2) この計算式を知らない方は少ないと思う。

図は分圧回路でVoを1-5Vの範囲で可変できるように,R1,R2を定めよ。という問題はその応用編。

VRに掛ける電圧は,可変抵抗の調整範囲である5-1=4V,したがって,ループに流れる電流は4mA,

R2に掛かる電圧が1V,電流は4mAだからR2は250Ω

R1には4V,4mAだから1kΩ

これで,目的にかなう回路定数が求まる。でも,分圧回路の計算過程を示した後,この様な形式で出題すると「わかりません!」との答えが返ってくることも少なくない。

公式丸暗記では,この問題は解きにくい。分岐のないループ1個の回路の電流が,どこも等しいことを理解していること,与えられた条件をうまく利用する執着心が必要だ。

この問題では必要十分な条件を与えているが,工学では必ずしも必要十分条件が与えられた問題を扱うわけではない。条件が足りなければ,自分で都合の良い条件を与えて,解を一意的にする。自由度が足りなければ回路構成を工夫して必要な設計自由度を確保するセンスが必要となる。

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2007年11月24日 (土)

伝言ゲーム

人が介在し,伝聞情報として何段階か経由し情報が変容していくことを楽しむのが伝言ゲーム。

経由する人が多いほど情報の変容が激しい。ゲームなら楽しめるが,仕事となるとそうは行かない。会社組織の中で生活していた頃でも,それなりに経験し対処してきたつもりであるが,独立エンジニアとなればアクセスできない部分も多々あるのだ。

到達した情報から元の情報を再構築するのは容易ではない。到達した情報には矛盾が大抵あるから,いくつかのケースを想定したうえで,矛盾を生じない視点を複数準備して顧客のところにアナログエンジニアは出かける。もちろんそのプロセスは頭の中にある。直接コンタクトの席上で,何を話すか,何を聞くかを決める。そこから,コンサルタントとしての仕事が始まる。

一般に欠落しやすい情報は,技術論での前提条件,お金の話,弱点などがある。介在ポイントが多いほど欠落情報や矛盾が増える。

独立エンジニアとしての活動を始めてからもうすぐ1年となる。会社生活とは違う形態の難しさがある。技術力とは別の営業的センスも必要なのである。

はじめてのルートでのプレゼンテーションはとくに気を使う。事前準備も行う。自分のカードをすべて1回目で切れば,それで終わり。しかし,自分の価値と1回の私のコンサルティングからクライアントが評価できるものがなければ,その場合も1回で終わり。

日本ではコンサルティングに対する評価は,まだ十分ではない。正確な情報,判断に対する報酬という形態にはなかなかならない。技術世界においても,ミシュランの星の数のような格付けがあってもよさそうであると思うが。もっとも駆け出し独立エンジニアでは星をもらえるほど,名が売れていないのも確かである。

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2007年11月20日 (火)

長旅あれこれ

昨日からドアtoドアで片道7時間の出張。

今日は珍しく同年輩の隣席の方とチョコチョコ会話。電車の中で隣り合った方と話しを交わすことは珍しい。学生時代の旅は,色々の年代の方と話すことが多かった。時代の流れかな。

行きに乗った新幹線は,喫煙車のある「のぞみ」旧タイプ。

帰りに乗った「のぞみ」は全車禁煙,喫煙席のないN700系の最新鋭車両。スモーカーの私には厳しい数時間となる。ところが奥の手があった。いくつかの車両には喫煙ルーム(4人で満席)があるとのことで,駅員さんに教えてもらって操作。喫煙ルームのある車両の2人掛け席の通路側を確保。しめしめ。なお,窓側にはAC100Vのコンセントがついている。携帯の充電とパソコン用電源コンセント。

昨日はホテル泊。ノートPCを持って行ったので,LANケーブルでインターネット接続。すると,ウィルスチェッカーが認証されていない・・・のメッセージを出す。何度やっても同じ。インターネット接続を停止することを推奨している。電話連絡するような時間帯なので,意を決して,継続を選択。ホテルのWEBのオープニング画面がでて,やれやれ。メールを処理して就寝。

ほんとは,最初に書こうと思ったのだが品がないように思ったので後回しにした。このブログ,統計的に火曜日が週の中で一番アクセス件数が多い。ところが,アクセスカウンターの増し分は普段のなんと1/20!!!!

昨日の朝の記事が悪かったのか,今日更新していないのが悪かったか   反省しきり。

 とまで考えた。

原因は,このブログサイトのシステム障害。ほっとした。ほっとした。

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2007年11月19日 (月)

使命達成率

使命達成率:ミッションアベィラビリティ?

要するに与えられた仕事を達成する確率のことで,エンジニアにとっては結構な関心事である。私の年齢になると,個人としての生涯使命達成率という概念が半定量化できる。

私の場合,多分使命達成率は自己評価で90%を程度か。しかし,当初の目論見のとおり総て順調に行ったケースはほとんど無い。

第一関門は,とある前提条件と制約の下に仕事を請けるか否か,実現可能性のあるプロジェクトであるかどうかの判断に迫られる。素性の悪い発想からでたプロジェクトは成功確率が低い。そしてその指令は,上長経由で来るのが普通なので,仕事に条件をつけるのは若い人にとって勝負を賭けた条件論争になることも多くある。

条件が議論できるケースは工夫の余地が,若い時代にもある。しかし,条件そのものが明白に示されることはそんなに多くないと思う。社の大目標に沿いながら,方針転換を上層部に促すためには多大の労力と精神エネルギーを要する。

当然,変更を促すための根拠となる実データを取得するには,蔭で裏付けデーターをとる必要がある。

30歳前後の頃だと思うが,総額1000億を越えるプロジェクトでプラントの設計ミスで簡単にはセンシングできないケースが生じた。許される期限は半年,センサ環境は人間が数分で致命傷を負う環境である。その代わり,若造がチームのリソースをほぼ自由に使えた。

このようなケースで私の対処方のポイントはいくつかある。

センサ材料は,その環境で耐える材料以外に使えない。使えなかった。

その材料で作れるセンサは,従来から安定性が良くないと称されていた。しかし,短期間の予備実験でアナログ回路システムをリニュウーアルすると,そのセンサが理論に近い挙動を示すことがわかった。

電子回路は当然この環境に耐えないので,100m近くの距離を特注の電線で接続した。多分30年前のレートで4000¥/mくらいの価格である。

そのセンサは多分今でも複数サイトで運用中である。アナログ/センサは大規模プラントにおいても,時と場合によってはそのシステムに影響を及ぼす。

情報のフロンティアそれはセンサの能力に依存する。アルミニウム合金が溶融するような環境下で動作するセンシングもありえるのだ。そのセンシングアイテムひとつで,プラントのシステム構成の基本ポリシィが変化することもありえる。

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2007年11月16日 (金)

獲らぬ狸の皮算用

今日,隣町に出かけた帰りに,2車線道路の脇に狸と覚しき中型犬クラスの動物がはねられて死んでいた。体型が平べったく尻尾が太いので狸と推定した。狸といえばタイトルの諺を私は連想する。

「獲らぬ狸の皮算用」,ものつくり開発の初期段階ではこの発想で○×をつけてスタートする例がかなりある。数社でもこのパターンをみた。

仮定の上に仮定を積み上げてストーリーを作る開発パターンである。リスクの存在は明らかにされないのが通例である。

発想/創造するには,このプロセスは必要であると考える。目的とするメリットが出るか否かで最初の篩に掛かる。成功すれば学術論文にはなる筈。モノつくりではそうは行かないが通例である。光あれば影は必ず生じる。時間の尺度は別として,形あるもの総て変化し安定状態である「土」に戻る。

開発の成功率を上げるには,その方式の影の部分への対処方法を同時並行的に考えておく必要がある。

光の部分は誰にも判りやすい。受け入れやすい。しかし,影の部分は説明も難しいし悲観論者のレッテルを貼られることもある。

しかし,実用化に際して影の部分を避けて通れない。影の部分への対処方法が成功の鍵を握ることもある。

アナログエンジニアは当然,影の部分を意識して開発を進める。「綺麗なバラにはとげがある」

影の部分/問題提起は,タイミングとバックデータとリーダーとの信頼関係が欠かせない。問題提起するには,光のなかに埋もれている兆候を見逃さず,そしてその影響の及ぶ範囲まで概算しておく必要が処世術として生じる。

「赤信号,みんなでわたれば怖くない」ではモノつくりは成り立たないではないか。

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2007年11月14日 (水)

温度試験

電子回路の大敵は温度変化。いや,他の分野でも最大の環境要素は第1に温度。

温度試験というと,恒温槽を使った試験を連想する方も多いと思う。この試験は,設備と時間が掛かるので,開発の最終段階で確認のため少数サンプルで行われることが多い筈である。

しかし,温度試験が必要かどうかは,注意深く観察しているなら大抵の場合,実験過程で判る。電子回路なら電源ON直後からの着目する特性の時間変化を観察する。回路の電気的時定数は大抵コンマ数秒以下で,温度変化や自己発熱の時定数はもっと長い。初期ドリフトの傾向を見るとおよその時定数と,振幅が観測される。これを元に,必要なら回路構成や部品などの設計変更を行う。

着目する量の温度変化が安定するまでの時間が判れば,それに対応する熱時定数をもつ部分を調べる。

電子回路の多くの部分は絶対安全電圧以下でかつ絶縁されているので,指でその部品を掴めば冬場なら20℃程度の温度変化を与えることができる。

アナログエンジニアは自宅でも温度試験を行うことがある。

冬場で,筐体に入っているなら,朝一,暖房無しで計測する。ついでストーブを持ち込んで暖房。これでも20℃程度の温度変化を与えることができる。

対象部分が数cm角程度のエリアであれば,家庭用ドライヤーで加熱する。この方法で60-80℃まで昇温できる。

低温試験はあまりやらないが,家庭用冷蔵庫の冷蔵室と冷凍庫を用いる。これで室温,数度,-25℃程度の試験ができる。

高級な機材を使用して定量化するのは最終段階。アナログエンジニアはそれ以前の段階で,試験すべきか否かを判断している。もちろん,各部品の温度特性の仕様を元に,最終結果がどうなるか,測定器の温度特性もチェックしておくのであるが・・・。

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2007年11月13日 (火)

仮想短絡

_1980 ←普段,雨戸を閉めない戸袋で見つかった蜂の巣。6角形の長辺は約10mm。2階建て。雀蜂ほどではないが,少し大きな蜂の巣のようだ。そういえば,今年の夏は少し太めの蜂が庭を時々飛んでいた。

利得無限大,オフセット0,負帰還の仮定の下に,仮想短絡はオペアンプの+,-入力端子間電圧が0になるように出力される概念である。

負帰還の掛かったオペアンプにおいて,基本特性の把握や,周辺素子のばらつきの影響などを検討するときに使うと,計算量が著しく減少し,かつ見通しの良い結果が得られる。オペアンプ回路の周波数特性を検討する際には,仮想短絡の概念を捨て,オペアンプを有限利得,一次遅れ特性と見なして検討する必要がある。

速算するには,有限利得オペアンプとして扱い,仮想短絡の仮定の代わりに,+,-入力電圧差ΔVがA倍されて出力電圧VoになるAΔV=Vo関係式を用いる。さらにA=A0/(1+jωT)を代入すると,位相補償されたオペアンプ回路の周波数特性が求まる。わたしは,オペアンプの周波数特性を最近この2段階変形方法で説明することが多い。

オペアンプといえば「仮想短絡」のイメージが強い方もいるが,仮想短絡の成立条件は,最初に述べた利得無限大,オフセット0および負帰還である。

ヒステリシスコンパレータなどでは,正帰還を用いるので仮想短絡は成立しない。

このような計算,幾度もする必要はないが,一度は自らの手で解析過程を辿っておくことが肝要である。

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2007年11月12日 (月)

オームの法則2

オームの法則はV=RI,抵抗の端子電圧Vが抵抗値R×電流の積に比例する有名な法則である。

端子電圧Vを求めるなら,V=RIでRとIを知ってVを求める。

電流を知りたければ,I=V/R,Rが既知でVを測定する場合が大半である。

抵抗値を知りたければ,R=V/Iと変形し,VとIを測定する。Iが逆数の形なので,Iを一定にしてVを測定する場合が多い。

この変形,「3文字式を何々について解け」との中学で訓練されているはずの課題であるが,実際の測定の場面で自在に使える電子回路屋さんは意外に少ない。

次に,抵抗値が環境によらず一定という仮定が成立するか否かである。1Ωの抵抗で1Aを測定すれば1Vが出る筈である。このとき抵抗体は1Wを消費する。定格が1Wの抵抗なら100℃程度は温度上昇が生じる。抵抗体の温度係数が300ppm/℃なら0.3%抵抗値が変化する。

抵抗体の誤差が仮に0で合ったとしても,リード線抵抗が50mΩ(スルーホール2個程度)あれば0.5%の誤差になり,しかも銅の温度係数は大きいので,リード線抵抗の温度変化により通電により0.2%位の通電ドリフトが生じる。

小型抵抗で1Ωの抵抗値は小さく測りにくいので,公称1%誤差の抵抗は少ない。

このように,精度0.1-1%の測定ですら,条件によっては結構考慮しなければならない項目がある。

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2007年11月 9日 (金)

可変抵抗1

固定抵抗よりも可変抵抗の数値系列はまばらである。1,2,3,5の10^n Ωが一般的である。

製造抵抗範囲も狭い。

可変抵抗を使う場合は,音量調整VRなどの調整機能として人手で設定する場合がほとんどである。センサ回路の感度やバランス調整などにも使われることもある。

低抵抗の可変抵抗は得にくく,可動端子の接触抵抗の影響を受ける。巻き線型可変抵抗の場合には,低抵抗ほど巻きピッチが荒くなるので,適度な抵抗値のVRを選ぶ必要がある。人が設定するので,数度以下の調整は困難である。

低抵抗のVRが必要な場合の対処方法は,適度な抵抗値のVRの1-3端子間に,低抵抗を接続し,VRの2番(可動端子)から電圧を取り出す方法である。必要な設定分解能に応じて,多回転型のVRを使用する。

VRの全抵抗値に比べて1段と低い抵抗値を用いることは,VRの温度係数の影響が小さくなることを意味する。巻き線抵抗は通常の用途においては十分温度係数が低いが,他の抵抗材料を用いたもっと大きな抵抗温度係数を持つVRを使うときには,並列抵抗をうまく利用するのが良い。

トリマと呼ばれる半固定VRも同様であるが,常に設定性と温度係数の問題が潜在する。当然,必要十分な調整範囲を選ぶとともに,調整しやすい回路箇所を作りその場所で調整する。複数のVRを用いるときには,調整機能間の干渉をできるだけ消去しておくと,調整しやすいシステムになる。

VRの使い方は,アナログエンジニアの腕の見せ所でもある。それだけに,調整部分の回路定数の総てが公表されることは少ない。

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2007年11月 7日 (水)

起動回路

Photo 基準電圧ダイオードDZの低温度係数を確保するには,指定された電流で駆動する必要がある。

この回路は基準電圧DZをn倍化するとともに,基準電圧より高い安定な出力電圧を利用して,RSにより一定電流をDZに流す。これが表の論理である。

起動時にはDZの電圧は,その漏れ電流があるので,OPアンプの入力は0,したがって出力,およびRSを流れる電流も0となるので,いつまで経っても出力が立ち上がらない。これが裏の論理である。

期待する出力と0出力もともに安定な状態である。

これを回避する手段が,破線部で囲んだ起動回路である。点aの電圧を正常なDZ電圧より低く設定しておくと,起動時にはOPアンプの出力をDZより高く設定できる。この結果,RSに電流が流れ,DZ電圧は所定の電圧まで立ち上がる。

点aの電圧は正常なDZ電圧より低くしてあるので,起動が完了すれば破線部の回路はダイオードDにより切り離される。

起動回路が記載されていないこの回路形式を教科書で見たことがある。動作に必須の回路要素が記載されていない場合は珍しいことではない。しかし,回路動作に必須の要素が欠落している図は,理解の妨げになると考えるアナログエンジニアである。

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2007年11月 6日 (火)

レベルシフト回路

Photo 定電流源の電流Iに比例した電圧を,GND側とVCC側に,同時に得る回路。

Q1とQ2がペアで対称ならカレントミラー回路であるが,RSとREは異なっても多くの目的は達成できる。

I・RS≒V2,V1≒V2×RC/REである。

この回路,リニア回路ではGND基準の電圧を,反転してVCC基準の電圧に変換できる。負荷が軽ければそこそこの精度でレベルシフトできる。

a点はダイオード接続したトランジスタQ2と抵抗の直列接続であるが,精度を必要としない場合には,a点は固定電位でよい。Q2の存在はVBEの温度係数の補正のために追加した素子なので,回路的に必然的に必要な阻止ではない。

a点-GND間にコンデンサを接続すると,Q1は固定入力のベース接地回路となり,VCCの変動に対して高速応答できる。

周辺素子を提示したので,少し見にくくなっているが,Q1,RE,RCの構成は,一石電流帰還型エミッタ接地回路のバイアス回路と直流的には同じである。エミッタ電流IE≒コレクタ電流ICがほぼ等しいことを利用して,出力V1の電圧を制御する。

基準電圧の発生には案外コストが掛かる。そこでこのタイプのレベルシフト回路を使って,ローサイドにもハイサイドにも基準電圧を発生させるのである。

もちろん,この回路形式でIに相当する電流をON,OFFすれば,SW速度はともかくとしてP型能動素子をSWできる。

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2007年11月 5日 (月)

エミッタ接地回路のf特

10_1969 ←我が家の紅葉。始まったばかり。どうだんつつじは秋に剪定したので,綺麗な紅葉にはならないでしょう。

エミッタ接地1石増幅器(基本回路)の高域周波数特性は信号源インピーダンスの影響を強く受ける。信号源抵抗が低いほど帯域は高周波側に延びる。

通常は,信号源を理想的なAC電圧源+抵抗で置き換えると,ミラー効果が妥当な値になるので,普通に観測される値になる。

エミッタ接地増幅回路の低域特性の計算方法は,回路図に記載されているので,回路図に記載された関連するコンデンサの容量から解析的に予測できる。

トランジスタの寄生容量はC-B間とB-E間に同程度の容量がある。信号源抵抗1kΩ,C-B間容量10pF,電圧利得100とすると高域カットオフ周波数は160kHzとなる。

信号源抵抗を入れない(電圧信号源だけ)とするとミラー効果が発生しないので,計算上は1桁以上の高周波カットオフ周波数が得られる。

エミッタ接地増幅器の高域周波数特性は,C-B間容量でおもに決まるので,データーシート上ではCobのみが記載されていることが多い。

基本的な1石エミッタ接地回路でも,明示された容量により決まる低周波カットオフ周波数はともかくとして,高域特性の予測には信号源抵抗への配慮が欠かせない。

周波数特性を論じるなら,信号源抵抗を明示する回路を示すべきだと考える。ミラー効果を提示するなら,やはり信号源抵抗を明示すべきだと考える。

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2007年11月 3日 (土)

リリーサー

昼前にアーチェリーショップから注文の品が届いた。

複合弓のアクセサリーである,弦を離す道具:リリーサーである。手首と人差し指トリガの間隔を短めにセット。骨格の特徴を補うためだ。自宅の7mの設備で,近射。感触はかなり良い。トリガはとてもスムース。思ったタイミングで発射できる。

今回購入したのは,指ではなく手首で引いて,銃砲のように人差し指でトリガするタイプ。

指や手のひらの曲げ具合に左右されず真っ直ぐ引ける。これでしばらくやってみよう。付随する課題は当然生じるが,トリガの掛かり具合に起因する大きなミスショットは減りそうな感じ。

7m,インドア3目的で大体10点に入るとこまで調整できた。

12月からはインドアシーズン。18m,直径40cm的(上級者は6点までしかない的,3個に各1本ずつ射ちます)で,ブロンズバッジを目指して調整しよう。

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2007年11月 2日 (金)

体形と遺伝

まず,私の肩関節と肘の長さL1は肘と手首の長さL2よりかなり短い。腕全体の長さは大抵の同身長の方より長い。

L1が短いということは腕を折り畳んで水平に構えたとき,指の位置が顎より前方になることを意味する。アーチェリーでの基本の構えは顎の真下に右手の指を固定する。これができないのだ。したがって,背筋を使ってオーバードローの状態で引くか,腕の長さの差分だけ顎を突き出す必要がある。それだけにミスショットが出やすい。

次の段階では,複合弓に転向して,発射機(リリーサ)を使うようにした。しかし,仲間達のように,リリーサのトリガを掛けられない。私は手のひらが長く指が短い。したがって,親指と人差し指で輪を作り,リリーサを引くようにして,トリガをかけ発射することはかなり難しい。

腕の全長が身長の割りにかなり長いので,前屈運動などでは柔軟性があるように見えるが,アーチェリーには関係がない。L1とL2の比率で,従来弓(リカーブボウ)ならおよその射形が決まる。

腕も指も遺伝的要素が強く,わが血族親族は比較的腕が長い。手の掌の形状,皺の多さも祖母譲りである。

手をこまねいて悩んでいてもしょうがないので,昨日,タイプの異なる発射機を注文した。慣れるには時間が掛かるかも知れないが,手の掌の形状分を調整できる機能がついているタイプである。トリガさえ望むタイミングで掛けられれば大外れはないので仲間と一緒に練習できる。

スポーツのフォームひとつをとっても,各自の肉体的特徴を反映したものになると感じている。

新しい用具が入れば,また何ヶ月かの試行錯誤が始まる。フォームの一部が変われば全体に影響する。

アナログ回路もまた同じ。一部の仕様条件,測定機材が変われば異なる戦略がありえる。

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2007年11月 1日 (木)

耐火性能偽装

_1968 ←かりんの実。庭に1本だけあるがかなりの数の実がなる。蜂蜜漬けにするなどの方法があるらしいが,我が家では成功していない。かりんの実の活用ノウハウが不足している。バケツ1杯くらいの収穫はあるのだが・・・。

昨日N社の耐火性能偽装が報道された。

N社は耐熱材料に関する様々な技術をもつ筈だ。

気になる報道内容が種々ある。1件目は,開発途上の性能末達のまま製品化したことである。社長が担当者のプレッシャーによる偽装とするコメントが報道されているが,ふつうの会社ではこのような基本性能は何重にもチェックされる筈であるというのが私の感覚である。

2件目は,社内調査で発覚後も出荷を続けたことだ。1次顧客,最終顧客への対策案を提示するまでの準備期間はやむを得ないが,並行して顧客リストを作るのが当然だ。それは行われていない。

3件目は,それなりの技術力を持ち試験手段を持っているはずの会社でなぜ偽装が可能だったのか?ふつうは品質保証部門で厳しい確認が行われるはずである。その時点で上層部が現状を把握できるシステムを構築していなければ,経営できないと思うが。

4件目は,耐火試験を行った財団法人の責任である。試験を行いお墨つきを与えるからには,初歩的なごまかしテクニックに対応する能力を要求される。その能力なくして検定・承認はありえないと思うが。試験サンプルを供出させ,形とおりの試験を行うだけではその存在意義はないのでは・・・・。

5件目は,内部告発の最後通牒により組織が動いた点である。

この様な例は,A餅やH鳥など多く発生している。逆に考えれば,それだけ風通しの良い社会になってきたという視点もある。まじめな個人,組織が報われる効率的な社会の構築を急ぐ必要がある。

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