使命達成率
使命達成率:ミッションアベィラビリティ?
要するに与えられた仕事を達成する確率のことで,エンジニアにとっては結構な関心事である。私の年齢になると,個人としての生涯使命達成率という概念が半定量化できる。
私の場合,多分使命達成率は自己評価で90%を程度か。しかし,当初の目論見のとおり総て順調に行ったケースはほとんど無い。
第一関門は,とある前提条件と制約の下に仕事を請けるか否か,実現可能性のあるプロジェクトであるかどうかの判断に迫られる。素性の悪い発想からでたプロジェクトは成功確率が低い。そしてその指令は,上長経由で来るのが普通なので,仕事に条件をつけるのは若い人にとって勝負を賭けた条件論争になることも多くある。
条件が議論できるケースは工夫の余地が,若い時代にもある。しかし,条件そのものが明白に示されることはそんなに多くないと思う。社の大目標に沿いながら,方針転換を上層部に促すためには多大の労力と精神エネルギーを要する。
当然,変更を促すための根拠となる実データを取得するには,蔭で裏付けデーターをとる必要がある。
30歳前後の頃だと思うが,総額1000億を越えるプロジェクトでプラントの設計ミスで簡単にはセンシングできないケースが生じた。許される期限は半年,センサ環境は人間が数分で致命傷を負う環境である。その代わり,若造がチームのリソースをほぼ自由に使えた。
このようなケースで私の対処方のポイントはいくつかある。
センサ材料は,その環境で耐える材料以外に使えない。使えなかった。
その材料で作れるセンサは,従来から安定性が良くないと称されていた。しかし,短期間の予備実験でアナログ回路システムをリニュウーアルすると,そのセンサが理論に近い挙動を示すことがわかった。
電子回路は当然この環境に耐えないので,100m近くの距離を特注の電線で接続した。多分30年前のレートで4000¥/mくらいの価格である。
そのセンサは多分今でも複数サイトで運用中である。アナログ/センサは大規模プラントにおいても,時と場合によってはそのシステムに影響を及ぼす。
情報のフロンティアそれはセンサの能力に依存する。アルミニウム合金が溶融するような環境下で動作するセンシングもありえるのだ。そのセンシングアイテムひとつで,プラントのシステム構成の基本ポリシィが変化することもありえる。
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