微小電流の測定
μAは電子回路では普通に出てくる電流値である。nA(10^-9)までは通常の環境と実装で測定できる。pA(10^-12)になるとそれなりの注意が必要である。fA(フェムトA=10^-15)台になるとやれることは何でもして,最善を尽くすことになる。
普通の家庭環境でシールド無しだと,私の腕では10pAを扱うのが精いっぱい。
微小電流の測定には,電流-電圧変換増幅器を用いる。このタイプの増幅器には,微小バイアス電流をもつオペアンプと超高抵抗を用いる。1テラ(10^12)Ωの抵抗を用いる場合もある。サイズは電子部品としてはかなり大きい。ガラスに封入されたものもある。
コンパクトに実装できないので,商用周波数の誘導を避けるために厳重に電磁シールドを行うのは当然である。
問題のひとつは,センサからアンプまでの配線である。通常は特殊同軸ケーブルを用いる。配線での漏れ電流は無視できない。
アンプ側もそれなりに対応する。エポキシ基板の絶縁性能は期待できないので,高性能積分回路並みのガードリング,絶縁などの処置を施す。
このような微小電流の増幅では,表面漏れ電流や温度上昇に伴う増幅素子の入力段のバイアス電流増加も性能限界を決める。
着目する時間スリットにおいて,このような微小電流領域では電子が何個入ってくるかも問題になる。DC増幅なら帯域を制限してもアンプ部分から発生する1/fノイズによる過剰ノイズもある。
帯域が狭く,必要な設備があれば,多分今のアナログエンジニアは数fAまでは検出できるだろうが,そこで使用する部品は秋葉原で簡単には調達できないであろう。
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生体電流を利用した健康治療具を製作している会社です。
チップを皮膚に接触させると微弱なイオン電流が流れて体のコリの緩解をもたらす仕組み
となっています。
このチップを皮膚に接触させて流れるイオン電流を測定できるでしょうか。
ご検討頂ければ幸いです。
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株式会社千葉大洋エレクトロニクス
宮本 優(みやもと まさる)
千葉市中央区富士見1-13-9
千葉センタービル
電話 043-224-9562
ファックス 043-224-9563
mail:
chibataiyo@kmd.biglobe.ne.jp
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バイオセル・美容関連提携会社
株式会社ポリトロニクス
http://www.polytronics.jp/
投稿: 宮本 優 | 2010年2月17日 (水) 17時52分
生体電流を利用した健康治療具を製作している会社です。
チップを皮膚に接触させると微弱なイオン電流が流れて体のコリの緩解をもたらす仕組み
となっています。
このチップを皮膚に接触させて流れるイオン電流を測定できるでしょうか。
ご検討頂ければ幸いです。
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投稿: 宮本 優 | 2010年2月17日 (水) 17時54分