2段オペアンプ回路
2段増幅器をオペアンプで構成するとき,前段と後段の利得配分をどう決定するか。
必要な電圧利得が大きい場合:信号が小さい場合でかつ帯域も必要な場合には,必要な電圧利得の平方根で各段の利得とする。このようにすれば,同じ利得帯域幅積(GB積)のオペアンプで最大の周波数特性を得ることができる。
同種オペアンプで構成するなら,周波数特性が同じ高域カットオフ特性を持つ1次遅れ特性となるが,1次遅れ特性の壱縦続接続なので,過渡応答は通常振動的にはならない。
3オペアンプ形計測増幅器を構成する場合には,後段の加減算器の抵抗比精度が厳しくなるので,初段で全利得を稼ぐのが,同相電圧除去比がDC的に最大になる解である。同相電圧除去比と周波数特性を同時に追及するなら,許される最良の抵抗比で後段の利得を大きくし,初段の電圧利得を控えめにとる。
内部位相補償形オペアンプでは,GB積が一定なのでこのような結果となる。
外部位相補償形では,利得1での安定性は必要が無いので,相対的に大きな利得を初段で稼ぐことができる。しかし,次の段との高域カットオフ周波数をうまく組み合わせないと,過渡応答が振動的になることもある。
2段オペアンプ増幅器の利得配分では,条件に依存して様々な「最適」解が存在する。
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