ダーリントン接続
たとえば,npnトランジスタQ1,Q2の2個でのダーリントン接続は,コレクタC1,C2を接続,Q1のエミッタE1とQ2のベース接続しQ1のベースをベース端子,E2をエミッタ,C2をコレクタ端子と見なせば,電流増幅率の非常におおきいバイポーラトランジスタを等価的に得られる。
ワンチップ化されたダーリントントランジスタでは,B2-E2間やB1-E1間に抵抗が接続されている場合が多くある。これらの抵抗は,ダーリントントランジスタの電流増幅率hFEに大きなコレクタ電流依存性を与える。したがって,実際に使用する際には,データーシート上の情報から,実働条件でのhFEを温度条件を勘案して決定する必要がある。
また,ダーリントン接続を行うとC-E間の飽和電圧がVBE+VCE(sat)≒0.8-1V程度に増加する。単体のトランジスタなら0.1V前後である。したがって,この手のトランジスタをスイッチング用途に使用する場合には,ON電圧の増加と,その増加に伴うON損失電力に留意する必要がある。ダーリントン接続に伴うON電圧の問題は実務上十分注意する必要がある。
ICダーリントントランジスタでは,その図記号が単体トランジスタと同じものを使われる場合もある。しかし,使用に際しては,内部等価回路を意識しなければならない回路も数多く存在する。
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