鉄路の幅
JR在来線は狭軌,新幹線は広軌。少ないが広軌を用いている私鉄もある。線路の幅は車で言うとトレッドに相当する。
3ナンバーの車のトレッドは約1.5m。車輪の前後の間隔(ホイルベース)は2.5mを越える。小型車では,トレッド,ホイルベースともにデザインの許す限り広く取っているように見受けられる。4つの車輪で形成する四角形の面積が乗り心地の基本要素となるためだ。
狭軌は1.1m弱の幅である。一方,車両の幅は4人掛け+通路だから3m前後と推定できる。車と比較すると車体の幅と車輪の幅がかなり狭い。
カーブでは水平方向の遠心力(横G)がかかる。数年前の関西での大規模な脱線事故では,カーブでの車両の速度と人が乗っている状態での車両の重心位置が盛んに報道された。
遠心加速度はmRω^2,mは車体の質量,Rはカーブの半径,ωは角速度である。角速度ω=v/Rだから,速度の2乗で遠心力は水平方向に働く。垂直方向は下向きにmgの力が働く。この2つの合力が,外側の車輪の鉛直線上になれば,車輪が浮く寸前の状態になる。重心位置が判明しているなら,高校物理の知識でここまでの計算はできる。
本格的には,軌道面の傾斜や横Gによる人の移動の重心位置,サスペンションの状態などの解析が必要となるだろう。そこは専門家の領域だ。
ただ,カーブでの安定性が速度の2乗に大略比例することには変わりがないと考える。何km/hの速度超過が問題ではなく,規定速度に対して何倍の速度でカーブに進入し,その倍率の2乗が重要であるはずだ。
オフロード走行を想定した車高の高い車も町を走っている。車の場合には,曲がる半径が小さいので,カーブへの進入速度は十分落とす必要があろう。
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