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2008年1月23日 (水)

hパラメータ hoe

トランジスタを4端子のブラックボックスと見立てたとき,入力電圧V1,入力電流I1と,出力電圧V2,出力電流V2の関係を下式のように表したときの係数がhパラメータである。

V1=h11I1+h12V2

I2=h21I1+h22V2

エミッタ接地増幅器では,h22は出力アドミタンスと呼ばれ,h22=ΔI2/ΔV2=ΔIc/ΔVCEであり,hoeとよばれる。

hoeはVCE-IC曲線の傾きの逆数でかなり小さい値をもつ。

この傾きは,コレクタ電流依存性をもち,異なるコレクタ電流で取得したVCE-IC曲線群を左側に延長するとほぼ負の1点で交わる。これがアーリー電圧VAである。したがって,hoeはコレクタ電流に比例する。少なくともICの関数になっている。

アーリー効果を表現するなら

Ic=Ic0(1+Vce/VA)と表現すれば広いコレクタ電流範囲でのVCE-IC特性を表現できる。

この式を用いて,hoeを表現すると

hoe=ΔIc/ΔVCE=Ic/VA となるから簡単にhoeが求まる。

数値例を挙げれば,Ic=10mA,VA=100Vとしてhoe=10^-4[A/V]である。

アナログエンジニアはふつうhoeのハイブリッドパラメータを使って設計計算をすることは無い。hFEのコレクタ電圧依存性が影響する場合のみ,アーリー電圧を用いて精密に計算する。

hoeはコレクタ電流に直接依存するので,今ではトランジスタのデータシートに記載されることはかなり稀である。

実務における計算法とも異なる。トランジスタが主流となった今,hパラメータを,その算出方法を教授しないで大学で教える意味は少ないと考える。

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